憧　　憬

　本間正明・政府税制調査会会長が辞任に追い込まれた。公費で愛人を囲っていたことが白日の下に晒されたのだから当然の話だが、これで一件落着にさせてはいけない。彼一人の個人的な問題では断じてないのだ。
　阿部晋三首相の任命責任は勿論、本間という人物の発想、考え方が、この人だけの専売特許でない点に問題がある。彼の出した政府税調答申を見るがいい。
　消費税の大増税を前提とした法人税減税　ー　などというともっともらしいが、要は己の身内やスポンサーの税金は取り立てず、その分は貧乏人から巻き上げるという暴力団もどきの独善だ。こんなものが税制"改革"であるものか。
　この国の上層には、しかし、地位や権力を乱用しては自分に都合のよい仕組みを築く身勝手をリーダーシップと言い換えて恥じない手合いが、他にもゴマンといる。右代表が、政府の規制改革・民間開放推進会議の議長だった宮内義彦・オリックス会長だろうか。
　混合診療の解禁も農業経営への株式会社の参入も、彼は推進会議が提案するプランを丸ごと商売の種にしてきた。田中角栄・元首相とのコンビで知られた小佐野賢治（故人、元国際興業会長）とは正反対のタイプ。＜上からの改革を主導してビジネスチャンスを作り出し、経済活動の利権を得た＞インサイダーの政商だと、たとえば有森隆 ＋ グループKの最新刊「『小泉規制改革』」を利権にした男　宮内義雄」（講談社）は指摘している。
　行政を己の趣味のための私物と勘違いした東京都知事の正体もあらわになった。臣民教育に"国威発揚"を目指した五輪の招致と続いて、遂には公費でドラ息子の売り出しを図るに至った神経はおぞまし過ぎる。
　最高権力者までが同じ穴の狢だから始末が悪い。阿部首相の演説を聞いても読んでも、この人は国民や国家社会のためではなく、祖父の岸信介・元首相に草葉の陰から褒めてもらうことを目標にやっているとしか思えない。５０数年間の半生を祖父と父親の７×７= 49 光りだけで渡ってきた人だからどうしようもないわけで、そんなものをわざわざ首相の座に就けてやるほうがどうかしているのだ。
　現代のこの国にまともなものなどひとつもないではないか。教育改革タウンミーティングもヤラセだけのいかさまだったことだし、構造改革も教育基本法も、勿論憲法"改正"への潮流も、ゼロから出直すことだ。それしかない。

　以上は　2006.12.25 発行　日刊ゲンダイ
　斉藤貴男氏の　「二極化・格差社会の真相」　より転載　

　これを読まなくても日本の政治家がいかに自分勝手で愚かな連中ばかりかと、つくづく嫌気をさしてる諸兄は多いことだろう。だが、嘆いてばかりでは、いつまでたっても役人天国のままだ。
　ここは是が非とも、
石原慎太郎を都知事の座から引きずりおろし、
日本という国を東京から変えていくべきだろう。
慎太郎は身びいきするだけでなく、
東京から日本を悪くしていくばかりで、
都民ばかりでなく国民のためになるようなことは何一つしないのだから・・・。