新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
2022年も検索エンジン、SEOまわりではさまざまなニュースがありました。
個人的には、ホスト貸し(寄生サイト)にまわりについて多く取り上げてきましたが、
それ以外でもコアアップデート、ヘルプフルコンテンツアップデート、スパムアップデートなどなど数多くのアップデートがありましたし検索UIにおいても多くの変化がありました。
さて、2022年になってすぐ1年を予想する記事を書きました。
結果としてはとても微妙な感じになってしまいましたが今年も恒例行事として今年1年の検索エンジン、SEOを予想していきたいと思います。
ホスト貸しがいい加減終わる
昨年、ホスト貸しに警鐘を鳴らす記事を書きました。すでにいくつかの寄生サイトの下落が見られますし、貸し手もランクダウンしているような傾向が見られています。
GoogleもHost Lendingと呼んで警戒を強めています。
昨年の終盤にGoogleのGary Illyes氏と話す機会が2回ほどありました。
そこでこのHost Lendingについて状況を確認しました。
そこでは
「Host Lendingはスパムである」
「Host Lendingにはマニュアルアクションを行っている」
「マニュアルアクションしたものを機械学習していく」
「Host Lendingはどんどんスパムとして通報してほしい」
とのことでした。
もちろんすべての人がホスト貸し憎しというわけでもないと思いが、ホスト貸しによって公平なSEOができなくなっていると考えている人は、どんどん通報していただきたいと思います。
その量によって、どれだけ学習できるかがきまるはずです。
多くの人が地道に通報を行っていけば今年中にはある程度ホスト貸しは上位表示できなくなっていくのではないかと思います。
(まだマニュアルアクションに依るところは大きいと思いますが)
アルゴリズムの一層のAI化
JADEの長山さんの記事に書かれれていましたが、GoogleはAIファーストにおいて遅れをとっていたとのことです。
確かにSMX AdvancedでもそのあたりはMicrosoftに挑発?されていたような気がしますね。
遅れをとったとは言えそこはさすがにGoogleであり爆速で巻き返してきたと言えると思います。
かつてWeb担の記事でも品質評価であったりユーザー行動であったりをなんらかの判断材料として使っていることをGoogle自らが示唆していますが、BERTなどのモデルを使用することによって学習できる速度や量、精度はかつてに比べて圧倒的に進化していると思われます。
先述のスパムの通報から学習して最終的に機械的に処理する部分もそうですし、先日シンガポールで行われたSearch Central Liveで出てきた「Crawling Selection」つまりは、クロールするかどうかをURL等から事前判断する部分についても機械学習がベースになっていると考えられます。
Crawling Selectionは当然それ以前にそれぞれのURLパターンごとのコンテンツ品質を学習して予測したうえで行うわけですから、コンテンツの良し悪しを判断しているとも言えます。
このあたりは私が担当しているアメブロでもある程度行っておりユーザー評価テストの結果を学習したアルゴリズムによって特に高い評価を得たものが優先的にクローリングされるようにしています。
我々でもある程度このような仕組みを作れるくらいなので、Googleであれば圧倒的に高レベルな品質判定ができると思います。
すでに完成形は近いのかもしれませんが、「人が本当に良いと思うものが上がる」という世界により一層近づくのではないでしょうか?
すでにただ長い(文字数が多い)だけのコンテンツは上がらなくなっていますし、これからは「◯◯なものがあがる」というように言葉で表現することが難しくなる「なんか良いものがあがっているな」というものになるのかもしれません。
本当の意味で上質なコンテンツ、サービスだけが勝つという世界に徐々に近づいているということは間違いないのではないでしょうか?
なおユーザー評価テストを行なった結果とランキングの関係性はこのような形になっています。
左がinformationalクエリ、右がtransactionalクエリです。
Y軸はランクで数字が小さい(ランクは高い)ほうが下になります。
X軸はユーザー評価で数字が大きいものが評価が高くなります。
このようにランクとユーザー評価はすでにある程度一致していると考えられます。
MUMの本格導入
AI化につながる部分ですが、実は昨年もっとMUMの導入が進むと思っていたのですが特に進捗はなかったように思います。
現時点でMUMを導入していることが発表されているのはコロナ関連くらいでしょうか?
MUMの特徴はなんと言っても日本語を含む75言語でトレーニングされているということでしょう。
プロダクトレビューアップデートは日本語には導入されていませんが、MUMが導入されれば多くのアップデート(今後は「システム」と呼ばれる)に言語の垣根がなくなるかもしれません。
MUMの導入がなかなか進まない背景は分かりませんが、BERTの1000倍強力なモデルであることを考えると毒にも薬にもなるのかもしれません。
結果として慎重にならざるを得ないのかと。
それだけ検索結果に大きな影響をおよぼしかねないのかもしれません。
昨今のGoogleの動きを見ていると、検索結果をがらっと大変動させることを好んでいないように思います。
これは当然ウェブマスターやSEOsに配慮しているわけではなく検索者への配慮でしょう。
いつも検索して出てきたものが出なくなったというように準指名検索のようなものの変動を抑えたいのではないかと思います。MUMという強力なモデルを安易に入れることで検索者が混乱するのを防ぎたいのではないかと考えています。
とは言え、言語の垣根がないことであったりBERTよりも圧倒的に強力なモデルであったりととんでもなく魅力があるものであり、その実績はコロナ関連情報でも示すことができていると思いますので、そろそろ導入されてもおかしくないのではないでしょうか?
なお、MUMが導入されてどんな変化が起こるのか?はもちろん分かりませんが前述のように「本当に人が良いと思うものが上がる」という世界に近づくのではないかと思います。
GA4に四苦八苦する
私自身がこれです。もともと解析分野は得意ではないもので・・・。
なんだかんだでユーザー行動はSEOにおいて大事だと思います。
それも単純に滞在時間が長ければ良いとかPV数が多ければ良いとかではなく、”目的別に理想的な行動がとられているか?”が重要であると考えます。
それを考えるとGA4に慣れ親しんでおかなければならないのですが・・・。
まあ、私は常時「チーム戦」なので誰かに任せてしまう可能性もあります笑
とにかく頑張りましょう。
SEO界隈の育成や世代交代が活発になる
これは正直言って、私の個人的な目標になります。
ただ、SEOの業界はどこかがはじめると追随する癖がありますので笑
これまでSEO業界はお世辞にも育成のうまい業界ではなかったと思います。
私自身育成は大の苦手でした。
それが2022年にはじめて育成に手応えを掴むことができました。
今年は多くのメンバーを育成して組織として成長させるとともにいつ何があっても大丈夫なように、世代交代ができるように準備していこうと思います。
弊社としては複数人の若手のエース級を育成する予定でいます。
各社育成には課題を持っていると思いますので、切磋琢磨していけたら良いですね!
以上方向性も深さもバラバラの内容をつらつらと書きましたが、個人の勝手な予想ですのでお許しください。
この予想があたってもあたらなくても2023年が皆様にとって良いお年となりますように。
2023年も検索エンジンをGoogleをSEOを楽しんで参りましょう!