「なんか急に寒くなったよねー。もう秋もおわりだね~」と言いながら、ミモロは、近所の平安神宮へ。
「ここ大好きなんだー」と、まずは、大極殿へ参拝に。応天門から大極殿へと開ける、広々した白砂敷きのスペースは、他の神社では味わえない、開放感にあふれます。「ここで、薪能や堂本剛一さんのコンサートなど、いろんなイベントやるんだよねー」と。
大極殿の左右には、右近の橘、左近の桜が植わっています。
向って左にあるのが右近の橘。そして右が左近の桜です。これは、御所と同じで、天皇の位置からだと、西が右、東が左になります。だから、それに従い、京都の区割りも、西が右京区、東が左京区です。
「わー今年もいっぱい実を付けてる」とミモロが、橘を見ていると、「この小さなミカン食べられるのかしら」と、熟年カップル。「あのねー。このおみかんは、すご~く酸っぱくて、鳥でも食べないんだそうです。冬になると、周囲に寒さ除けの囲いができるんですよ」と。「へーそうなんですかーどうもありがとう…良く知ってますねー」と、「いえ、それほどでも…」京都に住むネコとして、観光客に説明するのも、おもてなし。
さて、参拝を終えると、久しぶりに神苑に行くことに。ミモロは、四季折々のお庭の変化を見るのが大好きです。
桜の木が多い、南神苑は、すでに落葉状態。そこで、花菖蒲の池の脇を通り、本殿の裏側のシジミの生息する小川の横を通り抜け、東神苑に急ぎます。
平安神宮の周辺には、紅葉の名所、真如堂や永観堂があるためか、紅葉目当ての観光客もそれほど多くありません。
「でも、ここもキレイだよね~」
池の周りを進み、池に掛る泰平閣へ。
「わーすごーくキレイ!」
橋からのぞむ北側の景色は、まさに秋色。赤、黄、緑、オレンジの葉が繁る木々が、池の面に映っています。
「わー鏡に映ってるみたい…紅葉が2倍見られるねー」と。
京都のお庭は、赤だけでなく、さまざまな色が見られるように、木々を配置するそう。昨年行った修学院離宮なども、色とりどりの紅葉が楽しめるように工夫されています。このお庭は、七代小川治兵衛の作。木の配置も、自然の山の姿を映したものと思われます。さまざまな色があるからこそ、赤い紅葉が一際きわだって見えます。
欄干にのぼり、紅葉を眺めるミモロ。
「いいなー静かで…」
気付くと、今度は、欄干の間から池を覗きこんでいます。
さぁ、移動しましょう。「待ってー!うー頭が抜けなくなっちゃたー」落ち着いて、ゆっくり体をひねれば大丈夫…。「ふー抜けたー」小さなミモロならではのアクシデントでした。
泰平閣で紅葉を眺めた後、その姿全体を眺めます。
こちらも池に姿が映り、美しさもいっそう。
「なんか草が前にあって、よく見えない…」と、小さなミモロ。
「ここなら、よくみえるよー」
どこに立ってるの?
ミモロは、竹の柵の上に。さすがネコ、バランス感覚は抜群です。
「わーいい景色…」絵画のような美しさにうっとり。
「今年もいろんな紅葉見ることができて、幸せ~」そう言いながら、神苑を後に、家路をたどるミモロです。
ブログを見てくださる京都の方から、「ミモロちゃん、ホント、いろんなところに行ってますねー。住んでてもいったことないところばかり…」とよく言われます。紅葉も桜も、京都に住む人は、写真好きとかじゃないと、なかなか人の多い名所には出かけないよう。「町を歩いているだけで、十分、いろいろな紅葉に出会いますからねー」と。確かに、毎年、必ず見られる秋景色。「いつでも見られますからねぇー」と口をそろえておっしゃいます。京都の人は、子供の頃から、こんな美しい景色を見て育ちます。だから、その素晴らしさを当たり前のことと思っているみたい。東京生まれのミモロは、「もったいないねー。贅沢だねー。東京じゃ紅葉なんて、こんなにないもの…。わー今年も行けなかった場所がいっぱいー。もう秋終わっちゃう…」と、冬の足音が忍び寄る日々に、去りゆく秋がいっそういとおしく思われるミモロでした。
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