断捨離

昔から僕は物を捨てるのが苦手だった。

もう使うことはないようなものも、なぜかとっておこうとする。

頭ではわかっている。

そんなものとっておいたところで、、、

決して訪れることのない”もしも”の時のためにとっておこうとする。

損得の計算をしたら損だと思う。

場所をとるだけで邪魔でしかない、挙げ句あったことすら忘れてしまう。

そのくせ大事なものほど無くしがちだからやっていられない。

 

さてこの度引っ越しをしようと思い立った。

我ながら不思議な性格で思い立ったら優柔不断なくせに先のことを深く思慮せずに行動してしまう。

ネットである程度条件を選んで物件を探し、結局内見もせず決めてしまった。

引っ越しと言っても今のところからそう離れていない。

同じ市内、どころか車で行けば十分とかそこらで着ける。

気分転換といってもいいような。

さすがに手狭になってきた今のアパート。かれこれ八年ぐらい過ごしただろうか。

奨学金の返済も残一括で終わらせたこともあり、もう少し家賃に割り当てる額を増やしてもよかろう、なにより狭いことを理由に散らかしている今の環境を変えたいという欲求もあった。

物件を決めてしまったはいいものの、内見していないものだから家具の新調通ってもうかつにはできない。

実際の大きさがわからないのだ。

写真は全体的に広角レンズで撮っているし、実物をみたら思いのほか幅が取れなかったり、高さが足りなかったりということが容易に想像できるからだ。

今は家具のサイトを見てはこれがよかろうかと夢想して過ごしている。

いや、それどころではない。

肝心の片づけができていない。

この際色々捨ててしまおう。

ソファももうたわみがひどいことになっているし、ベッド一度何かの理由があって解体したきりそのままになってしまっている。もはや理由は思い出すこともできない。

やたら幅をとっているこたつテーブルもこの際サヨナラにしよう。

本棚は新調したいが、すでに収まりきらない本が溢れているので引き継ぐか、、、

そしてなにより、デスクを買おう。

家で執筆できるスペースを設けよう。

これが一番欲しかったのかもしれない。

いっそデスクトップPCでも買うか、、、

 

妄想は楽しい。

こんな散財していいのだろうか。

将来の僕は今の僕を赦してくれるだろうか。

 

 

Â