明日は明日の風が吹く

無味無臭・人の記憶に残らないをモットーに人間関係の荒波をいきていく30も半ばを過ぎた私の鬱日記

T・D・Hが蔑称だと思うなよ!

さて「T・D・H」とは何であるのか。

 

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一般的に男女関係において

女は上書き保存。

男は名前を付けて保存。

と言われているけれど

確かに昔お付き合いしていた人の事を思い出したり

あの人とお付き合いを続けていたら…というifを考えることは

ほとんどないと言ってもいい

完全上書き型でカテゴリーとしては女性・既婚者(38)の私であります。

  

 

そんな私が時々思い出すのは

大学時代にとても憧れていた准教授のこと。

(当時はまだ准教授という呼称ではなく助教授だった)

 

 

初恋の人が暴れん坊将軍の将軍様・松平健という

筋金入りのオヤジ好きである私は

大学に入学してすぐに教壇に立つかなり年上の彼にメロメロになった。

梅仙人 めろめろメロン梅酒 720ml

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なんといっても口がうまい。いや、教え方が上手い。

語彙が豊富で頭の回転が速くユーモアに溢れ

所々に毒を織り交ぜながら授業を展開する。

軽やかで飄々としていてなおも深い。

惹きつけてあきさせない。

飽きさせないどころか1回目の授業で心を鷲掴みにされた。

 

 入学後すぐに心を鷲掴みにされた私であったけれど

普段の授業ではあんなに飄々としている先生が

自分のゼミではとてつもなく厳しい人であるという話も聞いた。

 

 僕のゼミは厳しいゼミだよ。というのも本人から聞いたし

ついていけない人には「お辞めなさい」と言うなんて噂も聞いた。

 実際、予習復習下調べで図書館にこもりきりにならねばついていけないほど過酷なゼミであったらしいので「辞めろ」と言われるのは噂ではなく真実だったと思う。

 

先生の専門が私の希望するものとは異なったがために

先生の過酷なゼミを選択することはなかったのだけど

 

校内にいる間はつい先生を目で追ってしまうぐらいに憧れていた私は

本ゼミとは異なるプレゼミなるもので

やっぱり厳しかった先生のプレゼミを受けてしまった。

ただただ先生に対する憧れの念だけで。

 (ゼミを専攻する時の参考に2つまでプレゼミを受けることが出来た)

 

 先生は大人だった。

 

自分の専門課程と違うプレゼミを取得した私が毎日必死に図書館で下調べをするのも知っており、何故そこまでして自分のプレゼミを受講しているのかも知っていたと思う。私が先生にとても憧れていることを。

 

憧れや尊敬を押し隠しつつ毎日図書館にこもる小娘の憧憬など

手に取るようにわかっていたに違いない。

 

私の下調べを褒め理解度を褒め図書館や教室で目が合えば微笑んでくれ

僕のゼミにもこんなに熱心な生徒はいない。と述べたその口で

 

君が欲しいんだ。と言った。

 

ふたりきりのプレゼミ用の小さな教室で

「僕は君が欲しいんだ」と囁いた彼のことをよく憶えている。

決してこちらは見ようともせずに目を伏せて私の事を欲しいと言った彼を

私はそれから何度も何度も思いだすことになる。

 

 僅かばかりの間をおいてすぐに顔を上げた彼はもう先生の顔をしていて

僕のゼミに君が欲しいから専門を変えてみないかと言った。

こんなスカウトをしたら君の担当教官に怒られてしまう、とすこし笑って

冗談じゃなく考えておいてね。と立ち去り際に軽く肩に触れていく。

 

先生はずっと先生の顔をしていたし

アレは私の勘違いや願望が見せた幻だったのかもしれない。

それでも先生が先生ではなくなったような気がしたそんな一瞬を切り取って

私は大事に大事に心の中に閉じ込めた。

完全上書き型の私が今でも思い出す唯一の憧れの人。

 

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結局私が専攻を変えることはなかった。

もしも私が専攻を変えるぐらいに血迷っても

決して叶うことも触れ合うこともなかった、憧れの助教授。

今でも時々思い出す。

 

彼は。

 

彼は

背が低く

ぽっちゃりとした

頭髪が薄い方であった。

 

 

  

さて、みなさんはもう「T・D・H」(訓令式)が何の略であるかお分かりであろう。

 

チビ・デブ・ハゲが蔑称だと思うなよ!

 

ただ単に私がどんな球でも捕れるという話でした。

冷静に今考えると助教授セクハラ大丈夫かしら。

 

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