日岡なつみ、倉持若菜ら声優とプロデューサーが研修生の疑問に一問一答! 声優に求められる能力とは?【座談会インタビュー】 | アニメ!アニメ!

日岡なつみ、倉持若菜ら声優とプロデューサーが研修生の疑問に一問一答! 声優に求められる能力とは?【座談会インタビュー】

川澄綾子さんや能登麻美子さん、花澤香菜さんを育てた元大沢事務所のマネージャー松岡超氏が立ち上げた声優事務所、フルパワープロダクションが2年目を迎え、今回はクレアボイス、ぷろだくしょんバオバブと合同で、新たな人材育成オーディションを開催する。

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川澄綾子さんや能登麻美子さん、花澤香菜さんを育てた元大沢事務所のマネージャー松岡超氏が立ち上げた声優事務所、フルパワープロダクションが2年目を迎え、今回はクレアボイスぷろだくしょんバオバブと合同で、新たな人材育成オーディションを開催する。

今や人気職業となった声優。しかし、成功できるのは一握り。そこで、実際に声優として活躍するために必要なことは何か、プロの声優とプロデューサー、1年目のオーディションを勝ち抜き養成所に通う研修生を交えて座談会を開催して話し合ってもらった。

参加してくれたのは、『デリシャスパーティ♡プリキュア』などで知られる日岡なつみさん、『死神坊ちゃんと黒メイド』の倉持若菜さんJ.C.STAFFのプロデューサー松倉友二さん、養成所から馬飼野若奈さん、松村柚芽さん、坂東綾音さん

[文=杉本穂高 撮影=You Ishii]

■40回のレッスンより1回の現場

――せっかくプロのお2人に来ていただいていますから、研修生から質問してもらうのがいいかもしれないですね。

松倉:そうですね。自分はプロデューサーの立場から言えることはあるけど、わからないこともいろいろあるし、どんどん聞いていきましょう。

馬飼野:現場に出るようになって、ご自身の中で変わった部分や気付いたことなどがあったら教えていただきたいです。

倉持:養成所にも上手な人はたくさんいたんですけど、現場に出るとさらに格が違う人だらけなんですね。立ち回りも、声の圧もまったくレベルが違うので、40回のレッスンと1回の現場なら、1回の現場のほうが学べることが多いなと思いました。

松倉:倉持くんは、『死神坊ちゃんと黒メイド』という、うちの作品で初めてオーディションを勝ったんだよね。あのときは相手役の神谷浩史さんをはじめ、周りがすごかったね。

倉持:そうなんです。神谷浩史さんや花江夏樹さん、水瀬いのりさんや大塚芳忠さんなどすごい人ばかりで、皆さん指示通りにしながら、さらにおもしろいものを引き出してくるので、現場で学ぶものは本当に大きいです。私なんて、きちんと指示通りにすらできなくて、変な方向にいってしまって……。

松倉:でも、だんだんできるようになっていったよね。その途中経過でどんなことをやったの?

倉持:常に先輩方のお芝居を見て、細かく全部メモしていました。体がまったく動かない人もいるし、つま先でリズムを取りながらお芝居する人もいる、ボールドが長いときに、この人はこういうスピードでお芝居するのかとか、そうやって観察したものを自分でも試していました。さらに、放送時にそのお芝居を見て、こういう感情を表現するためにこうしていたんだなと一つひとつ確認していましたね。

日岡:最初の頃は、マイクが怖くて高く見えるんですよね。ベテランの皆さんが見ている中でセリフを喋るだけでもすごく震えていました。新人のときは、台本を何百回と読み込んで、型にはめて現場に行っていたんですが、そうすると、自分の芝居だけで精一杯になってしまい、ほかの方のお芝居が聞こえなくなってしまうんです。それではダメで、80%くらいで準備して、あとは現場の雰囲気や掛け合いの中で作っていくようになれることが大切ですね。そういう余裕ができてくるとマイクも怖くなくなるし、芝居するのが楽しくなってきました。

馬飼野:フルパワープロダクションのレッスンでも掛け合いが多くて、事前に固めていったら、おっしゃるとおり仲良さそうな芝居にならなかったりとか、空気感が上手く作れませんでした。

松倉:芝居の前後の流れを把握した上で、会話している空気感をちゃんと掴むのは重要だね。倉持くんも最初できてなかったよね、100%作ってきちゃうから。

倉持:ほんとに松倉さんには顔向けできません! 『死神坊ちゃんと黒メイド』1期の頃は、自分が下手なことわかってるから、固めていっちゃったんですよ。私が尊敬している声優の方は、台本を2回しか読まないそうで……私にはとてもそこまではできないですけど、お芝居を固めすぎないほうが臨機応変に変えていけることがわかってきました。

松倉:倉持くんには、空気を読まない女の子のキャラクターをやってもらったんです。拙くはあったけど、ちゃんとキャラには合っていた。そのあたりがキャスティングのおもしろいとこでもあって、必ずしも演技を100%やることが正解ではなく、要はキャラになることが大事です。その後、どんどんキャラクターにハマっていったのが見えてきて、成長しているなと思っていました。

■先輩に助けられることは必ずある

松村:毎日のルーティンや、現場に行く前に必ずやることなどはありますか?

倉持:私はYoutubeにある10分間くらいのボイストレーニング動画の内容を最低2本ほどやって現場に行くようにしています。一言だけの役でも必ずやります。あと、簡単なストレッチもやって背筋を伸ばすようにしていますね。

日岡:私はお仕事に行く前、絶対にシャワーを浴びています。そのほうが全身ほぐれて声が出る感じがするので。お風呂場で発声練習するときもありますね。発声練習しないと喉が開かないですし。

松倉:油断したベテランの人でも朝、全然声出てない人いるからね(笑)。

日岡:でも、そういう状態でもいいパフォーマンスできるからさすがプロだなって思います。私には無理なので、きちんとケアしてから行くようにしてます。

ベテランの方に助けられることは、現場に出たら必ずあると思います。私も初めて主演やらせていただいた作品も、私だけが新人で周りはベテランの方ばかりでした。ディレクションの理解できていない部分をかみ砕いて説明してくださったり、私が上手くできなくて居残りだったところ、付き合って残ってくださったりとか、たくさん支えてもらいました。最初の頃はそういう優しさにも甘えていいし、自分が先輩になったときに、若い子に同じようにしてあげればいいと思います。

松倉:昔は、意図的にベテランが新人を世話できるような組み方をすることもあったんですけどね。最近は、若手が主要キャストで組んでしまうことも多いので、そういう教わり方ができないことも多いかもね。


《杉本穂高》
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