携帯電話やスマホの電話番号あてに、企業からの通知目的でテキストメッセージを送信するサービスとして、広く利用されているのがSMS(ショートメッセージサービス)です。
最近では、同様の用途でLINEの友だち以外にもLINEのメッセージを送信できる「LINE通知メッセージ」を活用するシーンも増えてきました。
LINE通知メッセージとSMSでは、それぞれどのような特徴や違いがあるのでしょうか?
SMS(ショートメッセージサービス)とLINE通知メッセージの違い・比較
SMS(ショートメッセージサービス)とLINE通知メッセージは、いずれも電話番号を宛先にしてメッセージを送信します。電話番号はメールアドレスや住所と比較して変更されることが少なく、メッセージの到達率が高いのが特徴です。
また、スマホにメッセージが届き、即時性があること、プッシュ通知で気づいてもらいやすく開封率が高いことから、企業からの「通知」目的で多くの企業で活用されています。
▼SMSやLINE通知メッセージで利用される主な通知
- 予約・登録・申込完了通知
- 料金確定通知・督促
- 購入完了・発送完了・決済完了通知
- リマインド通知
- 障害通知 ほか…
それでは、LINE通知メッセージとSMSはどんな違いがあるのでしょうか?
簡単に比較表にまとめてみたいと思います。
SMS | LINE通知メッセージ | |
---|---|---|
リーチできるユーザー | スマホ、ガラケー利用者(一部格安SIMでは不可) | LINEアプリ利用者 |
用途 | 各種通知、認証コード | 「LINE通知メッセージUXガイドライン」に定義されている各種通知 ・配送通知 ・予約通知 ・リマインド通知 ・購入完了通知 ・申込完了通知 他 |
広告利用 | 可能 ※特定電子メール法を順守する必要あり | 不可 |
文字数 | 文字数制限あり。 多くは全角670文字。ガラケーなど機種によっては全角70文字。 ※ユーザーの機種に依存 | LINE通知メッセージUXガイドライン」にて項目ごとに指定あり。 説明文40文字、企業紹介文40文字など |
デザイン | ||
配信コスト | SMS送信サービス利用料+1通あたり8〜15円の配信費用 | サービス利用料+1通あたり1円〜 |
導入 | SMSサービス利用が一般的 | 条件や審査あり |
送信元 | 受信者のアドレス帳に登録されていなければ、送信元が電話番号で表示。 フィッシング詐欺などの問題も | 送信元のLINE公式アカウント名(認証済)が表示。 なりすましはできない。 |
その他 | ユーザーの認知度が高い | LINEの友だち追加が増える二次的な効果も |
以下の章で詳しく紹介していきます。
SMS(ショートメッセージサービス)の特徴(メリット・デメリット)
リーチできるユーザー:アプリダウンロード不要
スマホだけでなく、いわゆるガラケーにもメッセージを届けることができます。(ただし格安SIMによってはSMSを利用できない場合もあります。)
アプリをダウンロードする必要がなく広くリーチできる点が特徴です。
広告利用も可能
SMSは広告用途での利用も可能です。
ただし、SMSは、迷惑メールの送信を規制する法律である「特定電子メール法」の適用対象であり、違反は罰則の対象となります。
そのためSMSを広告利用する場合は、以下の対策が必要です。
- 本文中に送信者名を表示
- オプトイン(受信者の許諾)が必要
- オプトアウト(受信拒否)の手段を明記し、ユーザーが任意のタイミングでオプトアウトできるようにする
- 問い合わせ情報を記載する
※参考:特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)|消費者庁
尚、キャリアやスマホ・携帯の機種によって受信できる文字数が異なる点に注意が必要です。スマホの多くは全角670文字まで可能ですが、ガラケーなど機種によっては全角70文字までしか対応していません。
利用するサービスによって機能や料金が異なる
一斉に多くのユーザーに配信する必要があるビジネス利用では、「SMS送信サービス」を利用することが一般的です。
SMS送信サービスを利用する場合、SMS送信サービス利用料に加え、1通あたり8〜15円程度の配信コストがかかります。
料金や機能(予約配信、セグメント機能、属性差し込み、分析他)は利用するSMS送信サービスによって異なることから、導入時には自社にマッチしたSMSサービスを選定する必要があります。
※参考:SMS配信システムの費用相場は?料金体系やサービスの一例をご紹介|発注ナビ
偽装SMS、SMSを利用したフィッシング詐欺などの問題も
SMSでは、宛先の電話番号がユーザーのアドレス帳に登録されていなければ、送信元が名前ではなく電話番号で表示されます。
SMSを利用したフィッシング詐欺(スミッシング)が社会問題にもなっていることもあり、SMSを受信したユーザーにとって本当にその企業から届いたのか不安になるケースも。
これらをうけて、多くの企業はSMSでどんなメッセージを送信しているかを予め告知したり、Web上で詳細を提示するなどして、ユーザーの不安を取り除き、安心してメッセージを受け取れるような工夫をしています。
例:三井住友カードからSMS(ショートメッセージ)が届くことはありますか?|三井住友カード
※参考:
サイバー犯罪者にとっては便利すぎる!? SMSを使ったフィッシングが急増するワケ
ショートメッセージ(SMS)を利用したフィッシングに注意
LINE通知メッセージの特徴(メリット・デメリット)
リーチできるユーザー:友だち以外にもLINEのメッセージを送信できる
LINE通知メッセージは、友だちとして登録されていないユーザーに対しても重要性や必要性の高いメッセージをLINEで配信できるメッセージです。
LINEは、国内MAU9,500万人*1以上で、日本の人口の約8割をカバーしているといわれています。友だちであるなしに関わらず、ユーザーが日常的に利用しているLINEアプリにメッセージを届けることができます。
また、企業から通知メッセージが配信されると、LINEヤフー社のLINE公式アカウントより◯◯(企業のLINE公式アカウント名)から「LINE通知メッセージが届きました」というメッセージが届きます。
通知メッセージを利用できるLINE公式アカウントは認証済みアカウントであること、LINEヤフー社のUX審査を含むプロセスを経たものしか配信できない(後述)ので、送信元が電話番号表示のSMSと比較すると偽装やフィッシングなどのリスクがなく、受け手であるユーザーが安心できるメリットもあります。もちろん、ユーザーは受信しないという選択も可能です。
Q.LINE通知メッセージがユーザーに届かない場合がありますか?
*1 LINE Business Guide 2023年10月-2024年3月期より
利用用途が限定。営利⽬的および広告⽬的は不可
LINE通知メッセージの利用用途は、LINEヤフー株式会社がユーザーにとって有⽤かつ適切であると判断したものに限定されており、営利⽬的および広告⽬的のものは送信できません。
利用用途や、配信項目(配信するメッセージの内容)も「LINE通知メッセージUXガイドライン」に定義されており記載されている「メッセージの内容」のみ利用可能です。
例えば、配送通知では以下の配信項目(メッセージの内容)を含めることができます。
- タイトル:必須
- 説明文:必須
- お届け予定日/配送予定日:必須
- 企業挨拶文:任意
- 企業名/サービス名:任意
- お届け予定時間帯/配送予定時間帯:任意
- 配送担当店/配送営業所:任意
- 送り状番号/お問い合わせ番号:任意
- 「詳細を確認する」ボタン:任意
- 「配達日時を変更する」ボタン:任意
- LINE通知メッセージの説明文:任意
- 心あたりが無い方への注意文:任意
他にも、「友だち以外にも送信できる」からこそ、LINE通知メッセージ導入には様々な条件や審査があります。
- LINE公式アカウントが認証済アカウントである
- 認証プロバイダーである
- 認定パートナー(LINE Biz Partner)経由でのUX審査あり
LINEの友だち追加のきっかけにも
LINE通知メッセージが届くと、企業のLINE公式アカウントのプロフィールページや、(友だち追加していない場合)トークルーム上部に「友だち追加」の導線が表示されます。
そのため、LINE通知メッセージをきっかけに、LINE公式アカウントを認知してもらえるだけでなく、「友だちが増える」効果が期待できます。
「LINE通知メッセージ」で購入・発送完了通知を配信し、受け取ったユーザーの約30%(約3人に1人)が友だち追加しているという、アパレルブランド「nairo」の事例を紹介します。
▼事例) アパレルブランド「nairo」
LINE通知メッセージを受け取った方は「商品を購入し、通知メッセージを受け取るまで、nairoのLINEを知らなかった または 知ってても友だち追加しなかった」方です。そうした前提もふまえて、通知メッセージを受け取った方の30%が友だち追加してくださっているのは嬉しいですね。「こんな便利な通知がLINEで届くんだ」と思ってもらうきっかけになっていると思います。
https://crmplus.socialplus.jp/case/nairo-department
LINE通知メッセージは、ユーザーが必要とする通知を届けるだけでなく、これまでLINEでリーチできなかった自社に興味関心の高いユーザーを中心に友だちを増やせるという二次的な効果も期待できることから、LINE公式アカウントの運用に注力している企業では特におすすめです。
配信コストが安価
1通あたり8〜15円程度の配信コストがかかるSMSと比較すると、LINE通知メッセージは1円〜と低コストで配信が可能ですので、配信するメッセージ数によっては大幅なコスト削減につながります。※但し、費用は利用するサービスによって異なり、高くなるケースもあります。
ソーシャルPLUSでは、1通あたり1.1円と低コストでLINE通知メッセージを導入できます。
LINEの通知メッセージとSMSを併用するケースも
ここまで電話番号を宛先としてメッセージを送信できるLINE通知メッセージとSMSの二つのサービスについて、それぞれの特徴を比較しながらメリット・デメリットを紹介してきました。
多くの企業は、届けたいユーザー層や活用用途、機能、予算、リソースにあわせて利用を検討されるかと思いますが、最近では、SMSとLINE通知メッセージを併用している企業も増えてきています。
ソーシャルPLUS が提供するLINE通知メッセージサービスでは、「LINE通知メッセージの送信結果取得」により、送信したLINE通知メッセージがユーザーに届いたかどうかを判定できます。
そのため、LINE通知メッセージを届けられないユーザーにはSMSやメールでの通知に切り替えることもでき、確実にユーザーに情報を届けるための柔軟な運用が可能です。