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なんか最近熱そうなジャンル、Jumpstyleについて。重厚でド迫力なビートを体感しよう。

こんにちは。

 

今回は最近熱そうなジャンルについて書いていこうかなと思います。と言っても、私がそう思っているだけで別に熱くないかもしれませんが、そこはまあ。

それで紹介するジャンルの名前はというと、Jumpstyleといいます。

同名のダンスステップがあるため、これをジャンルではないと思っている人もいるみたいですが、歴とした音楽ジャンルの一つです。

ちなみにJumpstyleの音楽に合わせて踏むステップがJumpstyleなので、ジャンルとステップという違いはあれどこの二つはとても密接な関係です。

 

初めに言っておきますと、今回はジャンルの関係上EDMのややこしい関係に少し触れます。なのでそういうめんどくさいのに興味がない方はいつも通り曲だけでも聴いていってください。聴くうえで必要な話でもないので。

では早速、一曲聴いてみましょう。

 

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重く歪んだ力強いキックと唸り続けるベースが曲を牽引していきます。短い故に展開の起伏はありませんが、兎に角ダークな雰囲気と重厚でド迫力なビートに圧倒されてしまいます。

複雑な要素はほとんどないのに聴いていて飽きがこないどころか、何度でも聴きたくなる。ダンスビートとしてはかなり遅いですが、気が付けば身体が揺れてしまっています。偏にそれはシンプルが故にビートがより目立つからでしょう。

 

どうでしょうか。

滅茶苦茶かっこいいですよね。これがJumpstyleです。

Jumpstyleと言えばまず特徴的なキックでしょう。

重く、力強さがありますが、硬すぎるわけではなくやや力の抜けた感じがあります。このキックが四つ打ちで鳴らされるのがJumpstyleの何よりの特徴です。

次にシンセやベースによるエンジンのように唸る音。これによってキックの迫力に拍車をかけています。BPMは大体150前後で、近年の高速化が続くダンスミュージックの中では比較的ゆったりしています。

このジャンルはよくHardstyleと混同されがちです。聴き比べると違うのは何となく解るんですけどね。

 

Hardstyleとはこんなのです。(Euphoric Hardstyleですがサブジャンルという事で)

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HardstyleはJumpstyleよりも人気のあるジャンルです。というかEDMの中でも絶大な人気を誇るジャンルの一つです。特徴としては150前後のBPM、歪みのある力強いキック、そして唸るようなシンセ。

Hardstyleはサブジャンルが多いので一概にこうとは言えませんが、今挙げた特徴は大体のHardstyle曲に共通する王道なものだと思います。

これだけ見れば全く違いが無いように思えますね。

何故ここまで似通っているのか。それを説明するために、本当にざっくりとジャンル成立の流れを説明します。

と言っても、この辺の流れに関しては諸説あり、人によって言っていることが違う事がザラにあります。音楽ジャンルでは良くあることですね。

そもそもジャンルの成立や変化には複数のジャンルの影響が同時多発的に起きたり、国ごとに別の変化をしていくものなので、「○○が起源で○○の影響を受けた」なんて一言で言い表すのは土台無理な話なのですね。

なのでここでの説明も話半分くらいに聴いておいてください。

 

Hardstyleはオランダで生まれたジャンルですが、遡っていくと同じオランダで生まれたGabbaというジャンルから始まります。当時のシーンではGabba=Hardcoreとして広まり、そこからさまざまなHardcoreサブジャンルに発展していきます。

そのサブジャンルの一つがNustyle Gabbaです。

これは高速化が進んでいたGabbaに対して、テンポを下げてみるというアプローチが用いられたジャンルです。名前の通り、当時出てきた新しいスタイルの総称でもありました。

その中から生まれたのがEarly Hardstyleです。

このEarly HardstyleはイギリスのHard House、ドイツのHard tranceと共にHard Danceとして纏められます。Hardstyleの起源をHard Danceだという人がいるのはこれが原因だと思われます。

こうして纏められたことから判るように、これらのジャンルのファンはかなり入り混じっており、ジャンルとしても影響を受けたり与えたりしていました。Hard tranceとHard Houseの影響によってついにHardstyleが誕生します。

Hardstyleは他のHardcoreサブジャンル等の影響を受けて少しづつサブジャンルへと枝分かれしていき、今のHardstyleへと繋がっていきます。

さて、肝心のJumpstyleですが、実はHardstyle誕生からそれほど立たずに誕生します。というかほぼ同時期です。

Hardstyleが生まれてから程なく、今度はChicago houseの影響を受けてオールドスクール回帰が起こります。要はよりシンプルにしようというアプローチです。これによって誕生したのがJumpstyleという訳です。

この二つのジャンルが似ているのは単純に、HardstyleからJumpstyleが分化、派生したからなのですね。

 

本当にざっくりとした説明でしたね。実際はもっと複雑な背景等ありますので、気になった方は調べてみてください。

 

少し長くなったので休憩がてらに一曲。

 

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最初の曲に比べるとダンスミュージックらしい軽やかさがありますが、ビートの勢いは全く変わりません。ただ重いだけでなく、所々で面白い音を取り入れることでビートとのギャップが生まれています。

所々に入る「ポイーン」という気の抜けたサンプリングは最初に紹介した曲でも使用されています。こういう共通点があるのも音楽の面白さの一つですね。

さて、何故わざわざジャンルの成り立ちというめんどくさい話をしたのかというと、JumpstyleとHardstyleいかに近しい存在かを知ってもらったうえで、その区別の仕方を説明したかったからです。

この二つは同じNustyle Gabbaの文脈を持っているため、基本的な特徴が似通るのは当然です。そのうえでこの二つを分けるのは回帰を受けたことによる「シンプルかどうか」という点です。

聴き比べると解るのですが、Hardstyleには曲としてしっかりとした「展開」があります。所謂ビルドアップとかドロップとかですね。

対して「シンプル」を求められているJumpstyleには展開らしい展開が少ない傾向にあります。曲自体も短いものが多いです。

あとはキックです。同じ歪んだキックですが、Hardstyleが芯のある硬さを持っているのに対してJumpstyleは少し力の抜けた音です。

ただこれは、アーティストや曲によって結構変わってしまうものなのでこれだけで判断するのは非常に難しいというかややこしいです。なので、あくまで判断材料の一つとしてみた方が良さそうです。

 

さて、色々と書いてきましたが話をメインのJumpstyleに戻しましょう。

最初にも言った通り、最近Jumpstyleが熱そうな気がしています。

根拠なんですが、ここ一年あたりに投稿されたJumpstyleの曲の再生数が非常に良く伸びているんですね。先に紹介した二曲もそうです。そして面白いのが、それらの曲のスロウバージョンがさらに伸びているという所です。

これと

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これですね。

 

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後これもそうです。

 

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あまり調べていないので理由は解りませんが、いくつか思いつく理由はあります。

・展開がシンプルなので、スロウにした際ビートの迫力がより増すから。

・Nustyle Gabbaの文脈から、さらにBPMをさげている。

・ダンス練習のためスロウバージョンが重宝されている。

 

最後なんかは絶対違う気がしますが、真相は不明です。ですがまあ、とても面白いのでそんなのはどうでもいいですね。

とりあえず、今のところはこれからの展開に期待といったところでしょうか。

 

本当は何回かに分けるつもりだったものを一緒にしたので、文字数が多くなってしまいました。

なので今回はここまで。Hardstyleについてもいつか書くかもしれません。

最後に何曲か紹介して終わりにしましょう。

 

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ゆっくりボイスから始まり、重いビートと共に浮遊感のあるシンセが展開される。所々に入る音が曲にSFチックな印象をもたらしている。

 

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Hard Dance界ではかなりの知名度を誇るScooterの一曲。Jumpstyleのステップが広まる切っ掛けとなったこの曲を紹介しないわけにはいかない。

 

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只管カッコいい。中盤まで溜めてからのド迫力のビートはかつてない程の解放感。

 

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純粋なJumpstyleというよりは、Hard Houseが混じっている感じ。でも好きなので紹介。

 

 

 

カッコいいですよねぇ、Jumpstyle。最近は聴いていませんでしたが、やはりいジャンルです。

文字数の関係で最後は駆け足でした。なのでまたいつか話題に取り上げるかもしれません。まだまだ名曲は沢山有りますので、気に入った方は自分で調べてみてください。最高のビートに出会えるはずです。