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    【創の独り言】愛情不足かなあ

    2023/ 11/ 12
                     
     操り人形、風船の中の僕等、僕等の境界線、君と僕の名前。そして拒絶的な短文。

    【自分と、他の境い目がない。苦しい、常に違う記憶がある。】

     彼は哀れだ。僕を見て何度か「何で楽しいの?」「凄く楽しそう」「何で楽しめるんだ?」と言う程には、普段言わないだろう。
    ねえ君は何が楽しくないの、僕は楽しいよ。たくさんの壊れた世界の中で此処で居られる倖せが常に有る、何処も壊れてる。運命の賽も輝かない、其れが濁ったら壊れる、此処は輝いてる、此処では賽も盤も何もかも煌めいてる、君が苦しむ道理は何処に有るの。

     器と呼ぶ僕等に与えられた生体。其れは借り物で、何時か色々返す日が来る。だから間違ってはいけない。

     僕には君の事が分からない、何が言いたいのか何がどう苦しいのか分からない。だが、書き出させた物は明らかに君の眼が訴える物と似てる。言うのが、下手なのかな。言えないけどこんなに直ぐ書けるのなら、君は言いたい程の何かを十分に抱えてる、其れが何なのか…君の眼と絵が答えだ。余り浮かない表情を見ても意味が無い、其の眼を見るべきだったな。よく見るべきだった。みっともなくないのに君はみっともないと嫌がって見てくれない、眼を見ておくれよ。答えが其処だ、よく見る必要が有る。でも強制は出来ない、もしね、今彼に酷い事でも言ってみよう、本当に脆い状態の心が一瞬にしてひしゃげて死に始めるだろう。心は見えないが君が言う様に何となく見える、要は感じる様な物だ。間違って無い。

     器は君じゃない。器は君じゃない。器は君になれない。


     器が君な訳無いだろうに、人間の大半は器だと思わないだろうけど君がそう思う必要性は全く無い。君の命名者が僕なのに如何して混同するのか疑問だが其れはきっと、君が人間に合わせてる証拠ではないのかな。合わせ過ぎてしまう癖が有るのかもしれない。君だってもう、僕には全く人間に見えない。そうだったら君に人間の様な顔を描いた、でも最初の産声全ては君が上げた、僕は君を認めた。アタカイカ、彼が人の風をしてるだけだ。僕は人間が大嫌いだ、君が人な訳が無い。

     其れとも、人として生きたい?
    或いは、此の世が好きになった?
    又は、其れを受け容れられない葛藤?

     やはり君の悩みが僕には掴めない。自己否定の様な物が辛いのかな、彼の書いた器は操り人形の様に上から紐であらゆる箇所が繋がってる、其れを「器は俺じゃない」と強く書いてる。うん、其の通りだけど何かが噛み合わないのだろう。抑何故否定迄する必要が有る断定をすれば良い、其れが出来て無い、即ち?
     風船の中に何故僕等が居るんだ?
    何故君は断定しない?
    何故「意識がバラバラ」?
    「コレが一番俺から遠い」?

     君の呼び名が場所で変わるのは、苦しいか。名前好きだもんね、何時も"オレの名前はアタカイカだからな"みたいな勢いで言ってる。違うって前も言ってたねえ。名前が違う、でも秘密を守らなきゃいけない、理解されないとそんな事を。君の誇りが嫌がるのかなあ。ずっと、守るって言って辛くても最悪別に守ってくれる奴が居るからって…。


     そんなにもう嫌なら、何で君は手を抜いたり逃げたりしないんだろう。
    僕の為?見える姿が変わらない様にする為?誰も傷つけたくないから?嫌なら何故、僕の様に赦されない事をしないのだろう、苦しんでる君を見てる方が辛い。何がもう嫌なんだろう。

     書いて貰った物の位置関係が緊張の現れなんだろうか、アタ君から見て右に僕、左に器。僕にも器にも何か嫌な事を感じて居る?僕の方は心当たりが有る、彼の自由に息をさせて居ない。器は知らない、彼の主観が無いと。


     愛情不足かなあ。
    アタ君は絶対的に僕等を守って愛して大切にしてる、其の対価を欲してるのかなあ。余りにも其れを無償で続けるには厳しいだろう。甘やかす…。ふふ。何であれ正解に掠りでもすれば其れだけで良いのだがね、よく聞こえる哭き声と言うか、凄い枯れてる。そんなしゃがれ声と言うかもう少し滑らかな声だったと思う、本当に強い上に重い声の色だ。

     本当はもっと甘えたいとか、そんな日常的な事をずっと我慢してるのが何ヶ月と積まれて辛くなったのかなあ。其処から此の、彼でも上手く説明出来ない苦しさに繋がって、そして、器への強い拒絶が悪化したと見たらどうだろう?何時も乍ら詰めの甘い主観だ。

     其れとも対価か、僕等が、特に僕が守って愛して大切にして遣れたら君への相応しい対価に、其の乾いて仕方の無い心にも水が届くのだろうか?彼は水を愛する、相当。そう言えば単独作業多かったかなあ、彼は僕に気を遣ってた。そして彼自身が追い詰められて来ると「傷付けたくないから」と余り関わろうとしたがらなかった。別に何方でも良いだのと重みの無い想いを彼にそう抱く事も無い気はするけど、気はする等と当てにならない、…。


     うーん、僕はやはり昼間起きて居られない。でも、夜は起きられる。ずっと一緒に居たいのなら其れでも良い。僕は一緒に居るよ、寝たり起きたりはするけれども。答えが近いかい?疲れて寂しいかい、そうかい。


     泥は乾くと割れてしまう、時間を掛けよう。君の言う通り。何もかも、短期で遣ってはならないね。出来る事等少ないが、短期に見てしまうと連続性も失われる、そしたら鎖で繋がって居る事も出来ない。時間を掛けよう。君の痛みに時間を掛けて観て行こう、其れ位して良い程恐らく長い我慢をしてきた筈だ。
     以前の様に、そう言ってたのも憶えてるよ。以前の様に遊べるかは、そうなれるかは知らないが何でも遣ってみよう。僕の夢はそうして叶えるのだ、何にだって応用できる。ずっと寂しかったんだろう、其れを言わせる事も僕は出来て無かったな、言える様な張りの無い関係に出来て無かった。ああ。君の言ってた通りだね、僕は鈍い様だ。そう、気付かない方が当たり前で有る程に鈍い鈍かった。


     如何して僕はロシンやアタ君の気持ちに勘付くのが遅いのだろう、彼女の隣に立っても恥をかかせない者になろうと思うばかりで彼女自身を確り見て居ない、アタ君の言ってる事や「自分でも分からない」と言うのに確り耳を傾けない、各自由だと、支えない事だけを押し進めて何が自由なのだろうね、其れは放棄や放任に近い。
     関わるのが家族とも上手く無いのが、僕の少し直すべき箇所だろうか、否自覚すべき点なのだろう。
    心を助けられる日が無かったとしても家族の心は適度に救うべきなら、実行するのが正しい。其の発見が難しいのは僕の欠点だが、皆訴えない訳じゃない、教えない訳でも話さない訳でも素直じゃない訳でも無い。外部から十分に伝えられる。

     尤もだ、煌めきを忘れたりはしない。忘れない事が大事だ。
    彼に教えて上げてくれ、よく忘れると悩んで居る。
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