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認知症の人は、こうして歩けなくなっていくのか

検査のみで、何の治療をすることもなく、退院したが、
立位保持困難、歩行困難(足がまったく前に出ない)。
今までも外出時に多少の歩行困難はあったが、
自宅室内では自由に動けていた。

これまで圧迫骨折した時も、
肺炎で入院した時も、
歩行には一時的に多少の影響はあったが、
病状が一番重いときであっても
本人に歩こうという意欲があり、
動きすぎて、転倒が心配なくらいだった。

だが、今回は最初から様子が違っていた。
思えば、症状はまず歩行障害から現れていた。
階段の登り下りなど、足が動かないなあ・・・と思っていたが、
それは具合が悪くて意識レベルが低下しているせいだと
思っていた。

退院後、炎症反応を調べたわけではないが、
側に居て感じるところでは、炎症はだいぶ落ち着いてきているように思う。
意識レベルもそれなりい回復している。
ところが、歩行障害は良くならない。

まったく歩けそうにないので、夫を椅子に座らせて、
2階で夕食の準備を始めたら、
1階で「ガタン」という音が・・・・
猫が興奮して走り回っているのかな?と思って、
1階の部屋へ行ってみると、夫が床に倒れている! ええ~!?
「いったい、どうしたの?」と認知症の夫に訊いてみても、
わかるはずもなく・・・
「痛いところは? どこか痛い?」
「う~ん、腰あたりが痛い」
頭は打っていないようだ。
夫の表情からは、ひどく打って痛むという感じではなさそうだ。
椅子に座ったまま、何かに手を伸ばしてとろうとしてバランスを崩したか、
猫2匹が跳ねて走り回っているのに、驚いて、バランスを崩したのか、
とにかく、床にころがっていたのだ。
時計を見ると7時を回っている。
小規模多機能は夜勤の時間帯だ。
スタッフは一人しかおらず助けも呼べない。
どうしよう? 一人で起こせるかしら?
夫の手をひっぱて起こすのはムリだ。
なんとか四つん這いにさせることができた。
その体勢から、椅子に手を掛けて、引っ張り上げて、
起こすことができた。
 は~、やれやれ・・・・

座らせた状態で、太ももを上げたり、
足踏みをしたりは、動きは弱いけれども、なんとかできる。
それなのに、棒につかまらせて、立ち上がらせようとすると、
体重が足に乗らずに、お尻を突き出して「く」の字形になってしまう。
ちゃんと立てなければ、歩けないだろう。

とりわけ、動脈が血栓によって閉塞した左足よりも、
右足の方が動きが悪い。
歩かせようとしても、右足は、根が生えたように、ぴくりとも動かない。
ベッドからトイレまで、わずか3メートルぐらい。
その間に、椅子を2個おき、テーブルを置き・・・
伝い歩きができるようにしているのだが、
ほとんど手だけで身体を動かして、足は動いていない。
目標の椅子まで手で身体を移動させて、
お尻をどっかりと椅子に座らせてから、
足をひっぱってくるような調子。

これは退院時に私が想定した状態よりも悪い。
下肢の血栓による閉塞で歩けなくなっているのではないだろう。
別の原因だ。

ひとつ失敗したと思ったのは、CT検査。
造影剤を入れて、頭から下すべてのCTを撮ったが、
なぜ、頭も撮ってもらわなかったのか?
もしかしたら、慢性硬膜下血腫とか水頭症とかが
あるのではないか?
脳の萎縮が進むと、頭蓋内にスペースが増えて、
ちょっとしたことで、血腫ができたり、水頭症になったりしやすいのに。
入院した科が、循環器内科だったので、担当医は、
歩行障害については、あまり問題にしていなかった。
神経内科だったら、別の視点で検査したかも・・・?
退院して生活するのに、歩行ができるか否かは
大きな問題なのだ。

今、かなりへこんでいる。
我が家は、本当に狭小住宅3階建て。
2階に台所とリビングと洗面所とお風呂があるのだ。
ほとんどの生活は2階でしてきた。
ところが、歩けないので、1階にベッドを運びこみ
そこで生活をしなければならない。
1階にトイレはあるが、手洗い場がない。
トイレのタンクの手洗いはあるが、
立位保持ができない夫には手も洗えないし、
顔も洗えない。

それに1階は狭すぎる。
ベッドからトイレまで歩くのだって、
歩いているとはいえないような、
椅子をつなぎながら、座りながら、移動している始末。
試しに車椅子を室内に上げてみたが、
部屋が狭すぎて、車椅子での移動距離1~2メートルぐらいじゃないのか?
それに、いくら自分の家だとは言え、
この1階の日照も悪いこの部屋だけで、過ごすのは酷だ。
まだ退院して日も浅く、体調も回復していないから、
ベッドで寝ていることが多いのだけれども・・・

歩行障害になった家族のために、
転居される例もめずらしくはないけれども、
今のところは、そこまでは考えていない。

本当は小規模多機能のデイを、昼間、毎日でも利用したいぐらいだが、
何となく遠慮があって、言えないでいる。

退院後、小規模多機能に夫と一緒に2泊した。
個室に私のためのベッドも入れてもらって、
夫と一緒に食事もおやつも食べさせてもらった。
小規模多機能で提供される食事は、
隣にある同じ法人の特別養護老人ホームの厨房で、
調理されたものだ。

夫は、急に飲み込みが悪くなり、
くちゃくちゃ噛んでいるが、なかなか飲み込まない。
常食だとかなり残してしまう。
そこで試しにムース食にしてみたら、完食。
今は栄養をきちんと摂ることが大事だと考えて、
ムース食にした。
夫は、他の人の皿にどのようなおかずがのっているのか、
まったく目に入らないようで、ムース食に何の抵抗も示さず、
黙々と食べている。
時々、私の常食のおかずを、夫に食べさせてみる。
やわらかい茄子の煮物などは食べられる。
その後、ムース食から極きざみ食に変更してもらった。

病院のムース食の内容はあまりにも貧しいものだった。
病院食の予算が低いのでやむを得ないのだが・・・
しかし、小規模多機能デイで夫に出されたムース食を
少し食べさせてもらったところ、案外、美味しかった。
常食としてちゃんと調理した料理を、とりわけて、
ミキサーにかけてつくっているからだと思う。

自宅で、夫の食事をどうするか、
馴れないムース食をどうやってつくるか、
冷凍品を宅配にするか?
そんなことをあれこれ考えたり、調べたりしていたら、
なんだか、もう、いっぱいいっぱいで・・・

排泄も今まではとは、勝手がまったく違う。
尿パッド、リハパン、夜間はテープオムツ。
半端ない量を消費する。
ゴミはぽってりと重くすぐいっぱいに。
今までは区の助成の紙おむつは、
それほと使わなくても・・・という状態だったのが
今は、助成分だけでは絶対に足りない。

急激にいろいろなことが変わり、変化についていけない。
頭がなんだか痛いと思って、血圧を測っていると
上が186、下が105 と恐ろしい数値に。
慌てて、以前もらって飲んでいなかった降圧薬(ミカルディス)を飲んだ。
こんな調子じゃ、ちゃんと毎朝ミカルディスを飲んでおかないとね。

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コメント

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おはようございます。

なんと言ったらいいのか・・・
一人でたくさんの問題を抱えておられて、数年前の私と重ね合わせてしまいます。
母もそうでしたが、母のホームでもいつのまにか歩けなくなっている方は多いです。
信頼できる介護の専門家の人はいらっしゃいませんか?
アワキビさんのお身体が心配です。

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No title

アワキビさんの旦那様も心配です。

そして何よりも、一人で頑張ってるアワキビさんが心配です。

今少し、今少し。

いろいろと、対処なさること多過ぎて、、、。
気の毒で、みておれません。

お食事の事についてですが。
離乳食のように消化良くと言う観点で申しますと特別な物でなくアワキビさんのを取り分け供することもできますよ。
お味噌汁でも・お粥でも冷凍し(仕事を持っていたので)解凍しながら出していました。バー〇ックスで何でもミキサーしますと、離乳食は咽ることなく良く食べてくれていました。
20年以上、道具健在です。フードプロセッサーでも、どうかなぁ。

血圧、のことも気懸りです。
先日の治療でムクロジも180度台に行きまして緊急入院かあ、、、(汗)。何とか無事帰宅。

一緒に、深呼吸いたしましょ。

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Mさん

コメントありがとうございます。

そうです、安全で快適なお風呂とか、美味しい食事とか、
小規模多機能に居たほうがよいことはいっぱいです。
それに何というか、他に人が居るという安心感があるのですね。
ちょっと手を貸してもらえる、声をかけてくれる人がいるというのは、気持ち的にすごく楽なもんですね。
大家族で介護していたら、きっとずいぶん違うのだと思います。
だから、私も一緒に小規模多機能にしばらく住むというのも悪くはないかも。
Mさんも、お一人でご主人を介護していらっしゃるので、きっとおわかりになりますよね。
でも、通っている小規模多機能には、認知症でお一人暮らしの人とかも結構いらっしゃるので、そういう他の人たちのことも考えると、ずっと利用するというわけにもいかないのだと思います。
もちろん、しんどくなったら、もっと、大きな声で「ヘルプ!」と言います。
そうですね、今のところ、特養とかはまったく考えていないのです。

シズコさん

こんばんは、シズコさん
数年前のシズコさんも大変だったのですね。
みんな大変なところを乗り越えて、今があるのですよね。
認知症が進んでくると、歩けなくなってきますよね。
理学療法士さんにも見てもらいながら、まだ、もう少しやれることがあるかな~と思っています。
高血圧がネックですわ~。

o さん

こんばんは♪
はい、昼寝をしたり、こまめに休むようにします。
めんどうになったら、手抜きをします。
いつもありがとうございます。

トルさん

こんばんは。
ご心配いただきありがとうございます。
夫はまだ回復の途上です。
まだ伸びしろはあると信じています。

自宅にいると一人で夫を見なければなりませんが、
小規模多機能のスタッフや訪問診療医、理学療法士さんが
一所懸命支えてくれています。
ありがたいなあ・・・と思います。

ムクロジさん

こんばんは。

昨日はいっぱいいっぱいでしたが、
今日は少し、まだ回復の途上にあるのだからと気を取り直しました。

フードプロセッサーもありますが、でかすぎ。
眠っていた小さなミキサー(コーヒー豆ひきに使っていたもの)が、少量を攪拌するのにぴったりで、使いやすいです。
ミキサーにかけるときに、とろみ剤を一緒に居れると楽です。
少しずつためしています。
常食も、まったく食べられないわけではないので、時々、少量を食べさせています。回復すれば、もっと食べられるかもしれません。
要は、意識レベルがあがらないと、食も進みません。

先日の治療で180台ですか~
痛かったのでしょうか、緊張したのでしょうか。
肩の力を抜いて、深呼吸ですよね。

あ○さん

小さい室内用の車椅子もあると思います。
でも、まだ歩行をあきらめたくないので、もうちょっと、このままでやってみます。
介護保険の点数内でレンタルするのか、あるいは、自費で買ってしまうのか、いろいろ計算をしないとなりません。
できるだけ介護保険の点数内でやりくりして、足りない部分は自費で補っていくしかないです。
要介護度の区分変更申請をするかどうかも、この1ヶ月ぐらいの夫の回復度合いを見て、考えたいと思います。

だ○さん

こんばんは♪

大変なことに・・・ですが、
だ○さんのお母様が倒れられた時のことや
現在の介護状況のほうが、もっと大変だと思うから、
「たいしたことない」んです。

ただ、住宅の状況とかが、思うにまかせないので、ずっとこの狭い空間で暮らすのか?と・・・落ち込んでしまったのです。
でも、まだ、回復途中だから・・・と信じたい。
なんとか工夫すれば、できることがあるんじゃないかって。

車椅子の人を、飛行機のタラップを腕だけで上らせた航空会社がニュースになっていましたが、「その手があったか!」ですよ。
立ち上がらなくても、階段をお尻と腕の力であがったって、いいんですね。

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プロフィール

アワキビ

Author:アワキビ
夫と2人暮らし。子どもはいません。
それに現在は猫1匹の家族。
夫、要介護5。アルツハイマー型認知症。生まれつき耳が聞こえない。
父は2018年秋に特養に入所。要介護4。毎週木曜日に実家へ介護タクシーで帰り、2泊3日。土曜日の朝、特養へ帰るという生活も、コロナ禍でずっと特養のみの生活に。特養での看取りも視野に。
母は要介護1で、認知症。弟家族と同居していたが、コロナ禍を期に、我が家に同居することに。記憶障害がだいぶ進んできていて、話したそばから忘れるが、身体は元気。

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