Beanの日記

徒然日記

「列」

「列」

この切り口でここまで書きあげることに唸らされました。どのように感想を伝えたらいいのかわかりません。「そんなに長くないから読んでみ。読むタイミングは気を付けて。淡々とした口調だけどドロドロしているから。」という感じです。小説の構成は、現実と妄想(無意識)を行ったり来たりします。

 

【印象に残った言葉と感想】

他人は他人に対し、どこまで要求することができるのだろう。

 

自分の後ろには、大勢いて欲しい。まだこんなに、後ろに人がいると思いたかった。

 

自分が最後尾だったら、と想像する。耐えられない。最後尾なら、列に並ぶ意味はない、後ろに人がいなければ、列に価値はない。

 

飲食店などの行列で、似たようなことを感じます。もちろん、ここまで重くはありませんが。

この作品の「列」は、例えば立身出世です。自分の中で違和感を感じているけれど、列から抜けることができない、そんな心境を上に挙げたような言葉を連ねて延々と書いています。

 

 

人間以外で最も知性のあるチンパンジーだけが、なぜ同種をこのように殺すのか。私見だが、チンパンジーが持つ知性が、殺した方が得であるケースに気づいたからではないかと思う。同種を殺すことに本能的・生物的な拒否感を覚えるはずだが、その拒否感は「集団でやる」ことで分散し、誤魔化し薄れるのではないかと。

 

自分よりも前に並んでいる人がいなくなったら、順番が繰り上がります。

なぜ、チンパンジーがでてきたのかはネタばらしになってしまうので控えます。

 

 

同じデータのようなものがあって、それが一方では通常の生活のように見えて、でも違う見方をすれば、このような列に見えるのでは。

 

察しがつくと思いますが、あまり書くとネタばらしになってしまうので控えます。

 

 

【あるシーンで、ある登場人物が言った台詞】

「あなたの目的は、列に並ぶことなんだ」

「何かの願いより、もう並ぶことが目的になってるんですよ。・・・・最悪だ。もう中毒に等しい。」

「でもそう書いてある。つまりあなたは、本当は」

「他人と自分を比べてずっと文句を言い、ずっと苦しんでいたいんだ」

 

闇、病み。

でも、実際にはそうなってしまっていること多いです。

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