玄倉川の岸辺

悪行に報いがあるとは限りませんが、愚行の報いから逃れるのは難しいようです

テコと支点

2007å¹´11月05æ—¥ | æ”¿æ²»ãƒ»å¤–交
民主党って何なのだろう。
政権交代を目指す野党第一党のはずだが、やっていることはどう見ても素人以下のドタバタだ。

民主・鳩山幹事長、党役員会の総意で小沢氏を慰留:NIKKEI NET(日経ネット)
 民主党の鳩山由紀夫幹事長は5日午後、4日に辞意表明した小沢一郎代表の去就問題を協議した党役員会の結果について「役員会の総意として、小沢代表にこれからも続投していただきたいということで、慰留のお願いをしてくる」と説明した。小沢氏が慰留に応じる可能性については「執行部に辞職願を出された後の身の処し方に関しては我々に委ねるということもおっしゃった訳だから、私たちはそのような思いを役員会として決めたということだ」と述べた。

 今後の自民党との協議に関しては「政治とカネの話とか人道的な話とか、必要に応じて与野党協議しなければ法律にならないことがあった。政策を議論することはあっていいが、その先に連立があるぞという話ではない」と語り、大連立論を認めない考えを示した。〔NQN〕(15:51)

ここ数日で小沢氏のやったことはこうだ。

 ・ 自分で決めた党の方針を裏切って勝手に連立話に乗ろうとする
 ・ 独断が役員会で認められないと真意を説明せず拗ねる
 ・ ぶち切れて代表の座を放り出す
 ・ 辞意表明会見で「選挙に勝てない」「政権担当能力がない」と党を批判

民主党議員・支持者は本当にこんな人が「代表にふさわしい」「余人をもって代えられない」と信じているのか。手を合わせて「どうかやめないでください」と懇願する必要があるのか。もしそうなら(こういう言い方はしたくないが)あまりにも卑屈だし、党内に人材がなさすぎではないか。こんなことで国民の信頼が得られるのか。

精神論はともかく、本当に「民主党には小沢代表が不可欠」であれば、示威 自慰 辞意を撤回して「いただく」ためには民主党を小沢党に作り変えるくらいの覚悟がいる。具体的には「不信任を受けたに等しい」とまで言われた役員会のメンバーは恭順を誓うか進退伺いを出す必要があるはずだ。小沢氏は身を捨ててギリギリの勝負をかけたのに、民主党幹部はそれが分かってないように見える。甘い、甘すぎる。
今回の事件で小沢氏と民主党幹部たちのあいだに大きな意識のズレがあることが明らかになった。もし慰留に成功したとしても巨大なクレバスをなかったことにはできない。小沢氏はテコでも動かない構えのようだから(例によって気が変わるかもしれないけれど)、ヒビを埋めるには民主党が変わるほかない。

小沢氏も他の民主党幹部も、「現在の自民党体制をひっくり返す」という最終的な目標は同じはずだ。だがそのやり方がまったく違っていた。

 民主党の考え方
  ・ 民意をテコに
  ・ 小沢代表を支点として
  ・ 「民主党が」自民党をひっくり返す


 小沢氏の考え方
  ・ 大連立をテコに
  ・ 民主党を支点として
  ・ 「小沢一郎が」自民党をひっくり返す

(私の想像する)小沢氏の発想では民主党は「テコの支点として使い捨てされる石」でしかない。一切の妥協を廃して党をガチガチの強硬路線で固めたのも、テコの支点としてそのほうが使いやすいからだ。
個人的には小沢氏の描いた構図や鮮やかな(唐突な)行動にある種の魅力を感じるけれど、民主党議員・支持者が反発するのはよくわかる。私が民主党支持者なら「小沢のために使い捨てにされてたまるか」と怒る。

小沢氏の辞意表明とその後の慰留劇を見て、この間の大河ドラマ「風林火山」を思い出した。

大河ドラマ「風林火山」 第42回 「軍師と軍神」
 一方、長尾景虎(Gackt:ガクト)の下で統一された越後では、長く戦乱が続いた名残りで豪族同士の領地争いが絶え間なかった。いがみ合う家臣たちに失望し、景虎は突如出奔してしまう。

長尾家の家臣たちは驚きあわてて景虎を探し出し、恭順の誓紙を差し出して帰国を願う。
越後に戻った景虎はやがて「毘沙門天の化身」と呼ばれるカリスマ・上杉謙信となる。

はたして民主党幹部は「誓紙を差し出す」のかどうか、小沢氏が「毘沙門天の化身」になれるのか。
たぶん無理だろう。
なぜなら、小沢氏はちっともGacktに似てないから。 (…!?)


参考記事
 forrestal@回顧録: 小沢代表:連立から辞任へ
 雪斎の随想録: 幻の連立
 はなさんのポリログ:民主党幹部のお粗末さ


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TBありがとうございます (forrestal)
2007-11-06 01:19:55
TBに、エントリにリンクまで貼って頂き、ありがとうございます。

裏では、どのような人物がどのような意図でこの件を作りあげたのかわかりませんが、小沢氏は、次の選挙で勝てないと見込んでのことでしょうね。それは、外交・安全保障政策に固執し、批判してきた小沢民主党の失敗です。また、国民に必要なことを何がなんでもやるという福田総理の姿勢も大きな要因ですね。小沢氏の政権に入った方が(自民との大連立)した方が、政権交代を早めるという論理は、小沢氏、本人には理解できるのかもしれませんが、多くの国民には、話が違うじゃないのと理解される可能性が高いのではないでしょうか。

とにかく今後、要注目ですが、国民にとって、今、必要なことをするために、そろそろ政党間のパワーゲームは終わりにして、法案を通して、政策実行してもらいたいものです。

長くなりました。どうもありがとうございました。
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Unknown (うに)
2007-11-06 01:30:45
今こそ民主党は代表に河村たk(ry
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一勝先取 (玄倉川)
2007-11-06 19:10:23
>forrestalさん
こちらこそ参考にさせていただき有難うございます。

マスコミでは小沢批判が強いようですが、私は小沢氏のやろうとしたことは理解できる気がします。「必勝の信念」と「鉄の統率」でがんばってきたものの、いつまでも甘ちゃんな素人気分が抜けない民主党にうんざりしたのでしょう。たぶん福田総理との密談では「先生役は疲れる」と愚痴ったのではないでしょうか。
とはいえ、「寄らしむべし知らしむべからず」で民主党をゴリゴリの非妥協路線にまとめたのは小沢氏自身です。これは自業自得だ、安倍さんをいじめすぎた報いだとあざ笑いたい思いもあります。

今回の騒動の決着がどうなるか分かりませんが、小沢氏と民主党に対して国民の信頼が失われたのは確かです。福田氏は日本シリーズにたとえれば一勝、もしかしたら二勝を先取しました。とはいえ総選挙までには何が起きるか分かりません。瓢箪から駒で本当に大連立が実現してしまうかも。「政治」が二の次で政局が盛り上がるのは日本にとって不幸なことですが、正直言って野次馬として面白がってしまいます。



>うにさん
ドラゴンズも優勝したし、いよいよ河村たかしの時代ですね!!!!!!!!!!
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