会話はプレゼントであり、共感の呼び水『妻のトリセツ』
先日読んだ黒川伊保子さんの『妻のトリセツ』で面白かった部分を追加でまとめておきたいと思います。
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男性脳と女性脳の違い
曰く、男性脳は黙ってボーっとしているときにストレスが解消され、女性脳は共感されることでストレスが解消されるらしい。
そんなわけで男は家にいるとストレスを解消すべくあまりしゃべらずにボーっとしており、女はストレスを解消すべく旦那に話しかけて共感を得ようとする。
なるほど、すれ違うはずです。
私(男)も女性と話していると、話が二転三転し、いったい今何について話しているのかわからなくなることが多々あります。
特に女性が2人以上集まった場合、ついていくことはもう困難で、時々入れるときに会話に入るくらいが関の山。
あっちの話をしていたらこっちの話になり、こっちの話かと思ったらそっちの話になり、気づいたらあっちの話に戻っていて、そうすると向こうの話になってしまったりする。
かくして気づくと私は業務や家事に勤しむ始末。
なあぜなあぜ?
共感とプレゼント
著者の説明では、女性がこのようにいろいろと話題を変えながら話していくのには女性特有の生存戦略があるのだそうです。
それが、上で書いた「共感がストレスの解消になる」ということで、話を投げて、共感されることで女性は癒されているんですね。
もう一つが、自分の持っている知識を差し出すことで相手へ知識のプレゼントをしていると説明されていました。
これはどういうことかというと、女性は「この時この場で臨機応変に対応すること」に脳が適応しているようで、目の前で起きている緊急事態に対して脳がストックしている記憶から総合的に情報を処理して答えを出力することにたけているそうです。
なので何でもない知識が、緊急時にどう生かされるかわからないわけで、様々な情報を共有することが自身の、そして共同体の生存可能性を高めることにつながるのだそう。
つまり、女性たちが話すというのは、生物としての営みなのですね。
(同様に男がぼーっとしてしゃべらないのも、同じことが言えます)
ここまで書いてくれれば、私にもわかります。
つまり、面白い話なんていらないんです。
むしろどうでもいい話のほうが共感しやすくていい。
例えば「今日帰りに寄ったスーパーでキムチが安かったから買っちゃったよ。ラッキー」とか、「職場で課長と同僚がちょっとけんかしててどうすりゃいいんだろう俺」とかですかね?
相手の反応は「へーそうなんだ」とかそんな程度かもしれませんが、それで十分なんだそうです。
大切なのは、そのあと、たぶん奥様は何かを話してくると思うので、そこであなたも共感してあげること。
差し出して、共感して、差し出して、共感して、その繰り返しが大切なのだそうです。
ちなみに、あくまでも必要なのは共感で、結論が違うのは全然OKとのこと。
でも、私もついのっけから「え、それは違うんじゃない?」ってやっちゃうんですよね~。
「え、それは違うんじゃない?」は、「あーわかるわそれ。確かにそうかも。そういう風にも確かに考えられるわ。でも俺はちょっとだけ違う考え方もあると思ってて、例えば~」みたいな話し方だといいんじゃないかなって本を読んで思いました(長っ!)。
そしてこれってたぶん今話題の「アサーティブコミュニケーション」に通じるところがあるのじゃないかなって思ったりします。
では男はどう休む?
こう書いていくと、「じゃぁ男はいつ休むんだ?」という話になりそうですが、ほんと、どうすりゃいいんでしょうね?(笑)
やっぱり相談して一人の時間をもらうとか、仕事帰りに少し一人時間を作るとか、そういう工夫が必要なんじゃないでしょうか。
あるいは、著者の作品に逆視点で書かれた『夫のトリセツ』もあるので、奥様と一緒に読まれるのもいいかもしれません。
こちらを読むと、結構「あー、俺ってこんなかも」と自己理解が進み工夫の糸口がつかめる可能性もあります。
おすすめです。
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