令和元年のクリスマスは全裸で身も心も暖まる?「まいるど7 ストリーキング・クイーンの巻」
全裸になって走る、実にシンプル。
令和元年のクリスマスがついにやってきましたね。クリスマスが終わり年末年始になれば・・・いよいよ激動の令和元年が完全終了です。ところで、昭和から平成、平成から令和になっていく中で、進化したり、そのまま引き継がれていく文化もあれば、引き継がれない文化も出てくるでしょう。そして、令和になったら引き継がれることなく概念ごと消滅してしまうのではないか?とJ君が危惧しているのが「ストリーキング」です。「ストーキング」でも「ストリートキング」でもありません。似ているようで全然違います。
ザックリいうと、全裸で公衆の面前をダッシュで走り抜ける行為です。なにソレ?ただの都市伝説じゃないの?などと平成生まれ以降のひよっ子たちはいうかもしれません。しかし実は1970年代後半から1980年代前半まで日本でもちょくちょく発生しており、特に1973年から1974年にかけてはストリーキングブームといわれていました。今のご時世だとありえないことが昭和には起こっていたのです。というわけで、当サイト今年の恒例のお下品クリスマステキスト更新は、世にも珍しいストリーキングをテーマにしたマンガ「まいるど7」に出てくる「ストリーキング・クイーンの巻」を徹底解説しちゃいます!!
「ストリーキング(streaking)」は、俺たちのWikipedia先生から引用させていただくと、
『注目を集めるため、あるいは強い非難の意思を表現するために公共の場を全裸で走り抜ける行為である。パフォーマンスの一環として行われるもので性的な意図はなく、露出狂とは区別される。』
とあります。つまり露出が目的ではなく、己のメッセージに注目させるためのパフォーマンス行為だというのです。うん、やはり文化として継承していくにふさわしい、とても素晴らしく意義のある行為なのですね!たぶんそうじゃないかと思った!!
ここで、現実のストリーキングを俺たちのYOUTUBEで観てみますと・・・
海外版SASUKEで全裸男が完走したり、サッカーの試合で全裸女がスーパーゴールを決めたり・・・SASUKEのやつなんて最後は観客がスタンディングオベーションですよ!全裸男に!!やっぱりアメリカは色々狂ってますね。
ストリーキングのカッコよさが十二分に伝わったと思いますが、よし俺も!私も!と服を脱ぎだすのはちょっと待っていただきたい。ここはアメリカではなく日本です。日本でストリーキングをやることのリスクを今回ご紹介するマンガでよく知った上で判断して欲しいというのが本日の主旨であります。
少年誌で普通に全裸です
ご紹介するのは少年チャンピオンに1981年から連載されていた永井豪先生の「まいるど7」という作品の1エピソード「ストリーキング・クイーンの巻」ですが、今回は「永井豪エッチまんがセレクション ストリーキング・クイーンの巻」 というペーパーバッグ本から引用させていただきました。ストリーキングだけを狙い撃ちした、このピンポイント過ぎるセレクション。J君ぐらいしかニーズがなさそうで心配です。
ゲヘヘて
本作のヒロイン、まいるど蜜子の通う清純女学園は、有名なお嬢様学園。そんな学園の風紀を乱すスケバングループが姫野マヤ率いる黒姫会。学園の平和のために黒姫会を解散させるべく立ちあがった蜜子は、マヤの要求する対戦方法「ストリーキング」で戦うことになります。
なぜわざわざストリーキングで勝負?
なんで対決方法がストリーキングなんだよ!必然性なさすぎだろ!!って思いますけど、永井豪先生のマンガですから全然OKです。このぐらいこじつけないとストリーキングのマンガなんて成立しないですからね。
みんな知ってるストリーキング
「ストリーキングって知ってるでしょ」
「いきなり生まれたまんまのかっこうになって人の多い通りをかけぬけるあれよ!」
この当時はストリーキングが一般常識だったことが分かる一節ですね。そう、みんなストリーキングのことを知っていたのです。もちろん、やりすぎれば警察に捕まることも・・・。
勢いでストリーキング勝負をうけたものの、色々と後悔する蜜子。そりゃそうですよね。警察に捕まるリスクもあるし、どう考えても罰ゲームみたいなもんですから。
真剣に悩んでるかと思えば・・・
「わたしスタイルには自信あるけど」「そんなにオッパイ大きくないのに」「あたしキレイかなー」
意外とポジティブだな!!
ストリーキングの自主練
ストリーキングの練習としてとりあえず、家の中を全裸で歩き回ることにした蜜子。それ、練習になってるのか・・・?そしてストリーキング対決の当日。
これは恥ずい
ストリーキング対決がついにスタート!
蜜子が勝てば黒姫会は解散、マヤが勝てば蜜子は奴隷に・・・それにしてもめっちゃ人通りが多いですね。予想通り通行人たちがみんなビックリしてます。まあビックリさせることがストリーキングの醍醐味ですからね。
盛り上がるスケベギャラリー達
こんな感じでスケベエな男子たちはみんなついてきちゃいます。今だったらSNSに写真とか動画をアップすることでしょう。そう、ストリーキングは最高にインスタ映えするんです!(アカウント凍結されそう)
卑怯な手もアリ
勝負ごとですから、ただ走るだけではありません。こうやって相手の走行を妨害したりもします。さすがスケバン!卑怯ですね。
お約束で警察登場
こんな感じで警察が取り押さえに来るまでがお約束です。いよいよ盛り上がってまいりました!さらに中継車やヘリコプターを使ったTV中継、ストリーキング評論家が登場し解説までし始めます。
謎の職業・ストリーキング評論家
「へぇー、ストリーキングの評論家がいるのか」
いねーだろ!どんなパラレルワールドだよ!!
うざい解説
このストリーキング評論家の解説が、かつてないウザさ。笑顔がめっちゃ腹立つ!!
PTAの皆様も大反対
ここでマヤと蜜子の前に立ちふさがるのが、ストリーキング反対婦人会の奥様方。
手に包丁とか持ってるあたり、本気で刺し違える勢いです。それにしても、ストリーキングを突発的に始めたはずなのにやたら結成が早いです。普段から準備してるんでしょうか。
今ならたぶんアウトなセリフ
そして、ボコボコに粉砕されるストリーキング反対婦人会の皆様。こんなシーンやセリフが普通に少年誌に掲載されていたのですから、昭和という時代がいかにフリーダムだったか分かりますね。
世界一嫌なネーミングの公園
お次に待ち構える試練は県中のチカンが集まる公園その名も「チカンの森公園」の通り抜けです。いや、ストリーキング以前にこっちの公園を取り締まれよ・・・。
深夜番組みたいだな・・・
なにしろチカンの森公園ですから、そこら中に隠れているチカンが羽根コチョしてきたり・・・
ある意味根性ありすぎ
またぐらのぞきチカンの道があったりします。この一瞬のためだけに地面に埋まってるチカンて。ある意味根性あるな・・・。
お前も裸だろ
森のラストには露出狂が控えてます。蜜子逃げてー!・・・って追いかける方も逃げる方も露出狂みたいなもんだけどな!
何なのこの友情・・・
過酷すぎるチカンの森で挫折しそうになったマヤを元気づける蜜子。今ここに、ライバル同士の謎の友情が芽生え始めます。やってることはストリーキングだけど。
ラストラウンドは、恐ろしい犯罪者が放し飼いにされているという、多摩自然刑務所の通過です。襲いかかってくる犯罪者達の間を見事素っ裸で走り抜けられるのか?
名前がヤバい
バラバラ殺人の猟奇一夫のナイフを間一髪でかわします。名が体を現しすぎ!!
注射する意味がわからん
覚醒剤男の注射攻撃が蜜子のお尻を襲ってくる!注射器で襲うって、一体なんの意味があるんだ!!そして立ちふさがるのが刑務所のボス、ここを抜ければ蜜子の勝利が確定するのですが・・・罠がありました。
最後にワルいところを見せるマヤ
刑務所のボスはなんとマヤと結託して蜜子を陥れていたのです。女同士の友情がいともあっさりと裏切られ、絶体絶命となった蜜子。一体どうすれば?
結局ムチャクチャになります
ってところで、タイミングよく蜜子のファミリー「まいるど7」が登場。刑務所の犯罪者も取り押さえに来た機動隊もまとめてマシンガンやら手榴弾やらで粉砕してしまいます。そうなのです、「まいるど7」とはマシンガンからミサイルまで扱う、泣く子も黙る世界最強の傭兵集団。最後は血みどろのグッチャグチャのグッチョグチョの人が死にまくりで終了します。元々スケバンを更生させるためだけの目的だったのに、なんてひどいオチだ!!さすが豪ちゃん先生。やってることが無茶苦茶だぜ!
ものすごく迷惑なオチ
というわけで、日本でも数少ないストリーキングがテーマのマンガ「まいるど7 ストリーキング・クイーンの巻」をご紹介しましたがいかがだったでしょうか?タピオカ透かし乳首で大騒ぎしているイマドキの少年マンガに比べて、昭和の少年マンガのこの堂々たる露出っぷり、すごいですね。というわけで、結局のところ全然関係ありませんでしたが、みなさん良いクリスマスをお過ごしください、ちなみにもしこのマンガを読んでストリーキングをやりたくなっても、今の時期だと凍死しちゃうので絶対にやらないように!
■■■
出典)「永井豪エッチまんがセレクション ストリーキング・クイーンの巻」 永井豪 / ダイナミックプロ / リイド社