ロースとホース
いろいろあり、ウマを食べてきました。
ローストホースというお店です。
ローストホースって料理の名前かと思ってたんですがお店の名前だったんですね。
詳しくは下記サイト参照。僕は日記しか書かないぞ。
それでウマなウマ。
ウマってあんま食べたことないんだよね。
馬刺しは好きだけど……。
っていうか馬刺ししか食べたことないなあ。
とにかくそのお店はウマについては最強クラスにすごく、ツイッターなどで訪問していた人の感想を見るとみんな発狂してるのでなんかスゴいんだなあと思いながら行きました。
スティール・ボール・ランおもしろいからみんな読んで下さい
とくに段階的に説明していくこともないのでどんどん行きますが皿です。
慣れない皿すぎて「こ、これ右下の窪みなに?」って聞いてしまったんですがふつうにショウユを注ぐ窪みでした。
初手。
ウマの店なので「よーし!テールスープだろ」
って思ったんですがお雑煮らしい。白味噌。
いやでも僕が聴き逃しただけでウマ分も入ってるのかも……。
しょっぱい系の味だと思って口に含んだら甘くて「アハッ」って言った。
あとオモチがぷにぷにに仕上がっててウマい。
これは期待できるぞ。
ウマ寿司。
寿司か~~~!!!
店長さんがかなり強キャラで、「ウチは出し惜しみしません。これが最強です。まず最強から行く。最強を知ってください」みたいなことを言いながら出してきた。最強っていいながら料理出してくる人はじめて見た。
食べたところ、うまい。ただ惜しいのは食べていくと失くなってしまうこと。冗談ではなく、シャリにせよ肉にせよ儚く失くなっていくのであんまり噛もうと思っても噛めない。おいしいんだけど飲み込んだとき「悲しい……」と思ってしまうくらい美味しかった。悲しかった記憶が濃密で正直あまりどういうふうに美味しかったか覚えてない。ただ手前のユズ大根? とかいう付け合せが爽やかすぎてうまく、売ってほしかった。
あとこれひとりひとつです。悲しいなあ。
ごま豆腐にウマの時雨煮を載せたもので一番上に乗ってるのはわさび。
ごま豆腐ってそのまんま食うイメージ強くてあんまり料理料理したもの作るイメージなかったな。で、これごま豆腐が温かい。ごま豆腐って冷たいのしか食ったことなかったわ。そしてとってもプルプルしてる。すげえプルプルしてる。プリンみたいなの。そして温かい。
プルプルしてて温かいといっても決して茶碗蒸しタイプではないんですね。茶碗蒸しはもっとこうソリッドなプルプルなんですが、このごま豆腐は星のカービィみたいな感じです。
プルプルすぎて動画撮っちゃった。
味はうまいです。
さぁここからだ。
ついに馬刺しが登場。馬刺しがこんな風に盛られた光景を私は知らない。この4枚ヒラッと置いてあるのは確か昆布締めだったかな。これはいわゆる噛めば噛むほど味がするタイプの肉なんですが、先述の寿司と違ってかなり口のなかで長持ちするのでずーっとクチャクチャでき、ものすごくおいしいガムのような感じです。
そして肉。
あまりにナチュラルに焼肉屋で見るような感じの肉が出てきたので「鉄板はどこだ?」って思ってしまったぞマジで。ふつうに焼いて食う肉感のあるビジュアルなのにこれ馬刺しだってさ。生で食うんかい!
ショウユつけて食ったらこれがまたバッチリうめえんだ。
手前の肉は「酢だこさん太郎かな?」ってくらい薄いんだけど長さがあるので必然口のなかで折りたたまれるのでレイヤー的な食感があり、味はうまいのでうまい。白いマンデルブロ集合みたいなやつがうまく、ウマは脂が28度だかなんだかで融けるのでうまいそうである。食事は科学だ。
こっちもビジュアルが焼肉ですよね。あまりに焼肉すぎて「ホントォ? 焼かないのぉ?」って不思議がってたんですが周りのニンゲンがみんな舌が肥えてたので「うまい肉は生で食うのが当たり前」みたいなことを言い出すのでニンゲン……ってなった。
千葉だと「肉はちゃんと火を通せ」と教わって生きてきたんだけどな。
ところでおいしい。厚みがあるぶん噛みごたえがすごく。噛むと噛むと脂が溶けて甘くなる。
この小学生がラーメン屋ではしゃいでレンゲのなかにちっちゃいラーメン作っちゃったみたいなヤツはなんだよって思ったら「スプーンのなかにちっちゃいスキヤキ作っちゃいましたwww」って言ってたので大体発想は同じ。
茶色いのはようするに割り下です。黄色いのはタマゴ。一番下にある赤くてへにゃってしてるやつは肉という名前の物質です。ウマのな。
食べると本当に口のなかにスキヤキが顕現して「ハハハ」と君は笑ったね……。
ナマで肉食べちゃった……って思ったらまた肉が出てきた。マジかよ。
ところで付け合せのタマネギがなんかやたらうまい。ナマなのにぜんぜん辛くないので「なんでぇ?」って聞いたけど「何もしてない!」らしい。新鮮なタマネギを切っただけなんだってさ。ナマのタマネギって辛いんじゃないの? 常識として持っていた観念がどんどん打ち砕かれて我々の精神は遥かパラレル・ワールドへと飛んで行くね。
これこれこれこれこれなんかもうビジュアルが完全にサイコロステーキだろ!
ケモノの肉に限らず魚肉だってこんなカタチで食ったことないぞ! いやツナピコはあるけど。というわけでナマでこんなカタチの肉を食べるなんて! って思ったけどウマい。当然ながら四角いので噛むと奥行きと抵抗があって「歯で押しつぶすと味が出て来る」という食の基本に立ち返った体験についてもう一度原点に立ち返って考えさせられる経験として楽しい肉です。味はどうかって? うまいぜ。
ナマの肉にネギをくるって巻いて食べるとテクスチャーが加わった感があってうまい。もう全部感想うまいでいいだろ。
肉食べたなあと思ったら完全に意味わからんもの出てきた。
黄色いの何、マヨネーズか? と思ったらタマゴ。
これは「エスプーマ」という調理法らしい。
で、つまりこれはなにかというとタマゴをエスプーマにしたウマのユッケです。ユッケユッケ。すげえ舌触りがいいユッケやねん。タマゴってこうなるんか。そしてなぜか黒豆が入っておりこの黒豆がどこで食った黒豆よりうまい……。実家のお節に入ってた黒豆、なんやってくらいうまい。なんだなんだ。
世の中にはまだ食べたことがないものがたくさんあるなあと思ったらウマのテンプラ出てきた。テテテテンプラー!?!?! ウマのテンプラなんて食ったことがないどころか聞いたこともないわ。
向かって左がウマの脊髄のテンプラ。右がシャトーブリアンのテンプラだそうです。脊髄テンプラ????? ってなに???????????????????
我々の持つ脊髄の代表的なイメージ。
味は「脊髄ってこんな感じがするんだー!」って感じの味です。トロッとしてる。わからねえだと? 知るか! これはオレの日記だぞ!!!!
参考までにいうと同席した友人は「白子っぽい」と言っていました。
シャトーブリアンのテンプラもアホかってくらいうまく、これまでずっと生肉を食べてきたので噛むと汁が出て来るのがうれしくてうれしくてうまい。
火が通っててすごいねー! と思ってたらまた寿司が出てきた。お江戸か?
タテガミ(クビのとこの肉だと)の軍艦とどっかの手まり寿司です。
軍艦食べようと思ったらなぜか周りから「その軍艦はな、海苔だぜ海苔。ホント海苔だから」って言うんですよ。コイツら何いってんだ? 軍艦巻きはタネが主役だろ。ましてやウマのレアな部材だぞ!!! なんで容器でしかない海苔に注目せなならんのだ!!!!
と思いながら口に含んだら噛むまでもなく海苔の香り~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!! って口の中がなって「ハァ~~~~~~~~~~~~~!?!?!?!」ってなりました。なんでなんでなんでこんなに海苔が強いのか。
あのね、僕ね、僕田舎の親戚の付き合いで海苔屋さんの美味しい海苔食べてたんですよ。海苔に関しては無駄に舌が肥えてると思ってたのね。
それ、全部幻想だった。この海苔すごい最強。
ウマすぎて「この海苔、どっかで買えないの?」って聞いたら
「この店以外では明仁しか食えないね」って言われて死んだ。そんな、そんな海苔あるか?
なぜか写真2枚撮ってた。
テールスープが登場。滋味深い系。
ところでウマって豚とか鶏とかみたいに骨からは全然味が出ないんだそうです。モロくて他の用途にも使えないし、ということで全然役に立たないニンゲンのことを「馬の骨」というらしいですよ。僕やあなた方のことですよ。
焼いた野菜。
目に入った瞬間「わっ! dancyuの表紙だ!」って思った。
一押しはエリンギで、死ぬほど火力の強い釜で焼いたことで表面が焼き固められているのに中身の水分が全然失われてない状態となっており食べるとジューーーーーーーーーーーーーーーーーーシーーーーーーーーーーーーーーで香りがヤバく、ヘタな松茸よりいい香りがしてうまいうまいうまいうまいうまいってなります。
ゴトッ。ウマのケツです!
ケツーーーーー!!!
ほらほら、ウマのケツを握るとおいしいおツユが出て来るんだよ~ってされてるところ。味は汁がうまいうまいうまいって感じで噛みごたえがすごく、「さすがウマ! 走ってるだけのことはある!」って口走ったところ「食用のウマは走らねーよ」と聞かされて悲しくなった。でも遺伝子的には走ってたころの要素は絶対伝わってると俺は思う。
ウマのケツ2は僚機としてワサビを随伴させています!
鯛めし&赤だし。
「えっ! これしかないの!」って悲しくなるくらいうまい。ところであまりに食った経験のないものが出てきすぎて、この組み合わせが供された瞬間「もしかしてねこまんまにして食うのでは……?」と様子を伺ってしまったけど流石にそんなことはなかったです。
デザートはなにが出るんだろうと思ったらなんと焼き芋!!! にバニラアイスを載せたもの!!!!!!!!!!!!!
焼き芋ってデザートとして"アリ"かぁ~~~~???
って疑いながら食ったらウッッッッッッッッッマ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ウマ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
なにこれ!??!?!
ネッチョネチョのニチョニチョになってて死ぬほど柔らかくなっててウソだろってくらい甘くて温かくてそれが爽やかな味のバニラアイスとバツグンに合うッッッッ!!!! なんだこれは~~~~~~~~~~~~~~~~!?!!?!?!??!?!?!?!
食い終わったあとの"皮"すらうまく、残った皮をすくい取ってアルミホイルに滞留した溶けたバニラアイスを絡ませて食べたところ道の皮すぎて完全に自分のなかで鮭の皮が過去のものになった……。
オール・タイム・皮・ベストはローストホースで出てきた焼き芋の皮。これ最強。
と、いうわけで幸せおウマさん体験でした。
以前に死ぬほどウマい魚を食べに行ったときも思いましたが。完全に規格外の、アホみたいに美味しいものを食べると「ただ美味しいものを食べて腹が膨らんだ」以上の体験が得られます。
ものを食べるたび「こんな世界があったのか!」という発見に満ちた喜びがあるんですね。Discovery!
なんというか、よくわからん業界の展示会を見に行ったらすごく面白かったみたいな、そんな満たされた気分が満腹感以外にも得られる感じ。エンタメなんだな。
だから普段はセブンイレブン最高~みたいな生活を送ってるみなさんも死ぬ思いで5桁のメシを食ってみることをオススメします。
ちなみに今回のおウマさんはピッタリ1万円でござる。
一食と考えると「高っ!」ってなるけど払うときには「うますぎかよ」ってなってお買い得感すら覚えるし、むしろ
「……この料理出して一万円で……このお客さんの数(めちゃめちゃ大きいお店ではないのでいっぱいで30人足らずくらい)で……やっていけるのか……?」
って心配になるくらいのクオリティ。
ほんまほんまほんますごい。すごいなー。
あとこういうすごい料理作ってる人はやっぱ出てくる料理から「これ作ったり試行錯誤してるとき楽しかったんだろうな」ってのが伝わってきますね。趣向が凝らされてるんだけど、趣向凝るのも人生の楽しみなんやでみたいなのが滲んできてそれをついでに食わされてる、うまい、幸せ。みたいないい循環がある気がする。気がするだけです。
まぁそんなこんなで美味しい美味しい美味しいウマでした。
また食べたいぜ。
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