フラッシュパッカー 一人旅　ハノイ・ラオス　７日目（シーパンドーンとコーンパペンの滝１日ツアー）

この日のツアーも朝8時出発。7時にレストランに行って朝食。パイナップルジュースとコーヒー。

メインはフライド・ヌードル。いつも一番無難な食事を選択、いたって保守的。

デザートにフルーツ盛り合わせも頼んでみた。

今日はメコン川を船で渡る。なのでネック・ピローに空気を入れて、デイバッグに忍ばせておく。実は、ルアンパバーンのリバークルーズでも同じことをした。どこまでも慎重。
どうせライフ・ジャケットなどないだろうと思っていたが、どちらも備えていた。でも用心に越したことはない。

パークセートラベルの前に集合。シーパンドーンは人気の観光地なので15人乗りのミニバンは満員。
内訳は、欧米人パッカーが11人。東南アジア系の若いカップルと中国人の女の子、それに私。後者は軽装なので私と同じ日帰りツアーだろうと見当をつける。

出発するといきなり給油。この国では当たり前のようだ。店員のジャージは日本語。

今日は橋を渡らず、メコン川左岸の国道13号線を南下する。

道は良く舗装され快適、時々、牛が横断しているけど。フロントガラスにはヒビが入っている。
ドライバーの技量は高い。先行車をロックオンして追い越しにかかるタイミングが私と同じ。おそらくこの道を毎日走っているのだろう、安全な追い越しポイントを心得ていて決して無理な追い越しはかけない。道路の段差までよく知っていて、そこに差し掛かるとスピードを落とすのでショックがない。

１時間ほど走るとサービスエリアがあるので、そこでトイレ休憩。

ガソリンスタンドもある。

売店。他にコンビニ風の店舗もある。

店頭のバーベキュー。

男子トイレは清潔だが、壁のないセミ・オープンエア。
ここで一つ困ったことが。すぐそばにどういうわけか、ポケットモンキーやテナガザルを飼育している檻がある。可愛いので女性がたくさん集まってくるのだが、用を足している男性が丸見え。でもこの先どうなっているかわからないので、勇気を出して済ませました。

見ていると確かに面白い。

売店のひさしに吊るされた乾燥肉。
「これは何？」と尋ねると、店員は英語が話せないらしくどこかに行ってしまう。すると同乗していた東南アジア系カップルを連れてきて、彼らが「熊の肉だ」と通訳してくれる。
そのカップルに今度は「ラオス人か？」と聞くと、「モン族だ。ラオ族ではない」という。「だからラオス人だね」というと、「モン族だけどラオ族ではない」と繰り返す。なにやらこだわりがあるらしい。
すると女の子の方が「私はアメリカから来た」という。どうやらシーパンドーンに住むボーイフレンドか兄弟を訪ねてきて、一緒にそちらに向かう途中のようだ。

こんなものも吊るされている。左の方は多分もち米が入っている。シェムリアップで経験済み。どちらもあのグリルで焼いて食べるのだろう。

メコン河畔の田園地帯を走る。今は乾季のためか休耕田が広がる。
ラオスは東南アジア諸国の中では人口は７百万人弱と少ない。内陸国でもあり、労働集約的な工業には向いていない。その代わりインドシナ半島の東西回廊の要衝として、物流業には発展の余地がある。実際、道路はよく整備されてトラックの往来も少なくない。

出発して２時間ほどでシーパンドーンに渡る陸側の拠点、ナーカサンに到着。パッカーたちの荷物を屋根から下ろす。

船着場に向かう道。土産物屋が並ぶ。

100mくらいでボート・チケット売り場。

パッカーたちはチケット購入。１日ツアーの私たちは必要ない。ここで彼らとはお別れ。

この先は上海の女子大生と奇妙な取り合わせの二人旅が始まる。

ところがいきなりエンジンがかからない。どうしたH◯NDA!
このままではメコン川に流されてしまうので、櫂をついて船着場に戻り、そこに係留して何度も始動を試みるが、それでもかからない。

隣の貨物船？を眺めて待つ。この大きなマットレスは、後で島に上陸した際に、４人家族がサイドカー付きのバイクに乗せて運んでいるのを見た。

20分経ってもエンジンがかからないので、結局、地元の知り合いのボートに乗せられてコーン島に向かう。

シーパンドーンとは「4,000の島」のこと。当地でも"4,000 islands"という呼び方の方が一般的。そのような光景が広がる。

心癒される風景。

「歩き方」と首っ引きで地形を確認していると、地元の乗客が「あれがこの本に出ているフランス植民地時代の埠頭跡ターカムパンだ」と教えてくれる。

こちらはデット島。

コーン島の水上コテージ。

20分ほどでコーン島の船着場に到着。
時刻は11時20分、午後2時に戻るように言われて船を降りる。

到着地のゲストハウス。
この写真を撮っておいてよかった。似たようなゲストハウスばかり続くので、帰り道で場所がわからなくなった。その時、この写真で思い出すことができた。

提携業者の男性が迎えに来て、ツアー料金に含まれているレンタサイクルを貸してくれる。かなりくたびれた代物だが、まあ仕方がない。
島では自転車が主要な交通手段。観光客はほとんどが自転車。
ここで女子大生とは別れて単独行動。

村の中をソンパミットの滝を目指して走る。未舗装なので走りにくい。
本当に何もない。

途中に寺院を見つけたが、立ち寄る暇がない。

途中に"コーン島ソムパミットの滝公園"のチケット売り場がある。35,000キープだが、細かい紙幣が足りなかったので33,000キープ（530円）に負けてもらった。
公園入り口で自転車を降りる。

面白い形をした竹やぶの中を歩いていく。

やがて滝が見えてくる。

ものすごい水の量。日本では見られない。

断崖をぬって流れる。

メコン川はこうした滝が何か所もあるので、水運に向かない。

大きな水車、発電に使っている様子。

もと来た道を戻る。本当に何もない。昨日のアメリカ人のおばさんが、「日が昇って、沈むだけ」と言っていたが、まさにその通り。

もう一つの名所、鉄道橋跡。欄干がないので自転車で走るのは少し怖い。
水運が使えないので、この辺りはフランスが鉄道を敷設したらしい。

橋の上からの眺め。水のある風景は心和む。

川岸から鉄道橋を見る。逆光ですみません。

こちらがコーン島。こちらも何もない。埠頭跡までは距離がありそうなので、深入りせず諦める。

昔の蒸気機関車が展示してある。観光客がいなかったら、通り過ぎてしまうところだった。

小さな機関車、鉄ちゃんなら興味を惹かれるだろう。ドイツ人の団体客だった。

鉄道橋との立体交差。ちょうど観光用のカートが通りがかる。たまにこういうのも見かける。

ゲストハウス街に戻ってきた。同じような建物が並ぶので現在地点を見失う。

船の上から見た水上コテージにはプールもある。欧米人が好むツボを心得ている。

コーン島の地図。まさにこんな感じ。

船着場のレストランで昼食。メニューの下の番号はWifiのパスワード。こんな田舎の食堂でもWifiが使えるのは助かる。日本も早くそうなってほしい。

ビアラオ大瓶を飲みながらFacebookする。

店の様子。上海の女子大生も戻ってきた。

ドライカレーを注文。普通に美味しい。ビールと合わせて35,000キープ（560円）。高くはないが、日本人パッカーが言っていたように観光地価格だと思う。

船が迎えに来たので二人で乗り込む。船頭は最初に乗った船のおじさんだが、船体が違う。やっぱりエンジンは直らなかったみたい。

観光客向けカフェは人でいっぱい。時刻は午後2時、やはり他にすることがないのだろう。

と思ったら、メコン川で水浴するパッカー。

水牛も泳いでいる。

シーパンドーンもこれが見納め。悠久のメコン川。

子供達が水遊びしている。今日は日曜日。

上海の女子大生も写真撮影に余念がない。ライカの一眼レフ。きっと金持ちのお嬢さん。

ナーカサンの波止場に戻ってきた。

今度は別のドライバーが二人を出迎える。

少し離れた駐車場にミニバンが止めてある。だいぶ年季の入った代物、スピードメーターが壊れていた。

20分ほどでコーンパペンの滝の入り口に到着。30分後の午後3時に戻るように言われて車を降りる。時間がない。
これがこれから始まるトラブルの予兆とは、この時はまだ気付かない。
入場料55,000キープ（900円）、高い。
入り口になにやら大きな流木のようなものをご神体のように飾ってある。

滝が見えるところまではカートで送迎してくれる。時間がないので二人とも当然利用する。
轟音とともに滝が見えてくる。

やってきました東洋のナイアガラ。

公園内は人もまばら。時間がないので写真を撮りまくる。

すごい。

日本にはないスケール。やはり来た甲斐がある。

滝つぼ近くに行くにはこのような通路を歩く必要がある。
時間がないので女子大生は諦めたようだが、私は構わず切り立った岩場を突き進んでいく。

近くまで来るとさすがの迫力。

これが見納め。

カフェに立ち寄る余裕などなく、再びカートで出口に向かう。
ここからが予想外の展開。

戻ってきた二人を乗せたミニバンは、15分も走るとドライブインに停車。ここでフランス人の女の子２人をピックアップして、パークセーに戻るのかと思いきや、一向に出発する気配がない。

車から降りて、何もないところで30分以上待たされる。

やってきたのは大型バス。初めは路線バスかと思ったが、実際は修学旅行の高校生を乗せた観光バスだった。ほぼ満席。フランス人パッカーは後方に、我々は前の方に空席を見つけて乗り込む。女子大生とは横並びの席。

女子大生は「話が違う」と不満そう。私も「それにしては高いよね」と応じる。女子大生「戻ったらリファンド（返金）を交渉する」と。
来た時も立ち寄ったサービスエリアでトイレ休憩。この後、私は眠ってしまった。

それでも午後6時頃には無事パークセーに戻ってきた。リファンドは、私はもうどうでもよかったが、女子大生は一人でも行きそうな勢い。見捨てるのも心苦しいので付き合うことにする。
パークセー・トラベルでは相変わらず中川家弟が接客に忙しい（写真は今朝撮ったもの）。少し待って席に着く二人。
まず、女子大生が口火を切って流暢な英語で理路整然と契約条件違反を並び立てる。
中川家弟は、二人を見た瞬間悟ったのか、あっさりと「20,000キープのリファンドでどうか」と切り出す。
そこで私が「コーンパペンの滝では入場料が55,000キープもしたのに、30分しかなかった。料金の半分の140,000キープを返金しろ」とふっかける。
中川家弟が観念した様子で「100,000キープ（1,600円）でどうか」と譲歩する。
二人はアイコンタクトして「OK！」、日中連合軍がラオスを打ち負かした瞬間。
金持ちが貧乏人からふんだくってどうかという向きもあろうが、これは商道徳の問題。
女子大生とは「ハブ・ア・ナイス・トリップ！」と言ってお別れ。

帰り道のダオリンで今夜も夕食にする。

まずはおきまりのビアラオ。いつのまにか大瓶が習慣になっている。

ラオス風スープとスチーム・ライス。シメて35,000キープ（560円）、満足。

店は相変わらずの賑わい。

長い一日が終わる。