今までの就活や転職などの経験から、私なりのポートフォリオの作り方やポイントをまとめてみました。なので、グラフィックやWebデザイナーさん向けですが、クリエイティブ業界全般の方にも参考になると嬉しいです。
目次
- はじめに:そもそもポートフォリオって?
- Step 1:どんなポートフォリオを作ろう
- Step 2:今までの制作物をリストアップ
- Step 3:ラフを書いてページ構成を確認
- Step 4:印刷データを作る
- Step 5:印刷・製本する
- 最後に:完成させるためのコツ
- おまけ:私のポートフォリオはこんな感じ
はじめに:そもそもポートフォリオって?
ポートフォリオとは、簡単にいうと「作品集」のことです。
ポートフォリオは場面によって他にもいろいろな解釈があると思いますが、この記事では「クリエイティブ業界へ就職するために、自分の制作物をまとめたもの」=「ポートフォリオ」と位置づけてお話ししていきます。
Step 1:どんなポートフォリオを作ろう
実際にどんなポートフォリオを作りたいか考えていきましょう。
1-1、ポートフォリオの実例をみる
まずは、ポートフォリオとはどんなものかイメージを膨らませます。
ネットで検索してみたり、学校で先輩のを見せてもらったり。本屋さんでも事例が載っている書籍もあったりします。いろいろ素敵なポートフォリオをみて、自分の作りたいポートフォリオをイメージしましょう。
(例)Pinterest:「portfolio」タグ検索
(例)本:ポートフォリオ・クリエイション (自分を売り込むプレゼンの成功例)
1-2、ポートフォリオの種類
ポートフォリオを何にまとめるか、その種類の一例です。
- ファイル(ポケットファイル)
- 製本
Webサイトを作る場合もありますが、今回のポートフォリオは印刷物として話しを進めていきますね。
比較的安く手に入るページ数(中の袋)が決まったファイルにしがちです。ですが、できればページ数が調節できるファイルにしましょう。
ページ数が決まっているファイルだと、後ろのページを余らせてしまってカッコ悪いことになってしまいます。余らせないために、わざわざポートフォリオ自体のページ数を合わせないといけなくなると自由度が欠けてしまいます。
また、ページ数が調節できるファイルの良いところは、簡単にページの入れ替えができるところです。
ページ数が決まっているファイルに比べてお金はかかってしまいますが、せっかくのポートフォリオなので私はページ数が調節できるファイルをオススメします。
1-3、ポートフォリオの大きさ
ファイルや製本などの紙媒体でまとめる場合のサイズ例です。
- B5
- A4
- B4 ←オススメ
- A3 ←オススメ
- オリジナル
私の場合、ファイルか製本でB4かA3で作っています。A4の方が手に入りやすいですが、サイズの大きい方が制作物が映えますし、面接時に広げた時にインパクトがあります。
また、紙媒体のときはチラシなどの実物も貼れることがメリットです。
Step 2:今までの制作物をリストアップ
これから作るポートフォリオの種類やサイズが決まったら、次は自分が今まで作った制作物をリストアップしてみましょう。
2-1、制作物を箇条書きする
今まで何を作ったのかフォルダを見返して、ざっと箇条書きします。
2-2、カテゴリーにわけて整理する
箇条書きしたら、今度はカテゴリーに別けてみます。
例えば・・・
- メイン(★ Point 3)
- グラフィック
- パッケージ
- Web
- 映像
- 個人的に頼まれたもの
学生の時は制作物の少なさが心配で、なんでもかんでもポートフォリオに入れてしまいがち。なので要注意です。もし少ないことが心配なら、見せ方で改善できます!
私がいつもやっているのは、制作物の中から「メイン」を決めること。だいたい2、3個をピックアップします。そして、ポートフォリオの最初に一番見せたいものとして置き、1個の制作物につき4ページ以上はたっぷり使います。
それゆえ、メインとして載せる制作物はしっかり作った、自分の思い入れのあるものにします。
2-3、必要があれば制作物をブラッシュアップ
意外と見落としがちなのが、今までの「制作物をブラッシュアップする」こと。
仕事で作ったものはできないかもしれませんが、学生の自主制作物であれば尚の事いくらでも後から直せます!ポートフォリオに入れる前に「提出期限に間に合わせるためにちょっと雑なところが…」と思ったら直しちゃいましょう!
Step 3:ラフを書いてページ構成を確認
ポートフォリオの中に入れる制作物が決まったらデータを作ろう!と行きたいところですが、ちょっとストップ!
その前に、簡単なラフを書いてみましょう。
手書きで十分です。
ここに目次、ここに写真、ここにテキストかな、っとだいたいのページの構成を書き出してみます。
この段階でなんとなくページ数が見えてくるので、制作物を載せる量を今一度見直してみましょう。
Step 4:印刷データを作る
ポートフォリオを印刷するためのデータを作ります。
4-1、おすすめの使用ソフト
学生さんにとって扱いやすいのは「Illustrator」だと思いますが、もしパソコンの中に「InDesign」が入っているなら「InDesign」を使うのがオススメです!
IllustratorよりInDesignを使うメリット
- ページの管理がしやすい。
- 画像をいい感じに処理してくれるので動作が軽い。
- テンプレートようなものが作れるので共通のデザインがあったら変更が便利。
なによりも私がInDesignを使う理由は2番目にあげた動作が軽いこと。
Illustratorで例え画像をリンクしたとしても、動作が重くなっていって泣きたくなります…。
Step 5:印刷・製本する
データができたら、いよいよ印刷して製本します。
5-1、印刷方法
(方法1)家庭用プリンタで自分で印刷
自宅にあるプリンタで印刷します。
この時、気をつけておきたいのは「紙」です。
普通紙ではなく、画像や色が綺麗にでる高品質なものを使用するのがオススメです。
(方法2)印刷会社や学校で印刷
自宅と違うのはインクが「レーザー」だということ。
「インクジェット」と何が違うかというと、まず対応している紙。
紙を自分で用意するなら、レーザープリンタ対応していることを確認してから購入しましょう。
また、インクジェットと比べてレーザーはインクがにじまないのも特徴ですが、逆に高画質な写真などを表現できないことも…。試せる環境があれば実際に印刷してみて見比べてみてもいいかもしれません。
「キンコーズ」というお店では、データを持ち込んで自分でレーザープリンタ印刷することもできます(セルフサービス)。もし、プリンタがない環境であれば利用してみては。
5-2、製本方法
(方法1)ファイルに入れる
一番簡単なのがポケットファイルに入れる方法。
Step1のPoint1でも紹介していますが、ページ数が調節できるファイルがオススメです。
ファイルはどうしても見た目が普通で、ポートフォリオとして面白味に欠けてしまいまいます。そんなときは、ファイルに小細工をしてしまいましょう!
例えば・・・
- 表紙にラベルを貼る(インクジェット用シール紙でオリジナルのラベルを)
- ブックカバーをかぶせる(裁縫が得意なら布を使ってファイル用のカバーを)
(方法2)自分で製本する
自分で製本するのはちょっと大変ですが、その分オリジナリティが出せるので私の場合は結構自分でやっています。少し手作り感があるのもご愛嬌です(笑)
(方法3)製本を依頼する
印刷から製本まで専門会社の頼むとお金がかかってしまいそうですが、完成度はこの中では一番ですね。
先ほども紹介した「キンコーズ」では印刷した紙をもっていって裁断と製本だけやってくれたりします。そういったところを探して上手く組み合わせてみてもいいかもしれません。
最後に:完成させるためのコツ
ここまで、私が実際作った経験から流れやポイントを書き出してみました。
少しでも参考になったでしょうか。
「ポートフォリオって大変そうだから作り始められない…」
ここまで読み進めてくださった方は「うっ、ポートフォリオって結構大変そうだ…」と感じたかもしれません。
ポートフォリオ制作=就活なので、就活自体も大変そう・辛そうとあまり良いイメージがありません。なので、私が専門学校にいた時は、多くの学生がポートフォリオ作りに取り掛かるのが億劫になっている印象でした。
コツ1、ポートフォリオ作りを楽しむ!
私がモノづくりをするときに大事にしていることでもあるのですが、とにかく「楽しむ」。
嫌だなとか辛いとか思っていたら、そのまま自分の作っている物にも現れてしまうと思うんです。いざ、面接でポートフォリオを見せながらプレゼンしたときも、きっとポートフォリオ作ったときの思いの込め方次第で、プレゼンの熱も変わってしまいます。
どうせならポートフォリオ作り楽しんでみましょう!
コツ2、段階的にバージョンアップする!
かっこいいポートフォリオを作りたくて、いきなり手製本したり、ごってりオリジナルにするのは【特に初めて作る人は】NG!なぜなら、あまりわかってないうちに最初から頑張ってしまうと時間もかかり、途中で挫折しかねないからです。
まずは簡単にファイルにまとめるところから始めて、自分のポートフォリオをどんどんバージョンアップしておくことをオススメします。
おまけ:私のポートフォリオはこんな感じ
ご参考までに、私が最近作ったポートフォリオを公開!
ポートフォリオ以外に「おまけ」をつけるのも自分をアピールできるのでポイントです!今回は別紙でプロフィールと、イラストのポストカードを添付しました。もう少し時間があったら、もっと面白いノベルティみたいなものを作りたかったです!
ちなみに、2枚目の写真の右上は穴あけパンチの同じ要領で角丸が開けられる便利アイテム「かどまるPRO」。印刷屋さんで角丸加工すると結構かかってしまうので、おすすめアイテムです!
という気持ちで作っています。面接で広げた時、郵送で届いて開けた時、「おお!」と思ってもらえるのを想像しながら作るのも楽しいです。これもポートフォリオ作りを楽しむポイントかもしれません。
鈴木:ちなみに私が学生のときは、最終的なポートフォリオを作るまでに計4冊ぐらいでした。最初は簡単に紙にレイアウトしてホチキスで留めた感じで、最終的なものは自分で製本してオリジナル!良いものが出来て、面接の反応も上々!制作も楽しめました!
- DESIGNMEMO MAGAZINE 01
- 300円(送料+150円)
- ネット販売:BOOTH(Pixiv)
2016/6/5 at 14:31
すばらしいですね!
わたしは、最早初老の年齢域に差し掛かっているおばさんですが、ポートフォリオには悩まされてきました。
採用する立場に立てれば、それこそ千差万別のポートフォリオを見ることになり、それをもとに自分のポートフォリオをブラッシュアップしていけます。
が、そういう立場にたったことがなければ、増してや初めての就職ときては、五里霧中。
今はどうか知りませんが、1/4世紀前のわたしの学生時代は、ポートフォリオの作り方どころか、ポートフォリオというものがある、ということさえ、教えてもらえませんでした。
いい記事だと思います。
がんばってくださいね!!!
2016/6/11 at 15:49
RIOさま、
コメントありがとうございます!
お褒めの言葉を頂き、とても嬉しいです^^
私自身も学生の時に情報が少なく四苦八苦しながら作っていました。少しでもそんな風に悩んでる方のお役に立てればと思ってます。
頑張ります!
2016/9/5 at 03:30
素晴らしい!
自分は以前、ポートフォリオ作りに失敗して自信のある作品も散々な評価でした。
このページに載ってるルールやポイントは非常に分かりやすかったです。
参考になると同時に自分のミスも見直す事が出来ました。
2016/9/6 at 00:54
k.erumaさま、コメントありがとうございます。
当ブログ(デザインメモ)管理人の鈴木です。
感想いただけてとても嬉しいです!
なかなか私もポートフォリオづくりは大変だったので、少しでもk.erumaさまのお役に立てたようでよかったです^^
ポートフォリオづくり楽しみながら頑張ってください。