公共の福祉とリベラル(1)

憲法は、基本的人権を「侵すことのできない永久の権利」として保障しています。このことを規定した憲法11条を引用しておきますので、確認してください。

11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

もっとも、基本的人権も一切の制約を受けないというわけではありません。人間が社会の中で生きるものである以上、他者の人権との関係等によって制約を受けることもあります。そうした制約を論じる際に出てくるのが、「公共の福祉」ということばです。 

憲法の条文上、「公共の福祉」という文言が用いられるのは以下の4か所です。これらも引用しておきますので確認してください。 

12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

22条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

○2 (略)

29条 (略)

○2 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。

○3 (略)

(続く)