Solas ”Shamrock City” (2013) の ”No Forgotten Man”

 Solas ”Shamrock City” (2013) の ”No Forgotten Man”。

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 ライナーノートとして五十嵐正氏の訳があるが、以下、拙訳。

(拙訳)

カリフォルニアの森からオハイオの土手まで
神が与えた日々を懸命に働いてきた
けれども私も作物も失敗し、あの狼が玄関先にやってきた
テーブルに食べ物を置くことすらできなかった

さあ、立ち上がれ、お前ももう大人だ
そう言って彼らはヘルメットをかぶせ、シャベルを手渡した
「今こそ立ち上がるときだ、お前の家族がお前を必要としている」と言いながら
俺たちは懸命に貯めようとしたけど、連中は言うんだ、「その金じゃ何にもならない」
「お前を食べさせるには十分じゃない」と
そして連中は「そんなことは起きなかった」と言うんだ、ただ否定できるからさ

だから奴らは俺たちの生活を奪い、ピカピカの靴で俺たちを蹴り倒すんだ
神様もご存じだろう、夢の代償を俺たちが払わされてきたことを
それで連中は、俺たちを最後まで所有すると言い出すつもりらしい
誰か祈ったほうがいい、運が正義を意味するようにってな
だが俺は、けっして忘れ去られる男にはならない

彼らはヘルメットをかぶせ、銃を手渡した
「今こそ立ち上がるときだ、国がお前を必要としている」と言いながら
彼らは俺たちを虐殺のように扱い、全員を地獄行きの船に乗せた
「お前を殺さなかったものが、お前を自由にするだろう」と言って
できるなら、そんなことは起こらなかったというふりをしてくれ

けれども俺は殺人に手を貸して、戦争の片棒をかついだ
リーダーのために俺が血を流したことは神が知っている
そして、いまや俺の敵が味方だとお前は言おうとしている
自由がある限り、彼らは祈ろうとするだけだ
だが俺は、けっして忘れ去られる男にはならない

最近、俺は知らない町を車で巡っている
「誰もお前を必要としていないから、先へ進むべきだ」と彼らは言うだろう
ショットグラスには慈悲なんてなく、ボトルの中には責任転嫁だけだ
自分のやったことを叫んでも、誰もお前の言葉を信じてはくれない

いいだろ、小銭をめぐんでくれよ
俺には物語しかなく、頼れる家族もいない
感情を支える写真も持っていないんだ
でも、お前が話そうとしている内容が真実を曲げるには重すぎる
そして、自由について語られすぎているのかもしれない

だから俺は、けっして忘れ去られる男にはならない
ひとりの男の鎖は、別の奴の自由になるから
だから俺は、けっして忘れ去られる男にはならない
ひとりの男の鎖は、別の奴の自由になるから
だからお前も、けっして忘れ去られる男にはならない

Solas ”Shamrock City” (2013) の ”Am I Born To Die”

 Solas ”Shamrock City” (2013) の ”Am I Born To DIe”。

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 ライナーノートとして五十嵐正氏の訳があるが、以下、拙訳。

(拙訳)

そして私は死ぬ運命にあるのか
この身体を地に横たえるために
そして、震える魂は飛び立たねばならないのか
未知の世界へと

暗い影の地
人間の理解を超えた場所
死者の恐ろしい領域
すべてが忘却された場所

まもなく私はこの地上を去り
私はいったいどうなるのか
永遠の至福か、それとも苦悩か

やがて、わたしの一部が
トランペットの音で目覚め
わたしは自分の墓から立ち上がるだろう

栄光に包まれた審判者が目に映り
炎に包まれた天が広がる

 栄光に包まれた審判者が目に映り
炎に包まれた天が広がる

Solas ”Shamrock City” (2013) の ”Labour Song”(労働の歌)

 Solas ”Shamrock City” (2013) の ”Labour Song”。

 ゲスト出演としてスコットランドの ディック・ゴーン (Dick Gaughan) にリードをとらせている。ディック・ゴーンは、1990年代にアイリッシュ・ミュージックを聞き込んでいたときに、スコットランド出身歌手にも興味をもった、そのうちの一人で、ディック・ゴーンは、思想的で、進歩的な歌手というイメージをもったため、CDも3枚*1買い求めたことがあった。

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So together we must stand, boys, divided we will fall.
No more we’ll go below boys, let's heed the union’s call.
Throw down your picks and shovels until we’ve had our say,
For our lives are worth far more than four lousy bucks a day. (from Solas "Labour Song")

 ディック・ゴーンの力強いうたごえ。"For our lives are worth far more than four lousy bucks a day"(というのは、俺たちの生命は1日4ドルなんてはした金よりずっと価値があるんだ)が耳に残る。

 ライナーノートとして五十嵐正氏の訳があるが、以下、拙訳。

(拙訳)

地下で粉骨砕身の雄々しい炭鉱夫よ、集え
首を危険にさらして、日々、危険だらけ
当たり前とばかりに命は軽く扱われ、わずかな給料しか払われない
俺たちのベルトはますますきつくなり、子供たちの姿はやせ細っていく*2

いっしょに立ち上がるんだ、仲間たち、不団結ならば負けるだけ
もう地下には潜らないぞ、組合の呼び声に耳を傾けよう
シャベルを地面に叩きつけろ、仲間たち、俺たちの声を聞かせるために
俺たちの命は、1日4ドルなんて安っぽいカネより、ずっと重いんだ

炭鉱夫たちは今日も日がな一日働き
買収された裁判官たちは未払い賃金を合法化する
家のローンや子どもたちに不可欠なものには関心もない
町の権力者たちと結託し、欲望に屈している

挑発に乗ってはだめだ
ただ身構えて耐える準備をしろ
過酷な労働のための許可証なんて必要ない
俺たちが町に金をもたらしているのだから、正当な報酬を得るべきだ
昼夜問わず働く者こそが、威厳を保つ資格があるんだ

俺たちは、1917年の火災*3で命を落とした仲間たちのために闘う
会社が無関心を装っている間に、彼らはまるでガソリンのように燃え上がった
死を待ちながら、気力は極限まで削り取られていき
ドアのない支え壁のそばで、死体は山のように積み上げられた

だからお前は、とうとう命を落とすときに、連中がお前の命の価値を認めてくれると思っているんだな
無数の日々を血を流し、搾取され、全力を尽くしてきたというのに
いつの日か、お前の未来さえ、コストとして耐えられないものと見なされ
お前を運び出し、棺桶に詰めるために

さて、防衛会議という狼を信じるな
連中の愛国心は歪み、忠誠心は曲がっている
アメリカという鷲の陰で、連中はお前と俺をブラックリストに載せるだろう
家族を愛しているからといって、国を愛していないと言うのさ

だからお前たちが正義を求めるとき、驚くには当たらない
奴らがお前たちを裏切り者や隠れ共産主義者だとレッテルを貼るのは当然だ
奴らはお前をジプシーだとかカイザーのドイツの手先だと言うだろう
その間に、われわれの仲間が弾丸を飲み込んでいるから、俺たちの子どもたちが自由でいられるのさ

だから俺たちは組合を固め、ストライキで職場を閉じる必要がある
会社のスーツ姿のやつらや、上層部の銅鉱山関係者と闘うんだ
なぜなら連中はウォール街の株価に目を光らせているからだ
俺たちの叫びなんて馬の耳に念仏で、見張る者は死んだも同然だ

いっしょに立ち上がるんだ、仲間たち、不団結ならば負けるだけ
もう地下には潜らないぞ、組合の呼び声に耳を傾けよう
ピックとシャベルを地面に叩きつけろ、仲間たち、俺たちの声を届けるために

俺たちの命は、1日4ドルなんて安っぽいカネより、ずっと重いんだ

俺たちの命は、1日4ドルなんて安っぽいカネより、ずっと重いんだ

俺たちの命は、1日4ドルなんて安っぽいカネより、ずっと重いんだ

俺たちの命は、1日4ドルなんて安っぽいカネより、ずっと重いんだ

*1:"Handful Of Earth", "+Sail On" "A Different Kind of Love Song"。

*2:原文は"our belts are getting longer" で、「俺たちのベルトはだんだん伸びていく」と訳せるが、ChatGPTに尋ねてみると、この belt は、「仕事や生活の「負担」や「重さ」を象徴」しているという。一方、ライナーノーツでは、このベルトを「安全ベルト」と解釈している。

*3:168名の炭鉱夫が窒息死などで亡くなった事故のこと。Speculator Mine disaster - Wikipedia。

Solas ”Shamrock City” (2013) の ”Arbor Day”(植樹祭)

 Solas ”Shamrock City” (2013) の ”Arbor Day”。

 ゲスト・シンガーにイーフォー・ドノヴァン (Aoife O'Donovan)を迎えてのパフォーマンス。

 "Arbor Day" とは、植樹祭ということ。このなかで歌われる Columbia Gardens とは、モンタナ州はビュートにあった遊園地のこと。モンタナ州の唯一の遊園地として銅鉱山景気で1899年に立ちあがったが、1973年に閉鎖となったという*1。歌は、植樹祭そのものではないが、植樹祭の日に子どもたちが無料で楽しめた遊園地の催し物と母子の家族を描いている。

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 ライナーノートとして五十嵐正氏の訳があるが、以下、拙訳。

(拙訳)

さあ、急ぎましょう、ママ
最後のところまでお祈りを言える時間あるかな
父さんのリボンをほどいて
私の髪を結うのに使っていい
時間がとてもゆっくり過ぎていく
まるで一日が一年のように感じる
コロンビアガーデンズへ
さあ、急ごう!

そこではメリーゴーラウンドが回り、
すてきな音楽に合わせて踊り出す
足元の芝生の奇妙な感触に
私たちは微笑みを浮かべる

背が高くてハンサムなミード*2の少年たちが
湖に飛び込み、
冬の白鳥たちが
彼らのつくるさざ波に乗って揺れる

コロンビアガーデンズでは
赤いベルベットの豪華な馬車が待っている
私を連れ去り、夢の国へと運んでくれる
そこには王子様がいて、
一日だけ私はプリンセスになるのよ
子どもたちは無料で楽しめる、
6月の植樹祭の日には。

(拙訳)

お母さんが1枚の硬貨を
私の手に握らせてくれるといいな
キャンディ屋さんのおじさんに渡すために
観覧車の上に来ると、
世界がとっても小さく見える
怖がらなくていいよ、ママ
絶対に落ちたりしないから

コロンビアガーデンズでは

赤いベルベットの豪華な馬車が待ってくれていて

魔法の世界に連れてってくれる

豊かで優しい願いがかなえられ
時間は止まったかのように、
6月の植樹祭の日に

(拙訳)

ああ、落ち着いて、かわいいメアリー
また息が切れているわね
誇らしげに歩くクジャクを追いかけないで
クジャクって、誇り高い男たちみたいね
こっちに来て、緑の天蓋の下で横になりなさい
噴水が歌うように
甘いメロディーを奏でてる

わたしを誇りに思ってくれるといいな、ママ
ドレスをありがとう
そして劇のために王冠を作ってくれてありがとう
コンテストの女王になるわ
今年は選ばれるかもしれない
パパがここにいてくれたらいいのに

植樹祭を見に

*1:Columbia Gardens (amusement park) - Wikipedia

*2:おそらく、地名か家名だと思うが、この Meade がよくわからない。

Solas ”Shamrock City” (2013) の ”Lay Your Money Down”

 Solas ”Shamrock City” (2013) の ”Lay Your Money Down”。

 ゲスト・シンガーにリアノン・ギデンズ (Rhiannon Giddens)を迎えてのパフォーマンス。

 "lay your money down" とは、賭博で金を賭けろということ。

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 ライナーノートとして五十嵐正氏の訳があるが、以下、拙訳。

(拙訳)

明かりに惹かれて、ろうそくに近づく蛾のように

彼女は漆黒の中に輝くダイヤモンド、奴らが言うには、彼女はシャムロック・シティの夜そのものだ
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ、おまえらの鐘楼の輝きは色あせていく
ワイオミング通りを下り、クリッパー・シェードへ向かうたびに

(拙訳)

ここじゃ酒は店もち、街で一番よい取引き

持ち帰りはダメだよ、だからカネを賭けなさい

1ドルで入場できまっせ、巧妙な手品の手に触れるために

シャムロック・シティの夜は、幸運の淑女が各テーブルにおりますんで

(拙訳)

大きく賭けているなら注意しな、転落は手痛いものだから
ろくでなしのカラハンは、ここで全財産を失ったと思ってる
ここじゃクイーンがジャックに勝つなんてことはない、そんな町なんだ
さあ赤にする?黒にする? ただカネを賭ければいいだけさ

(拙訳)

シューストリング・アニーにおじぎしな、彼女は言葉ほどには恐くはない
彼女の毒舌が罵りを浴びせる、震えるほどのシャムロック・シティの夜
カーネル(大佐)・バケットに新しい噂だ、彼はまだ負け知らず
一つ目を賭博台に、もう一つの目でジュリエットを探しているのかもね

(拙訳)

賭け金を倍にしな、坊や、幸運の女神は街を歩き回っている
幸運が微笑んでる、後ろを振り向かずに、ただカネを賭ければいいのさ

幸運が微笑んでる、後ろを振り向かずに、ただカネを賭ければいいのさ

(拙訳)

太っちょジャックの馬車から抜け出して、この路地裏へ足を踏み入れろ
奴の日々の稼ぎが、おまえの頭をぐるぐるさせて、足元をすくう
さあ、スペインのバラとおいらが、おまえの間違い全てを正してみせるよ
それは財布に収まる天国、シャムロック・シティの夜

(拙訳)

ここで横になって、アイルランドのスウィンフォードの町の夢でも見ていな

1時間だけあたしが恋人になってあげる、さあ、財布を開けて賭けてちょうだい

(拙訳)

ここじゃ酒代はお店もちだよ、坊や

持ち帰りはできないよ、ハニー

ここじゃクイーンがジャックに勝つことはないんだ、坊や

赤か黒を考えてんの、ハニー

賭け金を二倍にしたら、坊や

幸運は、振り返るなって言ってるよ、ハニー

カネを賭けて

カネを賭けて

カネを賭けたら

カネを賭けて

カネを賭けて

カネを賭けたら

Solas ”Shamrock City” (2013) の ”Michael Conway”(マイケル・コンウェイ)

 Solas ”Shamrock City” (2013) の ”Michael Conway”(マイケル・コンウェイ)*1。

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 Solas “Shamrock City” の "Michael Conway"。

 ようやく物語の主人公マイケル・コンウェイとその舞台、モンタナ州はビュートという炭鉱町が登場する。

 そのビュートから、今度は、故郷アイルランドを眺めることになる*2。

 シェイマス・イーガンの父親の曾叔父にあたる、まさに家族にまつわる物語だ。

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 ライナーノートとして五十嵐正氏の訳があるが、以下、拙訳。

(拙訳)

おいらの名前はマイケル・コンウェイ、あの懐かしいアイルランドで生まれた

明るい夏の朝に、クローナコリー( Cloonacolly )湖の近くで

でもすぐに厳しい冬が訪れ、おいらのみすぼらしい家を壊し散り散りにした

そして、運命の過酷な日が訪れ、おいらに放浪の旅を強いた

(拙訳)

さて自由と勇気の地の、活気のあるフィラデルフィアに着いた

そこで二人の兄弟に再会した、パット、ジェイムズ、そしておいらだ

俺たちは豊かな土地に目指し、生まれながらに運命が約束していた 

モンタナはビュートへ向かった、地上で一番の豊かな丘の

(拙訳)

銅が高値をつけりゃ、鉱夫たちのポケットは銭で重く膨らむ
そこは丘が勇敢な息子たちに報酬を与える場所、富か死かの世界だ
そこは混み合った酒場の床の銀貨を踏みつけながら歩く場所
花崗岩の山から貴重な銅鉱石を剥ぎ取って

(拙訳)

さて俺たちは蒸気機関車から飛び降り、黄色い硫黄の霧の中に足を踏み出した
俺たちの心にはまだ喪失の穴が空いていて、両の拳には闘志を抱えていた
汚れた精錬所が煙を吐き出す場所まで、親切に案内してくれる顔は一つもなかった
そこで俺はビュートの鉱山ネズミとして、過酷な労働に就いた

(拙訳)

そこで、俺たちはおてんとさまの陽の当たる日中を銅石の匂いと交換し

そこで、ウィスキーと牛の糞で、銅で負った傷を治すのさ

(拙訳)

そこは、町の半分が働き、もう半分が眠る場所
そこは、高さも深さも1マイルの花崗岩の山がある場所

(拙訳)

ドッグタウンで少しは知られた俺、よくやった素手の握りこぶしのボクシングだ

真っ向勝負で誰も俺にかなう者などいなかった 

だが俺は不正な保安官に逆らった、八百長でわざと負けなかったから

保安官は5対2で賭けるべきだったんだ、勇敢なコンウェイに賭けたというわけさ

(拙訳)
ビールと音楽が自由に流れ、俺はコン・ピープルズで浮き浮きしていた
そこで兄弟たちがちょうど俺を置いて行っちまった、ああ、俺にとってなんて不運だろう
よこしまな臆病者たちに引きずり出され、俺は警棒で打たれ
そして道端に置き去りにされて俺は死んじまった、通りにいる野良犬のように

(拙訳)

七つもの煙突のあるアナコンダ炭鉱から遠く離れて

背中の曲がった若者たちの疲れ切った顔から遠く離れて

花崗岩の山と俺が横たわっている埃まみれの墓から遠く離れて

俺の魂は、アイルランドのメイヨ―の、澄んだ空を飛び回るムクドリを追いかける

 マイケル・コンウェイは、「クローナコリー( Cloonacolly )湖の近くで」生まれたといっている。これが実際の地名なのかどうかはわからないが、クローナコリー ( Cloonacolly ) 湖はたしかにアイルランドのロスコモン県に実在する。歌詞は、終わりのところでメイヨ―県を歌っているが、これはアメリカ合州国からアイルランドの海岸線を視線にしての望郷の念なのか、その辺のところはよくわからないが、アイルランドへの郷愁を歌っていることに間違いはないだろう。

*1:The Penguin Dictionary of Surnames (Basil Cottle) によれば、Conway という名前は、北ウェールズの町と城に由来するようだ。そもそもはConwyという川の名前から来たらしい。-wyは、ウェールズ語で「水」を意味し、Con は、不明だが「高い」「聖なる」を意味するようだ。イングランドにはよくある「場所」由来の苗字は、ウェールズの場合はめずらしいとある。

*2:1910年にコンウェイはモンタナ州に着いたことになっているが、1870年代のアメリカ合州国の州ごとの移民ではどの国の移民が多かったのかという簡単な地図がある。From Ireland to the US: a brief migration history – The Irish Times

Solas ”Shamrock City” (2013) の ”Tell God and the Devil”(神と悪魔に言ってくれ)

 Solas ”Shamrock City” (2013) の ”Tell God and the Devil”(神と悪魔に言ってくれ)。

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 くり返されるフレーズ。

 So tell God and the Devil they can try 

 But today is not gonna be the day we die

 この they can try が少しわかりにくいかもしれない。they は、もちろん、God and the Devil。they can try は、「試すことはできる(が、試すだけ」というニュアンスとなり、それが God and the Devil が「試す」となれば、「(生死や運命を)試す」ということになる。そして、それを逆接で受けるから、試しても無駄だという生きる決意をあらわすことになる。

(拙訳)

 神と悪魔に言ってくれ 、試してみろと

 でもな、今日は俺たちの死ぬ日とはならないぜ(今日のところは生き抜くぜ)

 いま見たが、「ソーラス来日公演2014」のチラシに、「神にも悪魔にも言っておけ。やれるもんならやってみろ、と。生憎だが、俺たちは今日も生き延びる」とある。これなどはうまい訳だと思う。五十嵐正氏の訳は「さあ、神様と悪魔にやってみなと言ってくれ でも、今日は俺たちの死ぬ日じぇねえさ」となっている。

 ライナーノートとして五十嵐正氏の訳があるが、以下、拙訳。

(拙訳)

七年鉱夫として働き、さらに七年掘り続ける
山の鉱床を崩す腕前なら、この世に敵う者はいない
トラックが毎日来るんだから ちゃんとチッピーに積み込んでくれよ
いいか、何と言っても、勇敢さでは誰もこの世で敵わない

神と悪魔に言ってくれ 、試してみろと

でもな、今日は俺たちの死ぬ日とはならないぜ

(拙訳)

ヘルメットをかぶった男たちがお前を運びに来るところなんか見たくないんだ

地面は冷たく固く俺たちの運命も厳しい これじゃお前の埋葬さえできないじゃないか

だから、軽く響くように、雷が、上、上、さらに先へと、遠ざかっていく
でも、爆発する前に急いで避難して隠れたほうがいい

煉瓦とシャベルを背中から下ろして

岩を箱に詰めて、線路の方へ運ぶんだ

(拙訳)

鉱山には、モッカー、スキナー、ニッパーという分担があって
昼も夜も鉱夫らしく働くんだ、さあみんな
てごわい銅を追いかけ、壁を掘り、切り刻むんだ

怖がっても大丈夫、俺たち鉱夫が助けてやるから

(拙訳)

神と悪魔に言ってくれ 、試してみろと

でもな、今日は俺たちの死ぬ日とはならないぜ

(拙訳)

神々はここには降りてこない、悪魔はお前の名前をなくしてしまった
お前の命は、この脆い人間の鎖の均衡のなかでぶらさがっている
魂が乱れるとき、恐怖を飼いならせ
暗闇が迫ると感じたら、カルビドランプの炎を灯せ

(拙訳)

 神と悪魔に言ってくれ 、試してみろと

 でもな、今日は俺たちの死ぬ日とはならないぜ

 神と悪魔に言ってくれ 、試してみろと

 でもな、今日は俺たちの死ぬ日とはならないぜ