2014年 07月 13日
<:/p>
【転載情報】岩手県に対する住民訴訟(3.26政府交渉ネットより)
3・26政府交渉ネット事務局の杉山義信です。(BCCでお伝えします。重複の場合はお許しください。)
事務局の青木泰氏より岩手県行政に対して住民訴訟が行われていることは、すでにお伝えしております。
現時点の住民訴訟の現状報告と共にこの訴訟がいかなる意味があるかを纏めた報告と共に原告側の準備書面を資料として添付しております。
青木氏も指摘している通り、今回の岩手県の広域瓦礫処理の経緯は、実に不可思議なことが公然と行われました。放射性廃棄物全国拡散阻止!3・26政府交渉ネット事務局では、東日本で被災された多くのひとびとに正当なる救済策を迅速に行うことをこの三年間政府とりわけ環境省へ訴え、交渉してまいりました。しかし、環境省主導で行われ原資となっている復興資金はまったく被災された人々には渡らず、原子力マフィアと同じ構図の廃棄物処理マフィアへ利益が流れ込んでいるのが、現状です。
岩手県の住民の人々が起こした住民訴訟の意味は、大変重く廃棄物処理マフィアへ切り込む大きな戦いです。是非、全国の広域瓦礫処理拡散阻止を担ったみなさまの支援と共にこの裁判を注視していただきたいと改めて訴えます。
以上。
青木泰です。御世話様です。
7月11日、盛岡地方裁判所で、住民監査請求―行政訴訟の弁論が行われました。
下記ご報告いたします。
岩手の住民監査―行政訴訟は、環境省が進めてきたがれきの広域化が、元々広域化が目的ではなく、巨額の予算を立て、余剰予算を余らせ、そのお金を環境省のその他の諸事業に流用化することが狙いだった事、驚くべき実態を明らかにしつつあります。
また現在進められるつある指定廃棄物という高濃度放射性廃棄物をわざわざ焼却する処理が、今福島県を中心に進められつつある秘密を明らかにする闘いでもあります。
これまでは、本人訴訟で進められてきましたが、今回の訴訟からは、坂本博之弁護士、ごみ弁連の事務局長が訴訟代理人として、法廷に立ち、原告第4準備書面の中では、「応用地質(株)」によるでたらめな測定データの報告は、契約違反にあたり、契約金の受け取りは、不当利得にあたることを指摘し、法廷では、証人申請を行うなど縦横無尽に活動していただきました。(添付の原告第4準備書面をご覧ください)
裁判のこれまでの流れから、結審になると考えた(?)地元メディアの記者たちも坂本弁護士の取材に追われていました。
<なぜ「応用地質(株)」への業務委託(測定など)が問題になっているのか>
この裁判では、岩手県が「応用地質(株)」との「測量・計画作成・業務進行など」の業務委託契約を結んでいますが、「応用地質(株)」が測定したデータは、一番ひどい例では、50分の1にまで下方修正され、このような杜撰な測定データの報告に岩手県が、契約通りの5億7千万円の支払いを行ったことを問題として訴えています。
請け負った「応用地質(株)」の測定数値が、岩手県全体としても、大きく変動し、がれきの広域先の自治体ごとに見ると、埼玉県への持ち込み量では、当初の量の50分の1、静岡県へは20分の1、大阪市へは、10分の1、富山県へは、10分の1に減っていたのです。がれきの測定量がこのように下方修正されてきたのに、それをチェックすることなく、漫然と支払いを続けた岩手県による責任もあると訴えています。
翻って、がれきの広域化にあたって、当初震災当事3県(福島、宮城、岩手)で、2400万トンのがれきが発生したと報じられ、その内福島県を除く宮城と岩手のがれき400万トン(宮城344万トン、岩手57万トン)が広域化されることになっていました。この間ご報告させていただいたように、がれきの広域化量は、今年3月31日の終了時点を踏まえても十数万トン、計画量の数%で終わりました。
環境省の発表でも60万トン、わずか15%です。実施率から言えば、破たんと言ってよい実態です。これは、計画のずさんさが暴かれ、全国での反対運動が在って、破たんに追い込んだものです。そしてがれきの3県の総量自体も、調査の度に減り続け、結局約1600万トンになっていました。当初発表の3割、800万トンも減っていました。
被災地の市町村、被災県での処理を優先させる事になっていましたから、そうした実態が見え始めた2012年(平成24年)の当初には、がれきの広域化は、全く必要ないことが分かっていたはずです。それを正直に発表したのが、2012年4月、宮城県の担当課長の発表です。同課長は、県内で処理できる見通しになったことをTV(モーニングバード)で報告しました。理由として再測量の結果、海に流失した分をミスし、その分を計算したら約400万トン(1570万トン→1150万トン)減ったことが後に発表されました。
環境省が予定したがれきの広域化、400万トンのうち、宮城県だけで400万トン減ったため、当然がれきの広域化は、お終いだと思っていたところ、2012年5月には、岩手県は、逆に増加したというニュースが流れてきました。これまで岩手県の広域化必要量は57万トンと言っていたのが、いつの間にか120万トンに増やされていました。
宮城県は、がれきが海に流されていたことを計算したら400万トン減ったという一方で、岩手県はなぜ増加したのでしょうか?当事講演先の質問に、私はそんのことはありえないと説明しながら、きっと「宮城県から海に流れたがれきが、岩手県に流れ着いたのでしょう」((笑))と答えていました。
がれきの実体の測量は、岩手県の場合、2011年から1年単位で県が測量などの専門会社である「応用地質(株)」に業務委託していたことが分かりました。「応用地質(株)」が測定したデータの報告を受けて、県が整理し、そのデータを環境省に報告している仕組みも分かりました。環境省は独自に調査していた訳でなく、岩手県の報告を受けて、宮城県からのデータも交えて、工程表などとして発表していました。
環境省の発表では、岩手県の広域化必要量は、次のように変わってきます。
2011年 57万トン
2012年5月21日 (廃棄物リサイクル対策部発表) 120万トン
2012年8月7日 (工程表) 32万トン
2013年1月25日 (工程表) 30万トン
これらはいずれも、再測量の結果このように変わったと説明されてきましたが、これらデータのネタ元は「応用地質(株)」の測量結果に基づいていたのです。このデータを見ても、2012年5月21日に57万トンから120万トンに増加したことは、全く奇妙なデータです。その後8月7日には、32万トン、その後も30万トンと当初の57万トンより減っています。元々120万トンと言うのは、データ上の実態がなかったことが分かります。
宮城県のがれき量が、大幅に減ったため、がれきの広域化の政策を継続させるために逆に岩手県を辻褄合わせ的に増加させたという疑いがはっきりしてきました。岩手県は、「応用地質(株)」からの測定データに基づき、広域化計画を進め、環境省は岩手県からの報告に基づき、工程表などに発表してきました。
測定データの流れは、「応用地質(株)」→岩手県→環境省の流れです。岩手県が言うように「応用地質(株)」の測定データに基づき、計画数量を修正してきたということならば、「応用地質(株)」は、がれきの実態を測量・調査したというよりは、環境省の思惑に合わせて、測量データの操作に協力してきた会社だという疑念が強まります。ではこのような疑念をどのようにチェックし、明らかにして行けばよかったのでしょうか?
本件住民監査請求・行政訴訟は、岩手県と、「応用地質(株)」の契約に注目しました。測定を業務として契約している業者が、これだけでたらめな報告をしていて、そのまま契約金を支払うことが妥当性を持つのかということです。こうしたデータが、測定を専門とする会社が測定している以上、前の測定データの数分の1になったりすれば、その前に計ったデータは、くずかごに捨てるようなお金を支払う価値のない報告だったことになります。そこでそのようなチェックもせず、漫然と「応用地質(株)」にお金を支払った岩手県を被告として、「応用地質(株)」から支払ったお金の返却を求めるというのが、この裁判の趣旨です。
この「応用地質(株)」に岩手県から支払われるお金は、災害復興資金から支払われる貴重なお金です。
◆140711 岩手住民訴訟 原告第4準備書面
***********************************
事務局の青木泰氏より岩手県行政に対して住民訴訟が行われていることは、すでにお伝えしております。
現時点の住民訴訟の現状報告と共にこの訴訟がいかなる意味があるかを纏めた報告と共に原告側の準備書面を資料として添付しております。
青木氏も指摘している通り、今回の岩手県の広域瓦礫処理の経緯は、実に不可思議なことが公然と行われました。放射性廃棄物全国拡散阻止!3・26政府交渉ネット事務局では、東日本で被災された多くのひとびとに正当なる救済策を迅速に行うことをこの三年間政府とりわけ環境省へ訴え、交渉してまいりました。しかし、環境省主導で行われ原資となっている復興資金はまったく被災された人々には渡らず、原子力マフィアと同じ構図の廃棄物処理マフィアへ利益が流れ込んでいるのが、現状です。
岩手県の住民の人々が起こした住民訴訟の意味は、大変重く廃棄物処理マフィアへ切り込む大きな戦いです。是非、全国の広域瓦礫処理拡散阻止を担ったみなさまの支援と共にこの裁判を注視していただきたいと改めて訴えます。
以上。
青木泰です。御世話様です。
7月11日、盛岡地方裁判所で、住民監査請求―行政訴訟の弁論が行われました。
下記ご報告いたします。
岩手の住民監査―行政訴訟は、環境省が進めてきたがれきの広域化が、元々広域化が目的ではなく、巨額の予算を立て、余剰予算を余らせ、そのお金を環境省のその他の諸事業に流用化することが狙いだった事、驚くべき実態を明らかにしつつあります。
また現在進められるつある指定廃棄物という高濃度放射性廃棄物をわざわざ焼却する処理が、今福島県を中心に進められつつある秘密を明らかにする闘いでもあります。
これまでは、本人訴訟で進められてきましたが、今回の訴訟からは、坂本博之弁護士、ごみ弁連の事務局長が訴訟代理人として、法廷に立ち、原告第4準備書面の中では、「応用地質(株)」によるでたらめな測定データの報告は、契約違反にあたり、契約金の受け取りは、不当利得にあたることを指摘し、法廷では、証人申請を行うなど縦横無尽に活動していただきました。(添付の原告第4準備書面をご覧ください)
裁判のこれまでの流れから、結審になると考えた(?)地元メディアの記者たちも坂本弁護士の取材に追われていました。
<なぜ「応用地質(株)」への業務委託(測定など)が問題になっているのか>
この裁判では、岩手県が「応用地質(株)」との「測量・計画作成・業務進行など」の業務委託契約を結んでいますが、「応用地質(株)」が測定したデータは、一番ひどい例では、50分の1にまで下方修正され、このような杜撰な測定データの報告に岩手県が、契約通りの5億7千万円の支払いを行ったことを問題として訴えています。
請け負った「応用地質(株)」の測定数値が、岩手県全体としても、大きく変動し、がれきの広域先の自治体ごとに見ると、埼玉県への持ち込み量では、当初の量の50分の1、静岡県へは20分の1、大阪市へは、10分の1、富山県へは、10分の1に減っていたのです。がれきの測定量がこのように下方修正されてきたのに、それをチェックすることなく、漫然と支払いを続けた岩手県による責任もあると訴えています。
翻って、がれきの広域化にあたって、当初震災当事3県(福島、宮城、岩手)で、2400万トンのがれきが発生したと報じられ、その内福島県を除く宮城と岩手のがれき400万トン(宮城344万トン、岩手57万トン)が広域化されることになっていました。この間ご報告させていただいたように、がれきの広域化量は、今年3月31日の終了時点を踏まえても十数万トン、計画量の数%で終わりました。
環境省の発表でも60万トン、わずか15%です。実施率から言えば、破たんと言ってよい実態です。これは、計画のずさんさが暴かれ、全国での反対運動が在って、破たんに追い込んだものです。そしてがれきの3県の総量自体も、調査の度に減り続け、結局約1600万トンになっていました。当初発表の3割、800万トンも減っていました。
被災地の市町村、被災県での処理を優先させる事になっていましたから、そうした実態が見え始めた2012年(平成24年)の当初には、がれきの広域化は、全く必要ないことが分かっていたはずです。それを正直に発表したのが、2012年4月、宮城県の担当課長の発表です。同課長は、県内で処理できる見通しになったことをTV(モーニングバード)で報告しました。理由として再測量の結果、海に流失した分をミスし、その分を計算したら約400万トン(1570万トン→1150万トン)減ったことが後に発表されました。
環境省が予定したがれきの広域化、400万トンのうち、宮城県だけで400万トン減ったため、当然がれきの広域化は、お終いだと思っていたところ、2012年5月には、岩手県は、逆に増加したというニュースが流れてきました。これまで岩手県の広域化必要量は57万トンと言っていたのが、いつの間にか120万トンに増やされていました。
宮城県は、がれきが海に流されていたことを計算したら400万トン減ったという一方で、岩手県はなぜ増加したのでしょうか?当事講演先の質問に、私はそんのことはありえないと説明しながら、きっと「宮城県から海に流れたがれきが、岩手県に流れ着いたのでしょう」((笑))と答えていました。
がれきの実体の測量は、岩手県の場合、2011年から1年単位で県が測量などの専門会社である「応用地質(株)」に業務委託していたことが分かりました。「応用地質(株)」が測定したデータの報告を受けて、県が整理し、そのデータを環境省に報告している仕組みも分かりました。環境省は独自に調査していた訳でなく、岩手県の報告を受けて、宮城県からのデータも交えて、工程表などとして発表していました。
環境省の発表では、岩手県の広域化必要量は、次のように変わってきます。
2011年 57万トン
2012年5月21日 (廃棄物リサイクル対策部発表) 120万トン
2012年8月7日 (工程表) 32万トン
2013年1月25日 (工程表) 30万トン
これらはいずれも、再測量の結果このように変わったと説明されてきましたが、これらデータのネタ元は「応用地質(株)」の測量結果に基づいていたのです。このデータを見ても、2012年5月21日に57万トンから120万トンに増加したことは、全く奇妙なデータです。その後8月7日には、32万トン、その後も30万トンと当初の57万トンより減っています。元々120万トンと言うのは、データ上の実態がなかったことが分かります。
宮城県のがれき量が、大幅に減ったため、がれきの広域化の政策を継続させるために逆に岩手県を辻褄合わせ的に増加させたという疑いがはっきりしてきました。岩手県は、「応用地質(株)」からの測定データに基づき、広域化計画を進め、環境省は岩手県からの報告に基づき、工程表などに発表してきました。
測定データの流れは、「応用地質(株)」→岩手県→環境省の流れです。岩手県が言うように「応用地質(株)」の測定データに基づき、計画数量を修正してきたということならば、「応用地質(株)」は、がれきの実態を測量・調査したというよりは、環境省の思惑に合わせて、測量データの操作に協力してきた会社だという疑念が強まります。ではこのような疑念をどのようにチェックし、明らかにして行けばよかったのでしょうか?
本件住民監査請求・行政訴訟は、岩手県と、「応用地質(株)」の契約に注目しました。測定を業務として契約している業者が、これだけでたらめな報告をしていて、そのまま契約金を支払うことが妥当性を持つのかということです。こうしたデータが、測定を専門とする会社が測定している以上、前の測定データの数分の1になったりすれば、その前に計ったデータは、くずかごに捨てるようなお金を支払う価値のない報告だったことになります。そこでそのようなチェックもせず、漫然と「応用地質(株)」にお金を支払った岩手県を被告として、「応用地質(株)」から支払ったお金の返却を求めるというのが、この裁判の趣旨です。
この「応用地質(株)」に岩手県から支払われるお金は、災害復興資金から支払われる貴重なお金です。
◆140711 岩手住民訴訟 原告第4準備書面
***********************************

by azarashi_salad | 2014-07-13 15:23 | 政治
<:/p>