注目のWaveは
やっぱり凄かった
速報で、そのインパクトをお伝えしたGoogle Waveについても、もう少し詳しく見ていきたい。既に各所で紹介されているWaveは既存のメールとの比較で捉えると、如何にコミュニケーションを効率化できるかが理解できると筆者は考えている。
従来の電子メール | Google Wave |
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メール文面を作成 | ●リアルタイムのコミュニケーションが可能 ●返信も元の文面の必要な個所に直接挿入。結果は即座に相手のWaveに反映される ●オフラインで作業しても、Google Gearsでオンラインになった際同期される。 |
必要に応じてファイルを添付 | |
送信し、返信を待つ | |
必要に応じ、元の文章を引用し返信文面を書く | |
送信し、返信を待つ |
「メールの返事が来ない」というストレスを1日に何回感じたことがあるだろうか? 私もこの原稿を書いている間は、メールのやり取りは止まっている状態だ。TwitterやWikiが一般的になったWebの世界にあって、メールだけが非同期な状態に取り残されている。また、長文のメールに返信する際、「あるトピックスについて言及したつもりが、別の意味に取られてしまい、険悪な雰囲気に」ということも経験があるはずだ。返信・転送を重ねる間に、編集作業がとても煩雑になるのもメールの欠点だと言えるだろう。
Google WaveはHTML5をフル活用したその技術もさることながら、ビジネスコミュニケーションに与える生産性の向上効果は極めて高いと考えられる。
Androidケータイ、いまだ手元になし!
冒頭で述べたように、開発者向けのイベントだが、ビジネスに与えるインパクトも相当あると実感できる内容でもあった。検索連動広告からはじまり、Gmail、Google Documentsなど様々なイノベーションを起こしてきたGoogleが、この先もそれを率先していくことは間違いない。Webサービスを生業とするならばもちろん、ビジネスツールとしてのWebもまだもう一段の進化が控えていることを心に留めておいて損はないだろう。
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そして最後に報告しなければならない、プレス関係者向けのAndroid端末だが、まだなんと手元にない!(関連記事) 基調講演の後に予定されていた記者会見に参加後、直ぐに会場を離れてしまい、Googleさんまで取りに行かなければならないことになってしまった。GDD2009に参加した開発者の皆さんが今頃弄り倒していることを想像すると、本当に落ち着かない気持ちだが、手元に届き次第、またその魅力などもお伝えしていきたいと思う。
著者紹介:松本淳

松本氏写真
ネットベンチャー・出版社・広告代理店等を経て、現在、東京大学大学院情報学環修士課程在籍。ネットコミュニティやデジタルコンテンツのビジネス展開を研究しながら、デジタル方面の取材・コラム執筆、映像コンテンツのプロデュース支援活動を行なっている。米PMI認定PMP・デジタルハリウッド大学院デジタルコンテンツマネジメント修士。
