重戦機エルガイム METAL6 

[2007/11/20] | 感想系 | トラックバック(0) | コメント(0) | TOP ▲

 後半に入り、アイキャッチにも「MARK-2」という字がくっきり見え、後期主題歌のサビでも「Say Mark 2~♪」って高らかに謳い上げていて。“後半戦の仕切りなおし”って意識がやけに強かったのかなぁと思いながら見ています。かなり入り組んだ群像劇になっていますが、前半のどたばたコメディな感じが薄れてきて、しっかり見ていれば話の筋が通ってきたような気がします。

  1. キャッチ・ウォー
  2. フラッシング・ネイ
  3. マイ・アース
  4. レッシィ・マインド
  5. ペリル・ミッション
  6. オールド・ソルジャー

ダバもついに、反乱軍の一つを率いる立場になった。その瞬間からダバは、その反乱軍の人々の生命を支配するようになる。“運命”という言葉が、ダバをよぎる。

 キャオのナレーションが的確なものになるということが、話の筋が通ってきたことの現れのように思われます。王道をもって覇道を退けようとする“聖戦士”の物語だったダンバインの後番組として、いよいよエリート論、君主論に踏み込んでいくような部分が興味をそそります。

「ギャブレー、君は本当に人を好いたことがあるのか?」
「人を・・・好く?」
「お前には、そういう一徹さがないのだよ!」
 前回、レッシィとの絡みでギャブレット・ギャブレーという人物が少し見えてきた気がした、という感想を書いたんですが、今回はギャブレーとの絡みでネイ・モーハンという女性のことが少し分かってきたような気がしました。
 ギワザを身を挺して護ろうとしたネイ。その愛するギワザもポセイダルに“生殺し”のように追い込まれて権謀をめぐらせている側面もあり。彼女はポセイダルへの直訴を企てるんですが、近衛師団の指令になってたクワサン・オリビーに遮られ・・・どうなっちゃうんだろう?(笑)

 一方のダバは、トライデトアル星からミズン星へ。

「俺はもう、これ以上無駄な戦いはしたくないんだ。利用できるものは、とことん利用してでも!打倒ポセイダルの旗を掲げたいんです。」
「星々の間の戦いは、人が高まったときにいつかは終わるというのに、ポセイダルのように、無理やり統合すれば、人心の反発を招いて、憎しみの戦いが繰り返されるだけだ。・・・そう分かっていながら俺は・・・今日まで本気になれなかった。なぜだか分かりますか?・・・ポセイダルのおかげで、ペンタゴナの人々は、本気で生きることを忘れた人になったからです。これでは闘えなかった。」
「目の前のことには必死でも、その先のことは考えていない人の集団になっていたんです。」
「考えているわ!ダバと結婚して男の子二人と女の子一人生んで、年取って死んでいくのが何でいけないの!?」
「そういう、アムのような女性のために、男たちは明日を作ることを忘れて、闘っているだけなんだよ。」
「そりゃないぞ、ダバ君。私だって・・・・・・分かった、だからか。ポセイダルが女の形をしたのは。」
「ああ。女性のメンタリティまで持ってると示すことによって、世界を支配してるんだ。」
「女のほうが男より偉いってのか!」
「女性は本能的に時代を継ぐものになれるんだ。ポセイダルは、それを示そうとクローンを作った。」
「クローン!?」
「考えられるわ。あの人なら。」
「それがポセイダルの仮象か。」
「そうです。それに対抗するには、母なるものの上に足を踏まえなければ。」
「闘っても勝ち目はないということなんですね。」

 あまりにトミノ度が高すぎて、くらくらするような会話!(笑)・・・とりあえずメモ。

 ともかく、「こうしてダバは、母なる大地に誓いを立てて、カモン・マイロードを名乗ることになったわけだ。」(byキャオ)
 しかし滅ぼしたはずの“ヤーマン軍”を名乗る敵を捨ててはおけんということで、ギワザもミズン星の戦いに本腰を入れてきて。・・・ここはホエールに乗って現れてダバの窮地を救ったレッシィとの微妙な芝居。これがいいですよね。その一方で、アマンダラだけではなくサート・スターのフル・フラットも話の筋に絡んできて。詰問するつもりでサート・スターを訪れたギワザに、人としての格の違いを見せ付けます。
 ・・・って、このへんの重層的な描写はうまいとおもったんですけど、レッシィがギャブレーに捕まっちゃうあたりは少しぐだぐだ。少し技巧的に凝り過ぎなんだよなぁ(笑)

 続けて、増派された十三人衆、冷血女のリィリィに、今度はアムが捕らえられる、というのは、一軍の将が一兵卒のために危険を冒していいのかという繰り返し。もう一人の十三人衆ワザンの潜入工作も、お爺さんもう少しドラマに咬むのかと思ったら肩透かしで。

「俺たちは正規軍とは違う」
「どこが違うのだ。君がポセイダルに成り代わらないと、誰が保障する?」
「俺たちが独裁者になるわけがない。自由な国を作ることが・・・」
「大衆一般が正義である時代は、戦争が続くよ。それが世の中だ。」
「理想を掲げて、なぜ悪い?」
「理想が人間を、正義に導くことを、我々大人は、もっと思い知る必要があるんだ。」
「理想ならポセイダル様も掲げていらっしゃる。それが分からず、反乱などと・・・。」

 このへんの会話は面白いんですけどね。って言うか、この会話をさせるための筋立てっぽいです、このあたり。リィリィを助けるために死んじゃうんですけど、ワザン爺さん、いいキャラクターだったのに、早々と退場するなぁ。リィリィの過去と、何か因縁があったのかなぁ。

 余談ですが、戦いが本格化するにつれて、ポセイダル軍にはA級ヘビーメタルに乗ったザコがわらわら出てきたり。主要キャラがどのメカに乗ってるのか固定しないし。反乱軍は最初からコピーエルガイムだらけで視認しにくいし。詰まらんことですが、戦場のリアリティのつもりなのかもしれないけど、ただ表現を分かりにくくしてしまっている気がします。
 もう一つ。英語にもなっていないカタカナのサブタイトルで、この作品は統一されているんですけど、今ひとつサブタイトルを見ても内容が思い出せないんですよね。最近のアニメも凝ったサブタイトルの付け方は多いですが、このエルガイムの場合は何か中途半端にカッコを付けている気がしてしまい。『ダンバイン』でもときどきカタカナのサブタイトルはありましたけど、もう少し意味が分かりやすかった気が。
 「1984年」という年のアニメの話を書いたところでしたけど、このエルガイムではそういうあまり意味のないカッコ付けが、やがてコアな固定ファン向けに作品が閉じていってしまう傾向を示していたようにも感じられてなりません。

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