TV局ビジネスは終わった。


民放5局の1週間分のテレビ番組を録画し、マンション内の世帯が好きな時間に番組の配信を受けられる装置は著作権法違反だとして、大阪の民放5社が装置の販売差し止めを求めた訴訟の判決が24日、大阪地裁であった。山田知司裁判長は「装置が販売されれば、放送事業者の著作隣接権の侵害を引き起こす」として、近畿2府4県での同装置の販売差し止めを命じた。

とりあえず差し止めできてよかったねって感じだけど、これは終わりの始まりに過ぎない。今回の場合、マンションで共用するような運用形態なので再送信ってことになったわけだ。しかし共用形態で運用するというのはコストの問題なので、単純にこれ一式個人で運用できるくらい安くなったらおそらくもう差し止めることはできない。そしてムーアの法則によればそれは時間の問題である。


7チャンネル同時、400時間録画可能なHDDレコーダが52万円らしいので、ムーアの法則に従えば3年くらいたったら800時間録画可能なHDDレコーダが25万くらいで買える。800時間というのは、ほぼ24時間*6チャンネル*1週間に相当する。つまり1週間分の全番組をバッファ可能なのだ。


そういうものが普及してしまったら、視聴率を指標とした現状のようなCMによる広告ビジネスは完全に終わる。まあ、終わる終わるとは常々言われているけれど、終わるまでどんなに長くてもあと3年しかないわけだ。


新iPodのような映像配信形態が受け入れられるかどうかは予断を許さないが、今後10年を待たずしてキー局のいくつかは消えるような大変動が起きることは間違いない。