スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ
試写会で観てきました。(大人の?)映画を観に行ったのは結構久しぶり。楽しめました。
スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ (2008) 【監督】デイヴ・フィローニ |
2Dアニメ版の「クローン大戦」を観たときは、「うわー、やめてくれー。シナリオそのままで、日本のアニメーターに描かせてくれー」と思いましたが、この3Dアニメ版は、はるかにまし、というかむしろよくできていると思いました。
なんであんなヘタ絵で描くんだろうという人物の顔はあいかわらずなのですが、登場する戦闘機、ドロイドやエイリアンはとても綺麗に描かれています。
そして、メカ、ドロイドが入り乱れる地上戦や空中戦の戦闘シーンにいたっては、実写とほとんど変わらないクオリティに感じられました。音響効果も迫力あります。まあ、実写といえどもほとんど CG で描かれている部分を今回は CG だけで表現すればいいのだから、当然と言えば当然なのかもしれませんが。。。
旧三部作で描かれている親子の闘い、新三部作では悪に堕ちてしまう善、といった人間ドラマめいたものはいっさいなく、ただひたすら戦闘シーン、メカの美しさを楽しむ作品という感じなので、ファンでない人にはどう映るか疑問ではあります。
終わったあと、エンドロールを眺めているとスタッフに名を連ねているのは中国名ばかり。制作会社として「ルーカスフィルム・シンガポール」という名前が登場して納得しました。シンガポールの人件費はそれほど安いとは思えませんが、ハリウッドのそれと比べればやはり安いのでしょう。C3PO のアンソニー・ダニエルズやサミュエル・L・ジャクソン、クリストファー・リーの名前は声の出演のところに見受けられましたが、ユアン・マクレガーっぽいなと思えたオビワンは違う人がやっていますし、声のそっくりさんをそろえればギャラだって節約できているはず。監督も脚本も別の人にまかせ、できあがった作品全体をジョージ・ルーカスがチェックすれば出来上がり、といういわば量産体制を作り上げるための実験的な作品にも思えました。
その実験の最初の作品としては、スターウォーズの世界観をちゃんと維持できてますし、クオリティもほとんど落とすことなく、成功しているんじゃないかなと思います。
もともとルーカスが、エピソードIIIであっさり殺されてしまった性格、人種が異なるさまざまなジェダイ達に活躍の場を与えるために、このアニメシリーズ(この後のシリーズは全米で30分のアニメシリーズとしてTV公開されるそうです)を用意したと聞いています。これからたくさんのエピソードが用意されているはずで、それらをクオリティを維持しつつ作り続けるためには、フルCGアニメ・アウトソースといったコストを抑える工夫が必要なのかなと勝手に思っています。その手法に賛否両論はあるでしょうけれど、ファンとしては、これからもスターウォーズシリーズが楽しめるのだから、それでいいんじゃないかと思います。
2008/08/12 21:52:41