日本企業70社に賠償命令の可能性も 徴用工勝訴

 日本による朝鮮半島統治時代に「強制労働させられた」として、元徴用工の韓国人4人が新日鉄住金(旧新日本製鉄)に損害賠償を求めた訴訟の差し戻し上告審で、韓国最高裁は30日、同社に賠償を命じた2審判決を支持して同社の上告を棄却し、賠償支払いを命じる判決が確定した。これを受け、日本企業の間に不安が広がっている。同様の訴訟を抱える三菱重工業など約70社も賠償を命じられる可能性が高まったからだ。

 悪化する日韓関係は重大な経営リスクとなるため、韓国への新規投資や進出を検討する企業も及び腰とならざるを得ず、影響は広範囲に及ぶ可能性がある。

 新日鉄住金は30日、判決を受けて「極めて遺憾」とするコメントを発表した。今後の対応は「判決内容を精査し、日本政府の対応状況なども踏まえ、適切に対処する」とした。

 新日鉄住金は、連結売上高の約3%を韓国向けが占めるが、韓国国内には製鉄所などの目立った資産を保有していない。このため仮に差し押さえが実行されたとしても、経営への影響は少ないとみられる。

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