熊本県在住の女性漫画家・四方寄(よもぎ)めくる。
高校在学中に商業連載デビューし順風満帆なキャリアのスタートだったが、初連載は2巻で打ち切り。
その後も連載の打ち切りと連載会議のボツの連続で自信を失い、担当編集の「自分の好きを掘り起こして」というアドバイスにも煮詰まり、次回作の構想にも難航していた。
「海のバカヤロー」と叫びに行った港で周囲に流されて乗ったフェリーの着いた先は長崎県・島原。
ならばいっそのこと長崎市内の諏訪神社で漫画への未練を断ち切ろうと思った矢先、旅行誌の取材にきていた女性カメラマンにナンパされて、モデル兼移動手段として島原市内の観光地取材撮影に付き合わされることに。
彼女との会話でもう少しだけ漫画を頑張ろうと思っためくるは、その経験をネームにしたところ、連載会議を突破。
熊本を中心にした九州各地の観光地を愛車のスズキ・アルトとともに巡る、ドライブ漫画の連載が始まることになった…
ja.wikipedia.org
という、限りなく実録チックな…ジャンルはなんでしょね、「旅漫画」、「ドライブ漫画」、兼「漫画家漫画」。
自分は隣県の鹿児島県出身の、隣県の宮崎県住みで、作中に登場する阿蘇もドライブでよく行くので、とても親近感。
youtu.be
今巻で登場した長崎・大分もドライブの射程圏なので、登場した観光地や食事処も聖地巡礼がてらのドライブのガイドブックとして、とても参考になりますw
あとアレですね。
自分の「好き」と「ルーツ」を知る、という。
めくるの漫画のネタ探しで当初「ドライブ好き」が出てこなかったように、車の運転の楽しさや景色の美しさって、言語化しにくい(絵や写真や映像で見た方がわかりやすい、現地で体験したほうがわかりやすい)ので、言葉で箇条書きで書き出そうとしても見落とされがちなんですよね。
漫画家としてのネタ出しや「好き探し」に限らず、自分が自覚してない「好き」って実はいっぱいあって、自分の人生を彩ってくれてるんだろうな、と。
あと「地元観光」って良いですよね。
作中で言及ある通り「観光地としての地元」って意外と知らないし、あと自分はもうおじさんなんで
「自分のルーツとしての地元」
「自分を形作った環境としての地元(故郷・現住地の両方)」
に年々興味が強くなってきてるのを感じていて、そこに刺さってくる漫画。
絵も可愛いし、アルト愛・地元愛に溢れていて、人との縁・風土への感動など「小旅行の旅情・非日常感」の描写にとても共感してしまいます。
次巻は来年の初夏とのことで楽しみなのと、前作も熊本を舞台にしたドライブ漫画だったとのことで、
そちらも読んでみようと思います。
阿蘇はいいよにゃー。
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