(橋下市長が推し進める大阪市切り売り構想の全貌)
橋下徹大阪市長は2015年春に大阪都に移行することを目指しています。そのため、2014年4~6月頃に区割りや各区の名称などを決め、14年度中に住民投票を行う予定にしています。
ところが、橋下徹市長は2013年3月5日の大阪市議会本会議で、住民投票で大阪都構想が否決された場合の対応について
「(都の)設計図への『NO』 という意思表示だ。根っこの部分(都構想)ではない」
と述べました。そして、大阪ダブル選で橋下市長自身と松井一郎・大阪府知事が都構想を掲げて当選したことを挙げ
「(都構想自体は)信を得ている。(否決されれば)区割り案や財政調整制度などを改めればいい」
と述べ、構想を撤回せずに制度設計をやり直し、再度住民投票を行う意向を示しました。確かに、橋下氏らは2011年11月の大阪ダブル選挙で大阪市を解体して大阪府に統合する大阪都構想を公約として掲げていましたが、公約はいくつもあったわけで、首長選に過ぎないダブル選挙は大阪都構想自体の信任選挙ではなかったわけです。
それなのに、大阪都構想に絞った住民投票で否決されても、大阪都構想自体は支持されているというのは牽強付会=こじつけもいいところで、それでは住民投票をやる意味がありません。橋下氏は都合のいい時には民意に支持されていることを錦の御旗にするのに、自分のやりたいことを民意が否定したら、民意の解釈を変えるというのではご都合主義もいいところでしょう。
「民意」を強調しながら脱原発住民投票条例は無視しようとする石原都知事と橋下大阪市長の民主主義は偽物だ
(地下鉄や水道を民営化するという橋下市長は他方でこれだけの福祉を切り捨てるという。住民サービスを著しく低下させて、なんのための大阪都構想なのか)
それにしても、大阪が都制に移行するには住民投票で過半数の賛成が必要なのですが、橋下市長が早くも住民投票で否決されることまで織り込まざるを得なくなった理由はどこにあるのでしょうか。
実は、橋下市長が目指し、大阪ダブル選挙の直接のきっかけとなった、大阪市水道局と広域水道企業団との統合が、絶望的となっているのです。水道事業の統合について議論が続く大阪市本会議で、3月5日は、各会派から反対意見が相次ぎました。
橋下市政の与党である維新の会と協力関係にある公明党の高山仁議員からも
「統合案が一定まとまったとのことだが、中身を見ると本市にとって、何らメリットがない」
と、はっきりと反対する意見が出ました。
なぜなら、大阪市水道局と、府内の市町村でつくる広域水道企業団との統合案が、大阪市は浄水場などの資産を企業団に無償で譲渡する一方で、他の市町村水道が一つに統合される期限は示せないものだったからです。
そもそも、大都市の水道整備というのは、市民の収めた莫大な税金でなしとげられた市民の財産です。それなのに、府市水道の統合とは、大阪市が貴重な財産をタダで放棄するのも同然だということが明白になってしまったんですね。
この水道統合には市議会の3分の2の賛成が必要ですが、現状で賛成の会派はひとつもなく、橋下市長は5月の統合案の提案前に早くも絶望的な状況に追い込まれています。市長与党の大阪維新の会の広田和美議員からも
「『府域一水道』への展望が開けない状況にあるので、市水道局を先行して民営化することを検討してはいかがか」
という水道統合への反対意見が上がるありさまです。これに対して、さすがの橋下市長も
「『維新の会』からもこういう事を言われて、非常につらい立場ではあるんですが、行政の長として43市町村長と取りまとめてきたので、1度正式なものを議会で議論して頂きたい」
と答えました。もう意固地になっているんでしょうか。国会議員団とのもめごとと言い、マネージメント能力皆無です。ところが、翌3月6日には、橋下市長は
「市議会の状況を企業団がどう判断するかだ」
と述べ、統合条件の見直しを企業団側に促しました。橋下氏お得意の困った時のいつもの責任転嫁および丸投げですが、統合が実現しなければ市水道局単独での民営化を目指すのかとの問いに、橋下市長は
「次の方針はそうなる」
と述べました。いやいやいや、大阪府と大阪市にそれぞれ水道があったら二重行政で無駄だから、水道の統合をすると言っていたのに、いきなり大阪市の水道を民営化するって全く違う話じゃないですか。やはり、大阪市民の貴重な財産を失うことになりますし、そもそも市民の最重要ライフラインである水道を民営化するだなんてとんでもない話です。
(「大阪府税収入の推移」。橋下氏が大阪府知事となったのが平成20年。それ以来、減り続ける大阪府の税収。大阪府作成の大阪府の主な財政状況の推移より)
もともと水道統合は、橋下市長が企業団との間で勝手にまとめてきた案です。これは、橋下市長が新大阪駅南東にある柴島 (くにじま)浄水場の売却と跡地の再開発ありきで決められたもので、要は関西財界を潤す意味しかありませんでした。ですから、橋下市長としては、水道の民営化なら浄水場跡地どころか水道施設全体を大阪市から大企業に売れて、むしろ好都合なのかもしれませんが、大阪市民としてはたまったものではありません。
このように、大阪都構想は大阪市を解体して特別区にしてしまうという案で、大阪市民が営々として築いてきた財産をバラ売り・切り売りにする話で、その先鋒として市営地下鉄の民営化や水道の統合が議論されているわけです。それが証拠に、大阪ダブル選挙の時にすでに橋下氏は
「大阪市役所から権限と財源をむしり取る」
と言っていました。大阪都構想とは市営地下鉄の黒字化も果たした平松市長が財政再建しつつあった大阪市の金を取ってしまおうということ構想なのです。
上のグラフのようにリーマンショック以降、国も地方も苦しんできたものの、大阪府の税収目減りは全国でもダントツです。つまり、維新の会の「大阪都構想」とは、大阪市の権限と財源を奪い、橋下維新の会に一手に集中させ、リニアだの高速道路だの土建型公共事業を推進することを狙う、まさに「大阪まるごと乗っ取り」の構想なのです。
大阪市を解体する維新の会の大阪都構想は、大阪市の財源を奪ってカジノや土木事業につぎ込むための口実だ
「ちっちゃい頃からギャンブルを」という橋下維新の会のカジノ誘致 大阪経済活性化は八策どころか無策
しかし、大阪都構想の象徴的存在だった水道統合さえ、まともに議論すれば、大阪市民にとって何のメリットもないことが明らかになってきているわけです。だとすれば大阪都にするとどのような良いことがあるのか、ダブル選挙で当時の平松市長に何度突っ込まれても、橋下候補は
「大阪都制度になれば、ばちんと決まる」
などと言うだけで、まるで答えることが出来ませんでした。なんですか、ぱちんと決まるって(笑)。
その橋下氏が大阪府知事に当選して5年。大阪ダブル選挙で大阪府知事も維新の会幹事長である松井氏が手中に収めました。大阪都でなくても、大阪府と大阪市は協力できるので、なんでも「ぱちんと決まる」ようになりました。もう、大阪都にしないと解決しない「二重行政」の問題は実質的にはないはずなのです。ところが、大阪府が起債許可団体に転落するなど、大阪経済は沈んだままです。
毎日新聞に経済無策でCランクと書かれた橋下徹市長と維新の会が、カジノ推進法案にのめり込む利権の実態
(かつて所属した大阪府議会自民党に、さらに財政健全化団体への転落の可能性を追及される松井大阪府知事)
具体的には、橋下・松井府政では、福祉・教育・文化など府民にとって真に必要な支出を削減しながら、財政赤字の削減どころか、この5年間に物凄い勢いで、大阪の公債(府債すなわち負債)が増えています。
たとえば、橋下氏の知事選での公約の一つは、「新規に府債を発行しないこと」でした。ところが発行しないどころか、橋下府政では新発府債を1300億円以上も増やしてしまっているのです。結果として、大阪の府債=負債の残高は、下のグラフのように平成19年度末に5兆8288億円だったのが、平成22年度末には史上初めて6兆円!を突破し、平成25年度には6兆4千億円以上になってしまいました(橋下維新府政は平成20年から)。
そして、松井府政になったばかりのときに、とうとう大阪府は公債を発行するのに総務大臣の許可を得なければならない起債許可団体と転落し、いまや上の画像のように、近い将来、夕張のような財政健全化団体に転落する可能性さえ取りざたされるようになったのです。
大阪府が起債許可団体に転落 大阪を破産させる経済無策の橋下・松井維新の会に国政進出の資格なし
なぜこんなことになったかというと、橋下・維新の会の経済政策がことごとく実現しないか、しても不発で、橋下・松井府政になってからの大阪府の税収が下の二つ目のグラフのように減る一方だったからです。
そんな中、橋下市長は大阪市営地下鉄と言う、公営としては国内最大の乗客数を誇り、2010年度決算では239億円もの黒字を上げ、一般会計からの補助を除いても142億円の黒字という超優良資産をを2015年度から株式会社にして売ってしまうことにしています(ビジネスジャーナル 維新の会と関西財界の利権の構図…大阪市営地下鉄民営化で露呈!?市民にしわ寄せか)。
橋下維新の会は市民の利益は無視して、財界しか見ていないのです。無策でかつ市民を裏切る、こんな橋下維新の会に、大阪も、まして国も任せるべきではありません。
松井大阪府知事と橋下大阪市長の維新の会コンビが当選なら「大阪」は破産する
橋下維新の会にそろそろNo!を。
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大阪府市の水道統合 市議会、維新以外が「NO」
- 2013/3/7 1:58 日経
大阪市水道局と同市を除く府内42市町村でつくる大阪広域水道企業団との統合計画について、大阪市議会の大阪維新の会を除く全会派が6日までに反対の意向を表明した。
可決に必要な3分の2以上の賛成を得るのは難しい状況で、橋下徹市長は同日、「市議会の状況を企業団がどう判断するかだ」と述べ、統合条件の見直しを企業団側に促した。
統合の議案は5月議会に提出予定で、提出前に「門前払い」された形。橋下市長は、統合が実現しなければ市水道局単独での民営化を目指すのかとの問いには「次の方針はそうなる」と述べた。
2月にまとまった統合計画は、統合で大阪市が削減できる経費に相当する約221億円を提供し、43市町村で共有すると規定。5、6日に市議会で開かれた代表質問では、橋下市長と協力関係にある公明も「市にメリットがない」と反対を明言。自民、共産、民主系も反対したほか、維新からも「統合協議に区切りを付けて民営化してはどうか」と慎重論が出た。
統合計画は4月に43市町村の首長が集まる会議で最終決定した上で、各議会で議案が審議される予定。
水道事業統合案否決なら 橋下市長「民営化も選択肢」 大阪市議会
府内42市町村が運営する大阪広域水道企業団に大阪市の水道事業を移管する水道統合をめぐり、同市議会で素案への異論が相次いでいることを受け、橋下徹市長は6日開かれた市議会本会議で、5月議会に提案を予定している統合に向けた条例案が否決された場合、「(市水道事業の)民営化も有力な選択肢のひとつ」と述べた。
統合実現には市議会(定数86)の3分の2(58人)以上の賛同が必要だが、市議会では、5会派のうち大阪維新の会が慎重姿勢を示し、他の4会派も素案のままでは反対として協議の打ち切りなどを求めている。
橋下市長は与党の維新も慎重姿勢を示したことに「非常につらい」と述べ、水道統合が否決された場合は、市水道局の民営化を目指す意向も示唆した。
議会終了後、橋下市長は「交渉をまとめたいなら、条件をどうするか考えるのが水道企業団の責任だと思っている」と述べ、企業団に対し条件の再考も含めた対応を求めた。
水道統合 公自が反対 大阪市議会大阪市水道局と同市を除く府内42市町村で構成する「大阪広域水道企業団」の統合案について、5日の大阪市議会本会議で、公明党市議団と自民党市議団が反対姿勢を鮮明にした。水道局の廃止には、議員(86人)の3分の2(58人)の賛成が必要だが、橋下市長が代表を務める大阪維新の会(33人)だけでは可決ラインに25人足りないため、廃止議案が提案された場合に否決される公算が大きい情勢だ。公明党市議団(19人)の高山仁議員は代表質問で、2月に全市町村長会合でまとまった統合案について、「我が会派は反対だ」と明言。市水道局の資産などをすべて企業団に渡すなど問題点が多いと指摘し、「統合協議は早期に終結させ、改めて水ビジネス戦略を含めた新たな方針を打ち出すべきで、その一つに民営化もある」とした。 自民党市議団(17人)の木下吉信議員もこの日の本会議で、「現段階では市民にメリットがない。いったん統合協議の終結を求めるべきだ」と訴えた。 一方、橋下市長は「大阪全体のことを考えると、府域一水道にすべきだ。議会で議論してほしい」と述べ、5月にも関連議案を提案する方針を改めて示した。 (2013年3月6日 読売新聞)
橋下市長「都構想否決されても再び住民投票」2015年春の「大阪都」移行を目指す大阪市の橋下徹市長は5日、住民投票で都構想が否決された場合の対応について「(都の)設計図への『NO』 という意思表示だ。根っこの部分(都構想)ではない」と述べ、構想を撤回せずに制度設計をやり直し、再度住民投票を行う意向を示した。 市議会本会議で質問に答えた。都構想を巡っては、来年4~6月頃に区割りや各区の名称などを決め、14年度中に住民投 票を行う予定。都制移行には住民投票で過半数の賛成が必要だが、橋下市長は、11年の大阪ダブル選で自身と松井一郎・大阪府知事が都構想を掲げて当選した ことを挙げ「(都構想自体は)信を得ている。(否決されれば)区割り案や財政調整制度などを改めればいい」と述べた。 (2013年3月6日10時24分 読売新聞)
維新の会と関西財界の利権の構図…大阪市営地下鉄民営化で露呈!?市民にしわ寄せか
2月15日、大阪市の橋下徹市長(日本維新の会代表)は市議会に、同市交通局が運営する市営バスと市営地下鉄を民営化する条例案を提出した。なぜか京阪圏以外では詳しく報道されていないが、この民営化の周辺には強烈な利権臭が漂っている。 そもそも、市営バス(132路線)は大阪市全域および隣接する地域を運行エリアとし、一般の大型バスと、それではカバーしきれない住宅地や公共施設を細か く結ぶコミュニティバス(赤バス)からなる。条例案では、一般バスを17路線、赤バスを26路線廃止し、スリム化したうえで民間企業へ売り払い、2014 年4月から民営化する格好だ。 一方、市営地下鉄は、市が運営する新交通システム路線「南港ポートタウン線」(ニュートラム)と合わせて約 140キロの線路で、大阪市のほぼ全域を結ぶ。1日約230万人の乗客を運び、地下鉄としては東京メトロに次ぐ規模。公営としては国内最大の乗客数を誇 り、10年度決算では239億円もの黒字を上げている。一般会計からの補助を除いても142億円の黒字だ。条例案では、この地下鉄を15年度から株式会社 にすることとなっている。 市営地下鉄の民営化については、10年8月に大阪市が政策として打ち出し、検討の俎上に載っていたものだが、こんな超健全経営の事業を、いったいなぜ、大阪市は手放そうとするのか? 2月7日の定例記者会見での橋下市長の説明は、いつもながら単純明快で勇ましい。 「(地下鉄が民営化されれば)巨大な企業が誕生するんで、そりゃ変わると思いますよ、大阪の雰囲気が。……大阪が沸きに沸くぐらいの、経済界が沸きに沸くぐらいのね」 民営化賛成の追い風を吹かせるためなのか、2月7日、大阪市は昨年12月に方針を決めていた終電時間の延長について、3月23日からダイヤを改正し、最大30分延長すると発表した。 加えて、3月末までに駅トイレのリニューアルも完了させるという。 一方、利用者、市民にとっての功罪はともかく、めったにない“出物”に関西財界は沸いている。大阪市役所関係者が解説する。 「裏 で糸を引いているのは、大阪府市特別顧問の上山信一(慶應義塾大学教授)ですよ。彼は旧運輸省(現国土交通省)出身の鉄道オタクで、国鉄民営化の時のよう に、一部の企業に多額の利益をもたらす“鉄道のうまみ”を熟知しています。關(せき)淳一市長時代に大阪に入ってきて民営化を目指したものの、平松邦夫市 長になって顧問ポストからはじかれ、橋下と一緒に、市政にまた戻ってきた。彼の悲願である市営地下鉄民営化は、関西私鉄各社にとっても、喉から手が出るよ うな話です」 それを裏付けるように、関西私鉄の1社である京阪電気鉄道の佐藤茂雄相談役(大阪商工会議所会頭)は、11年11月、知事・ 市長のダブル選で橋下氏が圧勝すると、私鉄各社をまとめ、「各社から数人ずつ、大阪市交通局に入って一緒に改革をしていく。結果を上げて、利益を皆が享受 できるような会社になってほしい」と公に語った。 交通局という市の部署に営利企業から人が入り、「利益を享受」しようと画策するなどということが、果たして可能なのか? 橋下市長はまず、京福電気鉄道の藤本昌信副社長を市の交通局長に抜擢。昨年4月1日付で就任させた。そればかりか、民営化の大方針を検討する府市統合本部・市営地下鉄民営化プロジェクトチームに、関西私鉄5社の幹部らを招いたのだ。 これから売却する事業の中に、有力買い手候補である関連民間企業の幹部らを入れて、無料でデューデリ(事業・財務の精査)をさせる。大阪市役所関係者が「まるで官製談合のようだ」と眉をひそめるのも無理はない。 ●不可解な民営化に市民からも疑問噴出そもそも地下鉄というビジネスは、駅や線路、トンネルの構築に巨額の費用がかかるので、事業当初は出費が先行する。だが、乗客数の多い都市部を運行するた め、いったん駅や線路が出来上がれば、あとは毎日キャッシュ(日銭)が入り、累積損失が解消されていくと安定的な収益モードに入っていく。そして大阪市営 地下鉄は、安定的に利益が得られる段階に入っていた。 このように、多額の税金が投じられてきた事業が、一部の民間企業の手に渡る ことについても、疑問の声が上がっている。大阪市の財政問題に詳しい自治体問題研究所(東京)の谷口積喜研究員は、「ここで市営地下鉄を民営化するという のは、『負担は税金で、果実は営利企業に』という話ですよ」と批判する。 橋下市長は、民営化の意味を「税金を使う組織から、納める会社 へ」とも言うが、この理屈も怪しい。谷口氏は「公営でも、事業により剰余金が発生した場合は、自治体に納入するよう法律で定められています。地下鉄は市営 を維持したまま、利益が上がれば市財政に戻していけばいいのです」 大阪の景気も大事だが、高齢の市民には、歩いて行ける距離に停留所があって、バスで買い物や病院に行けることも切実だ。 現在は、地下鉄の黒字でバスの一部の赤字を埋め、全体として公共交通網が維持されているが、民営化となれば、地下鉄とバスは別会社が運営することになるため、赤字路線が廃線となれば、このネットワークも壊れてしまう。 市民団体「交通権の確立・大阪市営交通を守り発展させる会」の成瀬明彦事務局次長は、「現状では、バスは地下鉄と連結決算でやりくりできているのに、わざ わざバラバラにして、高齢化でますます重要になっている『市民の足』を奪おうとする。とんでもない話ですよ」と憤慨する。 3月から終電延 長が実現することは、夜が遅いサラリーマンなどには確かに朗報だが、「公営であっても、利用者目線の改革はできる」ことの証左にも見える。前出・谷口氏 も、「完全民営化すれば株主への配当も必要になり、その分、サービス向上や安全への投資が削られる恐れもある」と見る。 このように、民営 化への期待と不安が交錯するなか、2月26日に開かれた大阪市議会の水道交通委員会では、岩崎賢太市議(共産党)が、民営化問題の急所を突いた。市バスの 資産が全部売れたとしても、大阪市が市バス事業の資金を調達するために発行した公営企業債の償還や、退職金の積み立てに足りない穴が315億円に上ると指 摘し、「どう処理するのか」と追及したのである。 市側は、「第三セクター等改革推進債の発行で資金を調達する」などと答えたが、推進債は 地方債の一種なので、市民の税金から返さなければならない。簿価でも1兆円を下らない地下鉄資産を手にして一部企業が沸きに沸く反面、市民は生活が不便に なるうえ、民営化のために新たな借金さえ背負わされる可能性があるのだ。 橋下市政をウォッチしている全国紙デスクが言う。 「橋 下氏への関西財界の評価はもともと芳しくなかったが、原発問題で、一時冷え切りました。それが再稼働容認で関電(関西電力)と手を握り、地下鉄というアメ 玉を放り込むことで、財界内に味方を形成するつもりなのです。背景には、維新の会の苦しい台所事情も見え隠れします」 一部の企業への利益誘導が、「民営化」というお題目をまとい推し進められる一方で、庶民は踏んだり蹴ったりという事態になりかねない。 深まる矛盾 広がるノー橋下市長 大阪市解体計画市民サービス削減・統合・民営化ずらり2013年3月19日(火) しんぶん赤旗 「日本維新の会」を率いる橋下徹大阪市長が、金看板にしている「大阪都」構想に基づく大阪市の「改革」、実はそれが大阪市の解体計画にほかなら ず、市の事業のあらゆる分野に及ぶサービスの削減や廃止・統合・民営化など、市民にもたらす実害が深刻であることが浮き彫りになってきました。その実態が 知られるにつれて、市民や市議会との矛盾は深まるばかりです。(藤原 直)
「サービス 確実に低下」自民もビラで指摘「都構想は…市民の皆様の生活を良くするための手段です」。「維新」は11年秋の大阪市長・府知事選挙でこう宣伝していました。 ところが、橋下氏がいま市民に押しつけているのは、2015年4月としている「大阪都」実現までの3年間で従来の市民向け施策・事業のうち約393億円分を削減する「市政改革プラン」(昨年7月策定)です。13年度予算案では約136億円の削減を盛り込みました。(表) 市の世帯の4割近くが加入する国民健康保険の保険料3%の値上げ、70歳以上の敬老パスの有料化など市民負担が目白押しです。地域福祉を支えてきた市・区社会福祉協議会への交付金を25%削減するなど、コミュニティーつぶしを促進する内容も含まれています。 これは、大阪市を廃止して特別区に分割した際、いまと比べて大きく落ちるこれらのサービスの水準を先取りして進めているものです。 日本共産党や「大阪市をよくする会」の宣伝には、市民から「敬老パスは『維持』と明記した維新の会の公約はどうなったのか」「橋下市長のやることは市民いじめの値上げばかりだ」と怒りの声が寄せられています。 「大阪市をバラバラにして、本当に大阪が良くなるのでしょうか?」。自民党大阪市議団は2月、こんなビラを新聞に大量に折り込みました。「大阪都になると…住民サービスは今より確実に落ちます」と明快です。 最近では、橋下氏も「今の日本ではどの自治体でも住民サービスの向上は難しい」と発言。都構想はあくまでもサービスの「選択権の問題」と伏線を張っています。 民営化でバス路線廃止公明も批判 新たな借金も市民の財産をバラバラにして財界に提供する―こんな「都」構想の実害を端的に示すのが市営交通の民営化です。 市の方針案は、関西財界が求めてきた黒字の地下鉄の民営化を15年度に実現するために、地下鉄が支援してきた市バスを切り捨てる内容です。バスについては43路線も廃止した上、事業の清算で市民が新たに巨額の借金を背負わされる危険性があります。 市議会に関連条例案を提出した橋下氏は当初「3月決着」を目指すとしていました。しかし、見通しも必要性もない民営化でバス路線は大幅削減という あまりにも道理のない計画に市議会が反発。可決には3分の2以上の賛成が必要なのに推進しているのは「維新」だけで、市長の悪政に協力してきた公明党の市 議からも「市民サービスのカットだ」との批判が出るなど矛盾も表面化しています。 橋下氏は「議会の論理がおかしくなっている」と八つ当たりしていますが、市議会からの継続審議を求める声は強まるばかりです。 背景には「ある連合町会の会合でも民営化については『もっと議論を』が7、8割」(民主系市議)という市民の世論があります。3月末の廃止方針が 示されている「赤バス」と呼ばれる市のコミュニティーバスを守るために続けられてきた市内各地での運動や昨年11月に発足した「交通権の確立・大阪市営交 通を守り発展させる会」のとりくみ、日本共産党や「よくする会」の全市的な宣伝も力となっています。 市立幼稚園つぶしに反発市議会で陳情書採択市民の怒りは橋下氏が「経費削減ありき」で打ち出した市立保育所・幼稚園の民営化にも向けられています。 とくに橋下氏が「仮に(すべて)無くなったとしても民間でしっかり受け入れられる」と言い放つ市立幼稚園全59園の廃止を含む民営化では、市議会 に園の存続を求める保護者の陳情が集中。2月25日の市議会文教経済委員会では「市立幼稚園の全園を対象とした民営化案を見直すこと」を求める陳情書が 「維新」を除く全会派の賛成で採択されました。 橋下氏は「陳情は山ほどある」(「産経」4日付)と強がりましたが、内心は穏やかではないようです。5日の市議会では、市立幼稚園や地下鉄の民営 化の必要性を問いただした自民党市議に対し、「僕のことが嫌いだからといって共産党にならなくてもいいではないか」と声を荒らげ、「維新」の辻淳子議長か ら注意される場面もありました。 市民病院廃止 住民怒り水道事業でも矛盾に直面ほかにも橋下氏は各種の施設や事業を府・市の「二重行政だ」と決めつけ、解体しようとしています。 府立病院への統合をねらう市立住吉市民病院(住之江区)について、橋下氏は1日、廃止条例案を提出。この問題では、地元住民から存続を求める7万 を超える署名が寄せられており、橋下氏は「小児・周産期医療の空白化に区民の不安が多数あることは十分認識している」(2月22日)と認めました。 しかし、そこで橋下氏が打ち出したのは跡地への民間病院の誘致でした。小児・周産期医療は民間では成り立ちにくい分野で、地元からは「病院の必要性を認めたなら、もともと計画されていた公立病院としての建て替えを」との声があがっています。 大阪府内42市町村が運営する大阪広域水道企業団に大阪市の水道事業を移管する水道統合をめぐっても、橋下氏が企業団との間で勝手にまとめてきた 案に市議会で全会派から異論が噴出。同市が資産を無償譲渡するなど「市民にメリットがない」(自民市議)内容だからです。橋下氏が新大阪駅南東にある柴島 (くにじま)浄水場の売却と跡地の再開発ありきで決めてきた案が破綻した格好です。 5月に提出しようとしていた議案には、ここでも3分の2以上の賛成が必要なのに、公明党まで「わが会派は反対だ」と明言。「維新」に方針転換を迫られ、橋下氏は水道事業の「民営化も選択肢」と語り始めましたが、あまりにも無責任です。 日本共産党の北山良三市議団長はいいます。 「『都』構想に向け、すでに大阪市の解体は始まっています。同時にそれは市民には何の利益もないもので市長も矛盾に突き当たっています。ただ市長 がどう出るか。他会派の動きも流動的です。だからこそ、市民の運動を大きく盛り上げていくことが何としても必要で、私たちも頑張りぬく決意です」 「大阪都」構想政令市である大阪市を廃止して5か7の特別区に再編し、大阪府を「大阪都」に移行させるというもの。2月、具体的な制度設計を行う法定協議会の初 会合が開かれました。その狙いは、大阪市の権限と財源を「都」に吸い上げ、大型開発やカジノ誘致など財界が求める「成長戦略」を一元的・効率的に進めるこ とにあります。 |
ダメ知事、ダメ市長が必ず言い出すカジノ導入
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130203/dms1302030709000-n1.htm
他にも、慰安婦問題でも大前氏は発言しています。
日本は慰安婦の強制連行を認めていた
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/78/index.html
大前氏の“改革シバキアゲ”のところはいろいろ支持できないところも多いのですが、英語が得意ということもあってか、国際的に日本がどう見られているかと言うことに関してはさすがにその辺はよく分かっているように思えます。
上水道ばかりクローズアップされますが、下水道は既に民営化に向けて動いています。
橋下流仮想の利益で、上水道統合は無理だからやっぱ民営化でを落とし処にするんじゃなかろうかと愚考しております。
経営は行政で管理維持を民間ならまだマシですが、完全民営化は不安です…
その項目の中で私に影響があるのは国保料の値上げくらいです。
結局、普段から甘い汁を吸ってる人々ほど打撃が大きいってだけの話だと思うのですが。
市民は毎日の生活の中で無駄を感じているのです。
客のいないガラガラ状態の赤バス、民間鉄道と比べるとかなりサービスが劣る市営地下鉄、何かと税金から補助を引き出し楽をしている一部の人々。
先生は兵庫県民でお勤め先も京都ですからご存知無いかも知れませんね。
ですが、大阪市民は身近に様々な行政の腐敗を感じてきたのです。
削るべきは削る。
だからこそ大阪ダブル選挙で橋下市長は勝てたのでしょう。
今までロクな住民サービスを受けた覚えの無い大多数の大阪市民に「住民サービスが削られるぞ!」と呼びかけても聞き流されるだけだと思います。
なぜ大阪市民が市の分割を望むのか?
それは、今までの大阪市政が昼人口に対するサービス一辺倒だった事が原因だと思います。
夜人口である大阪市民は、大層なハコモノは望んでません。
手の届く範囲、見える範囲の意見を掬い上げそれを住民サービスにつなげて欲しいだけなのです。
町内会のような非民主主義組織ではなく、区議会という民主主義制度によってそれを実現して欲しい。
私も私の友人も橋下さんが登場するずっと以前から大阪市を東京のような特別区にして欲しいとよく話していました。
そういった声無き住民のニーズを拾い上げた橋下維新に市民の支持が集まるのは当然の事だと思います。
何よりも、大阪市や大阪府の財政をここまで追い込んだ既存政党こそが反省すべきだと思いますね。
しかし、市立幼稚園や市立住之江市民病院の利用者は「甘い汁」なんでしょうか?
東京は、地方交付税無しでもやっていける潤沢な財源があるからこそ都でやっていけますが、大阪は地方交付税をもらっている立場であり、都になったら財源を大阪都と特別区で奪い合う構図になります。
つまり、大阪市民にとっては納める税金は今までと同じなのに、3割か4割くらい都にとられて、のこりの6,7割でやっていかければならず、むしろ住民サービスは低下します。それは今回の水道事業の件で顕著に表れています。
橋下氏は、ケーキを分割して特別区民に配る例えを使っていますが、ケーキの下側のスポンジ部分だけ特別区に分割して、上側のクリームや苺の部分は都がもらうのが都構想です。
府の借金返済には役立つので、大阪市以外の住民にとっては特になる可能性はあり得ます。しかし、大阪市民は負担は変わらずに受益は減るでしょう。
安倍晋三がTPP参加表明出来たのは、僕のおかげなどと
発言。
TPPに参加すれば、日本の銃規制も撤廃されて、米国製
の拳銃を所持出来るようになるでしょう。
但し、4親等以内に、暴力団や反グレや前科者がいるような人は、所持出来ないという規制は絶対必要でしょうが、
従って、橋下は、所持出来ませんな。
橋下をからかってやりましょうや。
ペテン師・詐欺師なんですからね。
しかし、
橋下もある意味「被害者」なのかもしれません。
横山ノックの前例があるように、あんなのに投票する
連中が悪いのですよ。
記事ありがとうございました。
維新への期待が大きい人がまだたくさんいるのですね。
公営だからサービスが悪いとか、だめな公務員とか・・これは中身の見ない福袋を外から見て
批判しているだけではと思いますが、最近の福袋中身見えますね。
大阪の橋下維新・中身を見せない民営化・・
関西財界が口をあけて待っている状態ですか。ね
保育料、新婚家賃補助は子育て世代、
敬老パス等は高齢者世代に必要なサービスです。
現在子供がいなくても、将来親になるかもしれない。
既に子育てを終了なさったのかもしれませんが、
人は誰でも年を取ります。
その時になってサービスがないことを嘆かないのでしょうか。
それとも、沢山の税金を納めるだけの財力を一生お持ちで、公共の福祉サービスを受けなくても、自身の財力で死ぬまでやっていけると確信があるのでしょうか。
不思議です。
負債残高が平成22年度末には6兆円突破、25年度には6兆4千億円以上になってしまった責任は徹底的に追及されるべきですよ。
いま橋下氏がやろうとしている公共資産の切り売り・売り飛ばしは、市民を愚弄する目くらましにほかなりません。
しかもそれは、将来の世代に確実に市民サービスの低下を引き起こす最悪の悪魔の手法です。
マスコミも、橋下氏の目立ちたがりの言動ばかりをチャラチャラ追いかけないで、このようなことを、権力を監視する「社会の公器」の役割としてきちんと報道してほしい。
他の都道府県も税収が減っているので少しわからなくなります。
しかし、橋下さんがよく例える一般企業だったらと思うと今の社長ではなく高度成長の中小企業のワンマン社長のように思います。
もし、橋下さんの会社で働くと考えると・・・
いないです。大阪市民ですが、大阪都の内容を見て驚いています。市民サービスの削減は反対です。
がれきの焼却以来どんどん大阪がすみぬくくなってきています。更に追い討ちをかけたかのように、大阪都の政策でどんどん大阪が壊れていく。市民サービスカットなんて、市民目線ではないですよね。大阪を自分のもののように扱い、市民のことなど無視
最悪です。