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軽自動車税(バイク含む)の増税について思うこと

増税の内容

バイクの増税が検討されているらしい。以下ソース。

政府、与党は六日、二〇一四年度税制改正で、オートバイや原動機付き自転車(ミニバイク)の軽自動車税額を引き上げる方向で調整に入った。現在、排気量に応じて年間千~四千円の税額を一・五~二倍の一定比率で引き上げ、さらに二千円か三千円の最低税額を新設する方向で検討する。

 これにより排気量二五〇cc超のオートバイの税額は現在の四千円から最大八千円、五〇cc以下のミニバイクの税額は現在の千円から最大三千円となる可能性がある。

 自動車取得税廃止による地方税収の落ち込みを補うのが狙い。二輪車メーカーの反発は確実で、来週の与党税制改正大綱の取りまとめまで調整は難航しそうだ。

 ミニバイクの場合、現在千円の税額引き上げ率が一・五倍だと千五百円、二倍だと二千円になるが、最低税額を設けるため改正後は二千円または三千円となる。バイク全体で最大三百六億円の税収増を見込む。

 また普通車の自動車税に関しては、自家用車より低く抑えられている営業用車の税額を引き上げる案も浮上した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013120602000247.html

ちなみに軽自動車については別の記事を一部引用しておきます。

660cc以下の軽自動車税(自家用四輪)は年7200円だが、排気量1千cc以下の普通小型車(自家用)の自動車税は年2万9500円と4倍以上の差がある。この差を埋めるため、総務省は4日、軽自動車税を現行の1・5倍の年1万800円と、2倍の年1万4400円とする2案を与党幹部に示した。http://www.asahi.com/articles/TKY201312040557.html

なぜ引き上げるのか?

両記事にも書かれていますが、増税の背景としては自動車取得税の廃止に伴って税収が落ち込む地方財源の確保というのがあります。朝日の方の記事によると、自治体は1900億円の税収を失うと書かれています。そういった中で、軽自動車税や二輪の税金を増税することで、どうにかして補っていきたいというのは分からないこともないです。

また、軽自動車についてはTPPに関連して、軽自動車が税制的に優遇されていることにアメリカから何かせっつかれているのかもしれません。軽自動車なんて規格は日本ぐらいなわけで、実質的な関税になっているという面も無くはないので。こちらについては憶測の域を出ないのでなんとも言えませんが。

軽自動車税増税に反対する理由

それでも僕は以下の3つの理由から軽自動車税増税については反対します。

  • 単なる負担増だから
  • 逆進課税の側面があるから
  • 国家戦略との整合性が見えないから

それぞれについて説明します。

自動車取得税廃止分は消費税増税分から賄うべき

増税の背景には自動車取得税の廃止があると書きましたが、なぜ廃止されるのでしょうか。これは消費税の増税と密接に関係しています。自動車取得税というのは自動車を購入した際に課せられる税であり、消費者からすると消費税と変わりません。国に納められるか都道府県に納められるかの違いだけです。これが二重取りになっていたというのは元々批判されていました。
そこで、現在検討されている消費税10パーセントへの増税ですが、これが実施されるにあたって二重取りになっている自動車取得税を無くそうというのが自動車取得税廃止の理由です。
にも関わらず、自動車取得税の廃止分を軽自動車税増税に回すというのはいかがなものでしょうか。消費税増やして自動車取得税無くしたために、地方自治体に金が渡らなくなることが問題であれば、消費税増税分の中でやりくりしろという話ではないでしょうか。

軽自動車税は逆進課税であるという話

そもそも今回対象となっている軽自動車や原付を利用しているのはどんな人でしょうか。前提として、地方ではもはや車なしで生活できないというのは常識かと思います。地方の大学に通っている僕の妹も、大学に行くために車を買うかどうかという話が出ていますし、同級生で地元に残っている奴はかなりの割合で車を持っています。つまり、地方においては自動車が嗜好品というよりは生活必需品の役割を果たしてるんですね。
その中で、「生活に必要だけど高い車は買えない」という人が軽自動車を買っているわけです。軽自動車も買えないという人が原付で通勤通学するというのもあるでしょう。実際、都内に住んでいると、町中を走ってる自家用車は高級車ばかりですが、地方に行くとやたら軽自動車が多いです。
そういった中で、普通自動車と軽自動車の間の税金に開きがあるからといって、軽自動車税だけを上げるというのはおかしな話かと思います。むしろ、嗜好性の高い大排気量車などを増税すべきではないでしょうか。

見えない国家戦略

ところで世界における日本メーカーのバイクのシェアってどれくらいかご存じでしょうか。
なんと約4割なんですね。他に日本だけでこれだけのシェアを誇る製品ってあまりないかと思います。一方で国内では、三ない運動の影響やそれに伴う若者のバイク離れによって、どんどん販売台数が減っています。
そこで経済産業省が今年の8月に打ち出したのが

  1. 国内販売100万台
  2. 世界シェア50%
  3. マナー向上

を2020年に達成するという提言です。詳細は下記の記事あります。
http://www.autoby.jp/blog/2013/09/100-d063.html

世界シェア50パーセントはともかく、現状45万台の国内販売台数を2倍にするというのは中々難しそうですが、経産省では色々と政策をまとめているようです。今回のバイクの増税は、こういった流れに反するものとしか思えません。
ここで挙げたのはバイクの例ですが、4輪でも同様で、もっと大きな国家戦略という視点において、増税がどのような意味を持つかを考えてほしいと思います。どうも財源が足りないから増税で補おうという短絡的な思考しか見えてこないのが気になります。

税制度見直し余地あり

短絡的な増税は反対ですが、税制度の見直し自体は検討する必要があるのではないかと考えています。
例えば現在の二輪の税金は以下のようになっているのですが、

50cc以下 51cc-90cc 91cc-125cc 126cc-250cc 251cc以上
1000円 1200円 1600円 2400円 4000円

以前に比べてリッター車などの大排気量が増えているので、251cc以上の中でもう少し細分化すべきだと僕は思っています。
ただまあ、そもそも排気量で区分していいのかどうかあたりも含めて検討し、適正な税額を決めていった方がいいんじゃないでしょうか。

バイクに関する話題だったので過剰に反応してしまった節もありますが、僕からは以上です。


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