iPhone用ARアプリ「セカイカメラ」の頓智・(トンチドット)が、新ビジョン始動をうたう記者発表会を同社新オフィスにて開催。ゲームプラットホームとして「セカイカメラ」を展開することや、初のARによるオンラインRPG「セカイユウシャ」の情報が公開された。
「セカイカメラ」新機能情報を公開
発表会において頓智・の井口尊仁CEOがまず話したのが、「セカイカメラ」のキャッチフレーズであった「Tagging The World」(世界にタグづけ)を「Beyond Realty」(現実を超えて)に変更したこと。またセカイカメラの最新アップデート情報を紹介した。
新バージョンでは、エアタグ投稿時にGoogle Mapで位置情報を直せる「位置情報の修正機能」、「セカイカメラ」を立ち上げなくともiPhoneのメニューでセカイワールドの更新が分かる「ノーティフィケーション」機能、エアタグと背景写真が撮影できる「エアショット」機能を追加したほか、インターフェースも改善。さらに同社が今後のキーとする「セカイアプリ」が公開された。
「セカイアプリ」第1弾としては、すでにARを使った爆弾解除ゲーム「ばくはつカブーン!」がリリースされている。まだプロトタイプのアプリながら、世界で2万個以上のボムが設置され遊ばれているそうだ。頓智・では、様々なサードパーティーやクリエーターが作ったゲームを今後実装していくという。また「Flower Generation」、「Coo Koo」といったゲームも紹介された。
「セカイカメラ」をゲームプラットホームとして展開
さらに、ARを使ったソーシャルゲームのプラットホームとして「セカイカメラ」を展開することが発表された。頓智・は、モバイルソーシャルゲームを「1番目の波」と見なし、2番目がロケーションゲーム、そして「セカイカメラ」が目指すのは3番目の波「ソーシャルロケーションAR」とした。ソーシャルロケーションARでは、ARを活用しつつ、同時にユーザーが存在する場所次第でプレー状況が変わっていくという。この新しいアプリの概念を、頓智・は「SoLAR」(Social+Location+AR)と名づけ、ARならではの体験で人とコミュニケーションをとりながら楽しめるアプリを目指していく。
今後頓智・では「SoLAR」ゲームのAPIを拡充し、サードパーティの参入を促進していくという。セカイカメラをプラットフォームとして、様々なゲームにアクセスできるようにしていきたいとした。
ARベースのオンラインRPG「セカイユウシャ」
また「セカイアプリ」最新ゲームとして公開されたのが、初のARによるオンラインRPG「セカイユウシャ」(現在α版、近日リリース予定)だ。
開発担当のアンビション 奥村大輔氏によると、「セカイユウシャ」の位置づけは「AR」+「RPG」=「ARPG」だという。ゲームプレーヤーは、アバター作成とともに戦士/魔法使い/僧侶の中から職業を選び、「セカイカメラ」にARで映るゲーム世界で冒険することになる。
ゲーム中ではモンスターとのバトルが発生し、現実世界を歩いた分だけ王様からほうびがもらえることになる。モンスターは日本全国のさまざまな場所に存在し、その土地しか出ないレアな敵も出てくるとのこと。また隠された宝や謎も配置されるほか、地域ごとに「メダル」がもらえるようにする。
またユーザー向けのコミュニケーション機能も搭載。全国505ヵ所に勇者が集まる酒場が設けられ、仲間を募ることができる。ユーザー同士の会話ツールとしてはTwitterクライアント(コミュニケーションツール「ゆうしゃったー」)を採用しており、酒場で仲良くなったプレーヤーとコミュニケーションをとりながらモンスターを倒すという楽しみも味わえる。