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2012年10月

5年と1ヶ月勤めた会社を、本日退職しました。


職場で学んだこと

なんだかんだ言って、色々試行錯誤して一つのモジュールを作り上げさせてもらえた環境に感謝しています。テストだけ…実装だけ…といったことにならず、自分が設計したものを、自分でツケを払う。チームでカバーしてもらう。カバーする。そういったことが体験できる、そんな職場だったと思っています。



コミュニティの糸

たぶん、12月に開催されるDevLOVE2012でいただいた自分の枠でお話すると思うのでw、かいつまんで説明したい。

あの時、IT勉強会に行かなかったら、きっと転職するということが頭に浮かばなかった。あの時、コミュニティ運営に携わらなかったら、きっと学び続けることを辞めていた。あの時、コミュニティを立ち上げなかったら、きっと今、失敗が怖くて転職活動を辞めていた。あの時、ふとアウェイな勉強会に行かなかったら、次の職場をちゃんと見つけられなかった。


振り返ると、とても細くしなやかな糸で、自分は繋がってきたんだと感じた。私の転職プロセスは、他の人の参考にならないと思う。そのくらい、細い。


初めてHCD/UCD(人間中心デザイン/ユーザー中心デザイン)に触れたのは、DevLOVEDluidのワークショップだった。あそこで知り合った人は今も繋がっている人が多い。興味の方向はバラバラだったのに、たまに交わる。もっと濃く交わる。いろんな関係性があると思う。


そこで興味を持って、産技大の人間中心デザインを受講した。その頃の風景をみると、自分がもっと痩せてたり… ここでの学びはとても大きかった。


もっと実践的に学ぼう、ということで、hcdvalueというコミュニティを当時の履修生と一緒に立ち上げた。なんだかんだで、色々な情報交換ができる仲間ができたんだと思う。


ふと、hcdvalue以外の話を聞きたくなって、Silverlightを囲む会#4に行った。UXをいろんな角度からみることができるんだな、と当時はとても勉強になった。


これらは別に、未来が見えていて行動した訳じゃない。転職したくてコミュニティ活動や勉強会に参加してるんじゃない。楽しくてやってる。ただ、楽しくてやった結果が、振り返ると繋がっている。



娘のこと。

そしてそして。実は私は、自分のことだけを考えてたらいかんのです。自分には大事な娘が居りまして、再来年には小学校になるわけです。それまでに、何とか落ち着けないといけないわけです。。。

そんなわけで、30歳になるちょっと前のこのタイミングで、転職をすることにしました。仕事するにしても、体力勝負(だけ)ではなく、頭を使う仕事をしないと、この先厳しくなるのが目に見えているので…


おおまかに言うと

これまではエンジニアとしてしか働いていませんでしたが、これからはUXデザインとエンジニアリングをちゃんと結びつけるような仕事がしたい!と色々探しておりました。そんな中で、とても希望と合致する企業さんが見つかったので、そちらで働かせていただくことになりました。

どんな仕事をするかは、まだ未定ですが、ワクワクしますね!


書き出したらキリがないですねw

次の職場は、来週からの予定です。まだまだみなさんにはお世話になると思います。よろしくお願いいたします。

ゲーム開発者コミュニティのIGDA日本、IT開発者コミュニティのDevLOVE、人間中心デザインの実践コミュニティhcdvalueの共催で第0回の情報交換会を開催しました。

(一応、言いだしっぺのねこまんま。さんと、DevLOVEもくっつけようと言い出した私の2人が参加しているhcdvalueが主催、ということになっています。)


NAVERまとめを作成しているので、講演資料などはそちらをご参照ください。


参加者の皆様のおかげで、活発な交流ができて、次やりましょう!という声もあって、まずは成功と言えるイベントになってホッとしています。

当日はタイムスケジュールが押し気味となってしまい、休憩が短くなってご迷惑をおかけしました……m(_ _)m


以下、色々感想めいたことを書きますが、まとめる気がないという雑多な内容です。

開催きっかけ

冒頭のねこまんま。さんの話を裏方業務で聞いてないのでズレてるかもですが、きっかけとしては、IGDA日本代表の小野さんのおうちで小さな勉強会を開催していたことがあります。その中で情報交換するうち、確かにやっていることは違うのだけれども、同じことを考えて開発している・実践しているのではないか、ということに気付き、何か(ゲーム・アプリ・企画)をつくっている人をもう少し集めてみよう、そうしたら面白いんじゃないか、ということでイベントを企画しました。


コミュニティの年月の重み

冒頭ちゃんと紹介していなかったのですが、hcdvalueは2011年2月に始まって、現在90名超のメンバーがいる、小さなコミュニティです。

他のコミュニティはというと、IGDA日本は2002年4月に発足してニュースレター登録者ベースで2000人程度、DevLOVEは2008年6月に発足してML登録者ベースで1200人程度です。


hcdvalueとは年月も規模も、桁が違うわけです。そうすると、そこには人の想いとか、色々な課題感とか、本当に色々詰まっているわけです。そういうことをざっくりと15分にまとめていただいて、DevLOVEのpapandaさん、IGDA日本の小野さんにお話いただきました。


tweetを見てると、これがかなり刺さっていました。特に、papandaさんの「人生たかだか300人月」がずーっとRTされていたり。DevLOVEにとっては、正直いつもの話で、幾度と無く意識している内容ではあるのですが、背景が異なる参加者が集まったことで、また違う刺さり方をする。

参加者の方のツイートですが、これと全く同じようなことを、自分も感じていました。


暗黙知を形式知化してそれをまた現場に持ち帰る

これも今回感じたことで、3つのコミュニティは興味の焦点がズレているようで、実は同じ方向を向いているような気がしました。ただ、そのために共有できる知識はまだまだあって、当たり前であることを言葉にする大事さ、ということはとても大事なんだなぁと感じました。


hcdvalueの発表は、ここを軸に私は考えていました。趣味で学会にまで参加する意義って何だろうなぁというと、対外的に発表することもありますが、自分達のやっている活動を自分達で言葉にすることだと思っているので。


コミュニティとは何か

今回のDevLOVEの発表は、裏方というよりもよく参加いただいたり、ブログなどでレポートしていただいている方にお願いしました。忙しい中引き受けていただいたお3方、ありがとうございました!


某ぱぱんださんとも話を少ししたのですが、ちょっと感慨深かったというか。依頼させていただいた内容は、直近のイベントについて発表してください、といった内容だったのですが、みなさん自分とDevLOVEとの距離感や、コミュニティとの距離感のお話をキッチリしていただいていて、これ以上のDevLOVEへのフィードバックはないなぁと感じました。


私自身、コミュニティは水のようなものだと思っていて、「スタッフ」とか「代表」とか、そういった固体になってしまいそうなものは、避けてしまいます。DevLOVEでは「裏方」という言葉を使っていた時期がありましたが、最近ではその垣根すら小さくなってますね、という話を先月どこかで聞いたきがします。


誰かメンバーが「こういうことをやりたい」といったことを、ある程度ノウハウを持った別のメンバーがサポートする、といった流れが、今の私のコミュニティに対する感覚です。これは「How」についてはサポートできるけれども、「Why」はその発案メンバーに大きく依存する、といったことじゃないかなーと思っています。


ダイアログ

ただ話を聞いただけではもったいない、ということでダイアログ(対話のための仕掛け)を簡単にしたのですが、ある意味成功である意味失敗でした…時間がおしていたのもあり、グルーピングが近くに居た人といったものだったのと短時間で2テーマを話してもらったせいで、かなりのモヤッと感を感じた方がいらっしゃったようです。申し訳ありません。その後のビアバッシュだけだと、面識のある人・身内同士で固まってしまうおそれがあったので、その前のきっかけに、といった形で緩く考えていました。


アンケートではもう少しディスカッションしたかった、という声が多かったので、次回開催時はそのように…


さいごに

快く会場をご提供いただいた日本オラクルさんに感謝しつつ、また、スライドなどを準備していただいた講演者の方々にも感謝しつつ、最初にこのイベントを企画しようぜ!と言ったねこまんま。さんに感謝しつつ…

また次回、やりましょうw

人間中心デザイン|産業技術大学院大学

■プログラムの概要

 本プログラムは、「高いユーザビリティ、よりよいユーザ体験(UX)を提供するものづくり」を実践するための、人間中心設計の諸理論並びに関連分野の知識の習得と、企画・デザインを行う具体的な手法及び技法の習得を目的としています。

 特に、現在産業界を中心に用いられている、人間中心デザインの諸手法の修得に力点を置いている。人間中心デザインのための発想法からコンセプトデザイン手法、またそれらコンセプトを検証する方法やユーザビリティ評価法まで、一貫した内容を体系的に、演習を通して実践的に学ぶことができます。

 また、人間中心デザインの諸手法の活用が求められる製品デザイン分野の基礎的な知識や技法についても学ぶことにより、より実践的で広い活用範囲のスキルの構築を目指しています。

 これらの科目は、人間中心デザイン及び製品デザイン分野の第一人者が講師を務めており、実践的で最新の内容を体系的に学べる点が、本プログラムの特徴です。

私はこの教育プログラムの2010年度の履修生でした。それまではデザインとはなんぞや、といったことすら分からない単なるソフトウェアのプログラマでしたが、ここで学んだおかげでだいぶスッキリしました。



UIデザインのための企画プロセス

おそらくすごくセンスがあったり、豊富な経験があったり、美大でデザインを学んだりした方は、人間中心デザインに関しては意識せずに実践できているんだろう、というのが最近の私の考え方です。(使う人のことを考えないUI、というのは本来あり得るものではないので、関わる人間のことを考えますよね。)

でも、私含む一般の人は、それほどセンスがあるわけでもなく、それに対してはデザイナーの暗黙知が言葉や手法となっている人間中心デザインという考え方・手法群はとてもありがたいものです。

このプログラムで学べるものは、UIのデザイン手法ではなく、その一歩手前のどう企画するか、といった部分だと思っています。一部「ユーザービリティ評価法」という企画ではなくユーザー評価のカリキュラムもありますが、総じて。


ソフトウェアエンジニアが学ぶ意味

自分はソフトウェアエンジニアなので、その視点からの方がいいかなーと思って書いてみます。

毎年、ソフトウェアエンジニア方面からの参加は30名中数名?と少ないように思いますが、ソフトウェアのシステム設計も、最近は企画の重要性が大事になってきていますよね。「何を作るか(What)」から「どう作るか(How)」へシフトして、最近は「なぜ作るのか(Why)」にフォーカスが当たり始めてると思います、個人的に。ソフトウェアエンジニアとしては、システムの「どう作るか(How)」を企画と結びつけるような視点だと、人間中心デザインを学ぶ意味ってあるんじゃないかなーと思います。


人間中心デザインは銀の弾丸じゃない

もちろん、人間中心デザインはいわゆる「銀の弾丸」ではありません。学んだからといって、実践できるようになるのは(大目にみて)ユーザーを調査・分析したり、それをプロトタイピングして、ユーザー評価を行える、といったユーザーサイドの部分です。

実際にビジネスに応用するには、市場環境や競合を調べたり、技術的な課題であるとか、特許の壁があったりとか……様々な要因が絡むので、人間中心デザインを学んだからといって、いい企画が必ずできるわけではなく、足掛かりが得られるぐらいかなぁと思っています。なので強く薦めにくいですがw

ただ、ユーザーの内面(ユーザーエクスペリエンス)を考えて企画する、といった部分で体系立った概念は他になく、また、体系立てて学べるのはここのプログラムしかないのが現状です。このプログラムは年1回しか開講しませんので、もしご興味があれば受講してみるのもいいんではないかなーと思います。

人間中心デザイン|産業技術大学院大学


その他

これは宣伝ですがw、このプログラムの2010年度/2011年度履修生を中心に、今ではそれ以外で人間中心デザインの実践に興味のある方も多数参加している「hcdvalue」という社外勉強会コミュニティがあります。私もそのメンバーなのですが、ワークショップを企画してやったり、人間中心デザインに関連する文書の読書会をしてみたり、色々やってます。コンセプトである「現場で使える人間中心デザイン(HCD)の実践」にもし興味があれば、お近くのメンバーにお声掛けください。

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