06年の交通事故発生は8859件-5年ぶりに8000件台(山形新聞)
2006年の交通事故死者、51年ぶりに6千人台前半(読売新聞)
昨年・東北交通事故死者 48年ぶり500人台に減(河北新報)
昨年(2006年)の交通事故の関係の話題の一つは、なんといっても交通事故による死者数が51年ぶりに6,000人台の前半(6,352人)になったことだろう(飲酒運転の話とかはひとまず置いておく)。
東北6県に限って見ても、死者は600人を切った(527人)。これは48年ぶり。
さらに山形県に目を移すと、鳥取、島根といった死者数下位の常連県に続いて全国3位というすばらしさ。死者57人と、60人を割ったのは49年ぶりだそうな。
しかし一方で事故件数を見ると、全国的、そして山形県も減少に転じた(全国は2年連続で減少)が、死者数が平成8年に1万人を割ってから猛烈に減少していった(10年間で2/3以下)のに対して、事故件数そのものはようやくピークを越えたかどうかといった状況だ。
この捉え方は恐らく2つあって、「事故が起きても致死率が下がった」というのと「大事故が減って小規模な事故が増えた」というもの。
前者は警察さんがよく言う話であるのだけど、例えば「シートベルトの装着率の上昇、啓蒙活動によって死亡事故が減っている」というものだったり、「救命救急の向上によって助かる命が増えた」というもの。なるほど。シートベルトの話は嘘くさいと思うけど、これは確かに一理あると思う。
しかし、後者のような部分もかなりあるのではないかと考えている。例えば県内の昨年の交通事故死者を見ても、65歳以上の高齢者の割合は依然として4割を超えているなど、高齢者が事故に関係する割合は非常に高い。こう書くと失礼にあたるかもしれないが、間違いなく「事故に遭いやすい」人が今後も増えていくのだ。さらに書くと、こうした高齢者は事故の当事者にもなりやすいのではないかと思う。それは反応速度の低下とかまあもろもろあるだろうが、素人の推測でも、飛ばしたがりの若者と同じくらい高齢者の運転は怖いものがある。九州管区警察局がまとめた交通事故発生状況によれば、事故の第一当事者となる高齢者はやはり増加傾向のようだ。「事故に遭いやすい」「事故を起こしやすい」人たちが増えていく以上、事故件数の減少はかなり難しいのではなかろうか。
そして、いちばん嫌なのが、この昨今の「交通事故の死者数が減った」というのを世の中の人が「事故が減った」と勘違いすることだ。車を運転する以上事故の危険は常に隣り合わせだし、いつ自分がその身になるかわからないことを肝に銘じておかないとまずいよね。