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矢野健太郎のたわごとblog

漫画家、矢野健太郎のなんか書いてみるblog。主に雑記とか雑記とか雑記とか。だいたいそんな感じ。

キコ/qui-co. 『Lullaby』の覚え書き2

キコ/qui-co. 8th development 『Lullaby』(2017年5月2日~5月4日)観劇の感想、恋愛要素メインでの考察いろいろ。

「不倫」がテーマ(?)なのにあまり不倫らしさ感じない。どのカップルも普通に「恋愛」な印象。

『くろがね』という「不倫特区」の設定がまさにこの物語中の「不倫」をメタ的な意味でも不問にしていて、通常「不倫」を描く際の定番(背徳感、罪悪感からの苦悩、バレへの恐怖、加害者なのに被害者意識等々)描写がごっそり省かれてて「単に既婚者どうしが淡々と恋愛をする」構造に見える。

まあ、皐月と張先生ははっきり背徳の喜びを楽しんでいた風だが。
でも『くろがね』で新田と出会って関係がバレたことで背徳感を失って恋愛感情は失速しなかったのだろうか?

また、3人組は「さあ!不倫して楽しむぞー!」なノリで『くろがね』に来てるし(宮本は嫌々)、順子もそう(みっちゃんは嫌々)。どちらもほぼ風俗にヤりに来てる感覚…だけど現実に不倫する人らってそういうノリじゃないんじゃね?知らんけど。

「不倫」という「遊び」をしたくて「人妻」や「既婚男性」探すんじゃなくて、
「たまたま恋に落ちた相手が既婚者で、結果的に不倫という形になっちゃったけど、私達のこの感情は純愛だし遊びじゃないし。世間で言う不倫とは違う」…って、世間の不倫カップルの多くが実はそう思ってるんじゃないの?「自分達だけは例外」ってみんなが思ってる。みたいな…
そうでもないのかな。俺がロマンチストなだけかな?

…で、まあ「不倫」置いといて恋愛ドラマとして見ても、恋の始まりと盛り上がりについてはびっくりするほど描かれてない。

新田とチヌは皐の仕掛けにあっさり乗って、大した葛藤も見せずにカップル成立してるし、
野花は外野を好きだけど既婚者相手だからその気持ちは抑えるし、外野も野花を特別視してはいるけど恋愛感情なのかまでははっきりしない。

むしろ皐が実は新田を愛していながら新田にチヌをあてがったり、新田を殺そうとする農夫也に代わりに自分を殺せと言ったり、本妻の方が全然ドラマあるし。

逆に外野とみっちゃんは普通に夫婦でセックスしてたし仲も良かったわけで、言うたら宮本にみっちゃんを寝取られなければ平穏に幸せだったんちゃう?とか思ったり。

あ、でも外野は「守るために」って紋切り型の理屈言いつつ「戦争に行きたいから行く」って野花に本音ぶっちゃけてるから何らかのストレス抱えてたっぽい。

みっちゃんも嫌がりながらも順子に連れられて『くろがね』に来ちゃってる以上はやっぱ日常から逸脱したい気持ちはあったということか?

宮本は最初のパーテイーのシーンでみっちゃんに出会ってて「この人はバカじゃない」とまで言ってるのに『くろがね』でテープを介して知り合った時も特別「あー!あんたはあの時の」みたいな感じは無かったような…で、いきなりキスするし。
そしてそのあとすぐ詩の応酬になってその中で恋が育つ様子の片鱗が見えるけど、次の瞬間にはもう恋人つーより親友モードでロック談義、そして『みずいろ』で結びつく心、カナリア連行に続いての二度目のキス…

…でもさ、この二人ってたぶんセックスしてないよね?
カウンセリングの場面で宮本くん「不倫じゃねえ!」って怒るし。
『くろがね』で逢瀬を重ねてたのに「不倫じゃない」と言うならプラトニックだったとしか解釈できない。
…あ、でもプロローグでは「お尻を触らせてくれ」つってたな…どっちなんだ?

お互い結婚してることは隠してたけど、そもそも出会ったのが『くろがね』なんだから不倫なのはわかってたんじゃないの?「こんな可愛い子が結婚してないわけないもん」どころじゃないでしょ?

かつて宮本がチヌにプロポーズした時贈った曲Baby Lee
oh marry marry me oh baby now I am insisting

「意味分かってる?」
何故テルテにもこの曲を?別に贈ったわけじゃないのかな?

曲で求愛「かわいそうだから」で受けたと語るチヌだったけどそれ別に「ひどーい!」ことでもないよね?

まあ、宮本夫妻はいろいろボタンの掛け違え的なギクシャク感あるけど、決定的な破局するほどの不満抱えてるほどには見えなかった。まだ爆発するほどストレスためてない感。

でもそれぞれ別の人を愛してそっちのが大切になっちゃう。
宮本が戦争から戻って「なんで帰ってきたんだろう」と思い、罪悪感も感じるチヌが一番不倫らしい不倫をしてるか。

「いっぱいチヌの夢を見た」と泣き崩れる新田にはすごく共感。
違うんです!不倫とか関係なく遠距離恋愛的にめっちゃわかるわー!な感じってことなんです!現実逃避的にも。

総じてカップル成立過程はあっさりだけど、確定してからのドラマはとても濃密。
様々な愛の形が交錯する万華鏡。

「私は絶対に忘れません。だから二度と私を思い出さないで!」
やめてやめてやめて痛い痛いイタイ(>ω<)これほんとに勘弁してください。刺さるなんてもんじゃないです。それこそ夢に出ます(´;ω;`)

ラストシーンでテルテが言った「他にも何人もと不倫してきたし」はたぶん嘘。

けっきょく誰も救われない話…のはずなのに最後には涙とカタルシス。
歌だな。やっぱ歌がズルイな。

支離滅裂ですいません(´;ω;`)
  1. 2017/05/05(金) 15:40:51|
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