今日は午前中に夫を車いすに乗せて、近所をぐるっと1時間ほど散歩してきた。自宅前に戻り、車椅子から夫を立たせる。
そして、玄関へ。
いつもなら、「はい、入って・・・」と言えば、自分で靴を脱いで上がる。
夫は、ここが自分の家かどうかもわからないので、「はい、どうぞあがってください」と促さないと、あがらないのだ。
ところが、今日は、「はい、あがって」と促しても、立ち尽くして上がり框に上がらない。
「さあ、靴を脱いで上がって」と言うと、おもむろに、靴のまま上がろうとした。
そこを押しとどめて、
「靴を脱いでね」と(もちろん、手話で、靴をぬぐように伝えた)言っても、夫は足を少し上げるのだが、どうやって靴を脱いだらよいのかわからなくなったらしい。
再び、靴のまま上がろうとするので、また押しとどめて「靴を脱いで、上がるんだよ」と伝えるが、夫はどうしてよいのかわからないようで、靴のまま足を上げてあがろうとする。そこを私が止めるので、もう、どうしたらよいのかと途方に暮れている様子。
実は、昨日も、玄関先で、「靴を脱いで、上がり框に上がる」ということができなかった。
普通は、片方の靴を、他方の足でちょっと抑えて、スポンと靴のかかとを外して脱いだその足を、上がり框にあげる。それから、たたきに残った足のかかとを外して靴を脱ぎ、その足も上がり框に上げる。
夫は、脱いだ片方の足を上がり框に上げながら、もう片方の靴を脱ぐ…動作ができず、結局、玄関のたたきの上で、両方の靴を脱いで、靴下でたたきの上に立って、上がり框へ上がった。
それでも、自分で考えてそのような動作をしたのだから、まだマシだったと言える。
今日はどうしてもできないでいる。
私が靴を脱がしてやろうとしたのだが、足にぐっと力を入れて靴を脱がされまいとしているようなので、それもできず、仕方なく、靴のまま上がらせて、玄関先にあるトイレの便器に座らせた。
座らせたら、すんなり靴を脱ぐことができた。
う~ん、このまま靴を脱げない状態が続くのか?
それとも、別の時にやればできるのか?
調子が良い時なら、できるような気がする。
まだ、できなくなったと決めつけずに、またやってみよう。
それから、夕食時に、また困ったことが起きた。
昼食後に、口腔ケアをした時に、入れ歯の上下を外した。
入れ歯の手入れが終わったらすぐに口の中へ戻せばよいのだが、最近の夫は、痰が絡んでいることが多く、咳き込んで痰が出そうになった時に、入れ歯が外れそうになると、外れまいとして、出かかった痰を再び飲み込んでしまうことが多い。だから、喉の奥で痰がゴロゴロしているのが聞こえる時は、入れ歯を外して、痰が出るのを待っていることがある。
ところが、今日は、うまい具合に痰がでないまま、夕食時間になった。
夕食の準備ができて、さあ、食べるために入れ歯を入れようとしたのだが・・・
下の入れ歯は入れられたけれども、上の入れ歯が入れられない。
上の入れ歯は大きくて、口をがばっとあけなければ入らない。
それにそもそも、本人に「今から、口の中に入れ歯を入れるのだ」という意識がないと入れられない。
口の中に居れようとすると、食べようとした。
でも、硬いもんだから、???という顔をしている。
「食べ物じゃないから。入れ歯だから」
口の中にがばっと入れようとしたら、舌で押し出して、入れられまいとする。
何度やっても、同じ。入れ歯を入れられまいとして抵抗する。
一度は、無理やり入れて入ったのに、すぐに自分で取り出してしまった。
この調子ではいくら繰り返してもだめだ。
いったん、仕切り直しが必要なのだが・・・
仕切り直しには、いったん、眠ってから、起きた時に再チャレンジするのが一番いい。
でも、今日は「じゃあ、もういいから、寝て!」と言っても、眠くない時には寝ない。
私と母が夕食を食べているのを見て、自分も食べたいと思うのか、入れ歯を入れているガーグルベースに口をつけて(入れ歯以外には何もはいっていないけど)、吸ったりしている。
何か口寂しいらしい。でも、入れ歯を入れないと、用意した夕食は食べられない。
仕方がないので、プロッカゼリー(青りんご味)を食べさせ、ネスレーのアイソカル(コンパクト栄養食)バナナ味(サンプルでもらったもの)を飲ませた。これだけでは足りないだろうから、さらに、バナナ1本を小さく切って、甘酒とヨーグルトと牛乳を混ぜ入れて、ミキサーにかけ、シェークをつくって飲ませた。
最近は生活の中での困難なことが増えてきたと感じる。
その様子を見て、母が、
「なんだか、認知症がだいぶ進んだみたい」と言う。
「症状が進むのが認知症なんだよ。進まないんだったら、認知症じゃないから」と応えた。
症状が固定していて進まないのだったら、それは「高次脳機能障害」ということになるんじゃないかと思う。私の理解、これであってますかね?
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