iPhoneを使った拡張現実アプリとして開発された「セカイカメラ」(開発元:頓知・)を発売よりひと足先に体験できるスペースが登場した(関連記事)。
スペインのマドリッドを本社とするレザーブランド「ロエベ」(東京・表参道)では、10月12日まで開催中の「ロエベ アマソナ展」にて、セカイカメラをインストールしたiPhone 3GSを用意して、来店したお客さんに貸し出している。
「セカイカメラ」を目の前にかざすと、iPhoneの画面には実際の店内の様子に加え、さまざまな情報が書かれた「エアタグ」が浮かび上がる。エアタグにタッチすると、ロエベの歴史や製品にまつわるストーリーを読むことができる。
室内では、Wi-Fiの電波とコンパスを使って位置情報を認識して、その場に応じたエアタグを表示するという仕組みだ。ユーザーが感想などを書き込んで、エアタグとして残すこともできる。
iPhoneユーザーでもあるロエベの平野美織さんは、「お客様の中には、店員に話しかけられるのを嫌がる方もいるので、iPhoneを使って自分の知りたい情報を自分で簡単に調べられるのはいいと思います。店員とiPhone経由でチャットするというのもあり得ますね」と語っていた。
また、「セカイカメラのエアタグは、その場にいないと見られない情報ですが、気に入った情報は『エアポケット』に入れれば、あとからご自宅でも読めます」と使い方を説明してくれた。
一方、ロエベの川口玲奈さんは、今朝、iPhoneに初めて触ったというのにも関わらず、まったく迷いなく使いこなしていた。「使い方が簡単なのは重要ですね。誰でも利用できますから」とは川口さんのコメントだ。
川口さんは、「クリスマスのように混んだ時期だと、お客様が応対に待たされてしまうこともあります。そういうときはiPhoneで商品情報を調べて、実物をその場で見て、気に入られたらiPhoneで購入手続きも済ませて自宅に配送できるようにするとか、いろいろな広がりが考えられます」と、発展性に期待しているようだ。
それなら自宅でネット通販するのと変わらないのでは? との問いには、「例えばこの製品は、手触りがとても柔らかい特別な皮を使っているのですが、手触りはネットではわかりません。ぜひご来店して触って体験していただきたいです」と、実際の店舗での体験の重要性も強調していた。

iPhoneを使うのは始めてというロエベの川口玲奈さん。革製品のブティックだけあって、みなさんレザー製の凝ったドレスを着ていらっしゃる
