コミケ

2007年8月20日 (月)
「コミケ」マンガよりヲタク・フェスティバル?

http://empire.cocolog-nifty.com/sun/2007/08/post_e52b.html

 子どもがいない!
 老人もいない!
 (中年男性以上がいない!)
 外国人がいない! (全然ではないが・・・)
 ヲタク世代の若者だけである(笑)。
 その理由は
 危険なほど混雑している からだ!

コミケを引っ張った世代がやっと50代。たとえばhttp://www.comiket.co.jp/info-c/C71/061001.html
コミケの歴史に名を残す米澤嘉博・岩田次夫両名が1953年生まれ。これより上の世代はコミケを知らない世代で、上の世代がいないのは、上の世代自体の問題です。
漫画家の年齢も似たようなもののはず。でも、最年長サークル参加者といわれる紙人形の人は19日に参加してる70代ですけど。同じ3日目には他にも60代のプロの漫画家も居ますね。見る人によっては若者なのかもしれませんが。
それより、自分の主張のために理由を作るのはやめてください。子供を安全に連れまわせないほどの混雑なのは事実ですが、どうみても「外国人がいない」のは混雑してるせいじゃないでしょう。
混雑に関しては、現状、とれる解決策はありません。会場を数倍に広げるか、参加したいと思う人間をふるいにかけるかの二種類ぐらいです。具体的にはラッシュアワーの混雑を減らす方法と同じになります。
コミケ以外の場ができれば分散して混雑は緩和されるかもしれませんが、店売りが広まって以来、逆にコミケに集まる人は増えることになってしまいました。分散を狙ってイベントを開く人がいれば状況は変わるかもしれません。
次は4日開催だなという言葉もありますが、「スタッフに死ねというのか」と返すのがルールです。準備会も、参加者も、日数を増やすことに前向きではありません。過去の経験から、日数を増やして分散させても、なんの解決にもならないことが分かってるからです。
今は会場のキャパシティから、頭打ちになっているのだとみられています。通路を広げるために参加するサークルを減らせば一般参加者も多少は減らせるでしょうが、サークルを半分に減らしても、一般参加は半分に減りませんね。
ところで、混雑を緩和できても日数を増やしたら体力的には今よりも厳しいものになりますよ。目当てのサークルは分散するからどのみち参加する日も増えるので。

 出展者に10人以上話しかけたが、ほとんど肝心なことには答えてくれない

少なくとも20代後半から上の年齢だと、80年代末から90年代にかけてのオタク迫害時代を体験してきたこともあって、悪意(当人は善意のつもりかもしれませんが)がありそうな人の「質問」にマトモに答えることはしません。たいていの人は、真面目に答えようとして痛い目、辛い目に遭ったこともあり、興味本位で話を聞かれるのは嫌ってます。時代が流れ、メディアでの扱いが変化した今も、好奇的ではあるものの好意的ではないのです。
不親切な対応にはみえるだろうが、オタであることを隠して生きる草としては、背景の知れない人間には語れないことも多い。あくまでも自分の趣味でやっていることと割り切っているので、本心から応えてくれない人にマジメに語ろうなんて考えは捨てています。
何も知らない外部の人間であっても、出版物などで知ることのできることは多いわけだから、対応は話の内容次第です。通りすがりでからかいに来ただけの人の「質問」に答えても、よさそうなことは何もありません。
じつのところ、オタの中身は理解と嘲笑の間でジレンマに陥ってはいるのですが。とりあえず、名も知らない他人ではなく、近くにいる隠れオタから攻略してください。他人に求めるのではなく、自分で切り開いて、オタであることを外に出しても大丈夫だと受け止めてあげてください。

 決して”内に篭る文化”ではなく・世界に開かれた普遍的な価値を持つからこそ評価が高いのである。
 運営会社には猛省を促したい!

本来アマチュアのみで動かしてる場で、場を維持・共有するために必要な最低限のものはありますが、そこに集まる人たちや作るものに自己の主義主張を押し付けることはせずにすべてを許容し、排除はしないという意識で動いてます。コミケには教師も指導者もないのです。そうなりたい人はいても。すべての人がフラットな場所に立っている場です。評価はエライ人がやるのではなく、大勢の誰かが好き好きにやります。だからいろいろなものが存在できるのです。
アマチュアだけの場だったコミケに準備会は企業を入れました。ビッグサイトに移ることになった10年ほど前のことです。単なるに物販スペースとしてではなく、社会=企業とアマチュアを繋げる場という広がりを期待してのものです。かつては同人誌の持込スペースを設けていた出版社もありましたが、今回はありませんでした。今の企業ブースの様子では今後もちょっと難しいかもしれません。コミティアであれば、今もいくつかの編集部が持ち込みを受け付けてます。
文化なんてのはお題目でしかありません。コトが大きくなってしまってるので、世間様に排除されないように掲げた大義名分でしかありません。参加する人たちにとってはお祭りです。村祭りや盆祭りとなんら変わらない、ヲタクという身内のお祭りです。でも、お祭りは文化でしょ。お祭りそのものだけじゃない、踊りも射的も文化ですよ。綺麗に飾られた芸術品でなくても、たとえ木の棒一本でも担いで御輿だと言えば御輿になるんです。それらは文化だから続いているのではなく、芸術品だから御輿と呼ばれてるわけでもないでしょう。
世の多くの漫画も、文化だから作られているのではないのですよ。
なんのことはない、漫画を作りたい人が作って、見たい人が見るだけのコトです。作るのは小説でも評論でもゲームでもいいです。そこに何を乗せるのかも自由です。枠を作らないから誰でもできるし、それゆえに広い裾野をつくりあげているんです。そういった下支えがあって文化でいられるんです。

 禅や武士道といった古来の日本の文化も
 決して”内に篭る文化”ではなく・世界に開かれた普遍的な価値を持つからこそ評価が高いのである。

だから順序が逆なのです。それらは世界に出すために作ったものではないのです。内で練り上げたものが外に出たらそういう評価をする人が居たということです。
文化というものは、「こうあらねばならない」とか「こうあるべきだ」という、思想や理念によってだけできてるものではありません。基本的には「なにか」をやって作り積み上げてできたものです。


続きのコメントから

 私は初めてなので、全体像がつかめません。
 効率的に人気サークルを探すためにも色々お尋ねしましたが、要領を得ません。

聞かれたほうも「全体像」はつかめてないのかもしれません。同人の世界は狭いようですが、個々が専門分野に特化してるので細分化されていて、総覧的な知識を持つのはかなり難しいです。
自分の趣味が全体からすれば狭いのだと理解したら、たぶん聞かれても答えられないです。趣味嗜好(思考か?)の合わないサークルを勧めるわけにもいきませんし。「人気」サークルが知りたいのなら、行列のできるところに行けばいいでしょう。コミケの外の社会ではたいていそう判断されるかと思います。
望む話をうまく聞き出せなかったのは、相手の問題ではなく、自身の話術、コミュニケーション能力によるものだと考えるべきではないでしょうか。世の中には、効率的に禅や武士道や茶道を身に付けたいという人も居そうですね。マニュアル世代にも困ったものです。
たぶん、ぼくが会場内で質問されても、前出の70代、60代の人の話は出てこない可能性が高いです。頭の中が他のことでいっぱいいっぱいになってるから。それでも、聞き方次第で変わると思いますが。

武士道も茶道も社会と無関係に発展したのではありません。

コミケも、社会と無関係に存在しているわけではありません。参加している人たちも、コミケの外の社会であたりまえに暮らしています。
一方で、日常の中では伏せて隠しておいたものを同じ趣味の人たちの中で晒し出せる、開放の場ともなっています。普段過ごす社会かある程度の距離が取られてる、オタクだけの集まる安全地帯だから存在できる場でもあります。
どちらかというと、茶道は社会、日常と離れることで成立してるところもありますが。

 いくらか提案したいと思います。
 1)開催期間を延ばし・余裕のある運営をすること。いずれも夏休み・冬休みの期間ですので可能と思います。
 2)ジャンル別にして目的のブースを見つけやすくする。
 3)優秀賞などを与えてオリジナルな作品を奨励する。
 4)識者・文化人の意見を聞く。閉鎖的にならず・開かれた運営を目指す。
 5)万博などのように健康的・建設的なテーマを設定する。
 6)参加要領を緩和する。締め切りをもう少し遅くまで。

  1. 目下の問題は、人員の確保ができるかどうかにかかってます。それさえ解決できれば問題はありません。当日動き回っているスタッフ参加者たちはコミケ以外の場所で働き、休暇を使ってコミケのスタッフをやっています。たったの7日なら、夏休みも冬休みもとれるはずだといわれると悲しいですが。準備会がやりたいと言えば、参加者の非難を受けながらでもやるでしょう。
  2. 言うまでもなくジャンル別に分けられています。日によってジャンルは違い、さらに大ジャンルからその中の小ジャンルまで細かく分けて配置されています。とはいえ、あくまで目安です。当日なんのジャンルの本を出すのかは参加者の胸先三寸ですし、1サークルが1ジャンルというわけでもなく何種類ものジャンルを掛け持ってもいますし、完全に分類することは不可能です。掲示は現状どおり無しのままでいいな。予習するつもりのない人の相手をする義務は無いし。
  3. ずいぶんと権威主義志向じゃないでしょうか。かつては、コミケットセレクションという形で数名の作家作品を取り上げて扱ってたこともありました。同人という世界が広がったことで、ジャンルを超えようという人は少なくなくなりました。あくまでも趣味でやっていることなので、無理に世界を広げる必要もないのです。また、特定のサークル・個人を持ち上げる形にもなるので、コミケの趣旨にふさわしいとは思えません。コミケはわずかなヒーローを生むための場ではありません、全員が主役なんです。
  4. 準備会によるシンポジウムが開かれています。著作権と性表現に関してですが、それを全体化できてないのが現状です。
  5. テーマに添わなければ参加させないとでもいうのでしょうか。コミケには場を作る以外の目的は何もありません。可能な限りすべてを受け入れるために、思想の押し付けもしません。
  6. 参加要件は日本に住所があり、義務教育を終えているという2点だけです。申込書はわざと面倒にしてふるいにかけているという冗談もありますが、かなりの部分が旧世代の遺物です。もっと遅い時期に申し込みができればいいなとは思います。冬は4ヶ月ちょいだから130日前ぐらいですか、せめて夏もそれぐらいの時期に。4月1日頃か。

コミケは個人主義の集合ですが、場を守るという点では全体主義です。
正直、批判だけならただの垂れ流しです。何も生まれません。どれもこれも既に出ているもので、「あなたの批判にはオリジナリティもユニークさもない」いや、テーマを決めるってのは初めて見たな。
準備会が求めているのは対策と行動する人です。だから改善の提案そのものはは準備会に直接送ってもらえるとありがたいです。


つづきhttp://d.hatena.ne.jp/bebebe/20070823/comike