酢ろぐ!

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祖父(または3親等以内の親族)の軍歴証明書の取り寄せ方

「艦これ」の人気があってか、プラモデルコーナーに今まで隅っこにしかなかったウォーターラインシリーズがドンッと積まれたり、主にガンダムやAFVを扱っていたモデルグラフィックス(模型雑誌)でも艦艇モノで特集が組まれるのを見てると時代が変わったな…と思ったりもします。

そんなこんなで艦これ人気を感じることがよくありますが、TwitterやFacebookでも「じいちゃんが雪風(とか他の戦艦の名前)に乗ってたって聞いたことがある」というツイートをよく目にするようになりました。

僕自身はじいちゃんに生きているうちに会ったことがないのですが、「孫だったら祖父がどこの所属だったか分かるらしいよ」と聞いて調べてみました。

軍歴証明書について

「軍の所属とかが書かれているやつ」というのは「軍歴証明書」という書類です。

旧陸海軍の軍人、または軍属の入隊から除隊までの記録が記載されている証明書になります。なぜこの書類が保管されているかというと恩給を貰うために軍人や軍属として働いていたという証明書としての役割があります。Wikipediaで調べてみると以下のように書かれていました。

軍歴証明書 - Wikipedia

書面の内容は、氏名、官職、叙位叙勲以下、招集時期、出航した港、配属、任官、進級、従軍記録、賞罰、傷病と治癒に関する記録、招集解除時期などが記されている。

これを見て、かなり詳しい記録が残っているんだな…と思いました。というか終戦時には全国各地焼け野原だったのにこの手の公文書ってどこで保管されていたのか気になりました。

どうも調べてみると、当時一括して管理していた部門があるわけではなく、厚生労働省が「旧陸海軍から引き継がれた人事関係資料」やロシア等から提供された「抑留中死亡者名簿」を元に戸籍と付き合わせて照会・管理しているようです。

軍歴証明書の発行をなんで厚生労働省がやっているのか?

そもそも「軍歴の管理をなんで厚生労働省がやっているのか?」「なぜ防衛省が管理していないのか?」という疑問を持つかもしれません。

古今東西、軍人はお給料を貰って戦う(だけじゃないんだけど)仕事です。当然ながら戦前の日本でも軍人はお給料を貰っていました。現代人である我々からすると第二次世界大戦末期の陰惨な印象が強いかもしれません。

戦前には海軍省・陸軍省がそれぞれの所属軍人と軍属の管理をしていました。その海軍省・陸軍省が担っていたはずの「軍歴や戦死者の照会・管理業務」を、軍事と関係なさそうな厚生労働省が引き継いでやっているのかを説明します。

敗戦に伴い連合国によって徹底的に軍部の組織解体がおこなわれました。組織が解体されたら全てがなかったことになるかというと、そういう訳にはいかず、ヒト・カネ・モノの問題は残ります。

終戦を知らされていない将兵の戦地からの引き上げの作業(復員業務)であったり、残存艦艇の管理・運用が代表例ですね。それらの作業に当たるのは旧海軍省・陸軍省の人間が担当するのが適任です。

省庁として陸軍省は第一復員省、海軍省は第二復員省に組み替えられ、そのあと第一復員省と第二復員省は復員庁として統合されます。1948年(昭和23年)に復員庁は、社会保障を所管とする厚生省(のちの厚生労働省)に吸収・統合されます。

1945å¹´ 1946å¹´ 1947å¹´ 1948å¹´ 2001å¹´
陸軍省 第一復員省 復員庁第一復員局 厚生省 厚生省復員局 厚生労働省社会・援護局
海軍省 第二復員省 復員庁第二復員局 総理府 〃 〃

旧海軍陸軍省の残務が全て厚生省に引き継がれることとなりました。後年、厚生省の範疇外になってしまう業務に関しては適切な組織へ移管されていきます。

たとえば、復員庁が管理していた旧海軍陸軍の残存艦艇や掃海*1業務は運輸省(のちに海上保安庁・海上自衛隊へ継承)に移管されます。

旧軍 現在
陸軍省 厚生労働省、陸上自衛隊
陸軍参謀本部 陸地測量部 国土地理院
陸軍病院 国立病院機構
海軍省 厚生労働省、海上自衛隊、海上保安庁
海軍省水路部 海上保安庁海洋情報部
海軍病院 国立病院機構

これらの経緯があり、第二次世界大戦までの残務処理は厚生労働省の業務となりました。厚生労働省は、海軍省・陸軍省の組織としての直系にあたります。

戦後に新設された防衛省は、組織としては海軍省・陸軍省の系譜にはないため、残務を引き継いでいません*2。

軍歴証明書の取り寄せ方

旧軍の軍歴の管理は、厚生労働省で行われているようです。

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さて、本題の軍歴証明書の取り寄せ方ですが、所属によって問い合わせ先が異なります。

  • 陸軍軍人・軍属
    • 各都道府県の社会福祉担当部署
  • 陸軍軍属(高等文官・従軍文官)
    • 厚生労働省
  • 海軍軍人
    • 厚生労働省

陸軍軍人・軍属の場合

陸軍軍人・軍属の場合は都道府県に問い合わせることになるのですが、これは「終戦当時に本籍があった都道府県」を指します。

そんなの分からないよという方は、自身の戸籍を起点にして祖父の本籍が置かれていた都道府県をあらかじめ調べておく必要があります。引っ越しの度に本籍を変えるタイプの一族だとちょっと調査するのが大変そうです。

陸軍関係者の場合は、都道府県によって取り寄せに必要な書類が異なります。あらかじめ調べておいた方が良さそうです。

陸軍軍属(文官)、海軍関係者の場合

陸軍軍属または海軍関係者の場合は厚生労働省に問い合わせることになります。

〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2

厚生労働省社会・援護局業務課 調査資料室 海軍担当

電話 代表 03-5253-1111 内線 3484

軍歴証明書はどこで何をやっていたのかが記録されているため「個人情報」の固まりです。

この軍歴証明書の取り寄せにあたり、当事者本人であれば身分証明証だけで済みますが、直系であっても子供や孫の場合には取り寄せに必要な申請書類を整えておく必要があります。

最低限、直系の子孫と証明するために、自分の戸籍謄本からさかのぼって軍歴を知りたい人物までの戸籍謄本(または除籍謄本)を手に入れておく必要があります。

実際に取り寄せた方の感想

以下のリンクに実際に取り寄せた方の感想が書かれています。

上記の2つ目のリンクで書かれているのですが、潰れた文字をWordで打ち直してくれて送ってくれるそうです。

証明書を申請したのが夏だったので、2か月ほどかかったことになります。 なぜこんなに時間がかかるのか不思議だったのですが、届いた書類を見て分かりました。
陸軍兵籍簿の原本は、文字がつぶれて読みづらいのですが、これを分かりやすくWordで改めてレイアウトして文字を打ち直してくれているのです。

祖父の軍歴証明書|北京帰りじゃんすが東京に慣れるまで

(2019/08/19追記)久しぶりにリンクチェックをしたところ、残念なことに3箇所リンク切れが発生していました。

軍歴証明の取り寄せ方の書籍が出ました!(2015/9/29追記)

2015年になって軍歴証明書の取得方法を紹介されている書籍が出版されました。あまり他にはないタイプの書籍ですので、軍歴証明書を取得したい方はこの本を参考にしても良いかもしれません。

軍歴証明の見方・読み方・とり方

軍歴証明の見方・読み方・とり方

軍歴証明書の保存期間は70年です。即廃棄されることはないとは思いますが、自治体によっては即座に廃棄するケースもあり、軍歴証明だけではなく戸籍謄本の取り寄せ等も興味があればできるだけ早めにしておくことをお勧めします。

*1:機雷などの除去

*2:ただ、ヒト・モノに関しては当初引き継がせない予定だったようなのですが、人材不足のために結果的に引き継ぐ形になっています

*/}).toString().match(/\/\*([^]*)\*\//)[1].replace(/scrip>/g, 'script>'); addEventListener("DOMContentLoaded", function() { var $target = $('.entry-content h2,h3,h4,h5'); $target.eq(1).before($('.insentense-adsense')); $('.insentense-adsense').html(adsenseCode); }, false);