統一地方選

「選挙権行使できず残念」…昭和22年以来の無投票に落胆する、投票率100%の鹿児島県三島村

村議選が無投票となった鹿児島県三島村の3離島の一つ、黒島(滝口亜希撮影)
村議選が無投票となった鹿児島県三島村の3離島の一つ、黒島(滝口亜希撮影)

 3つの離島(竹島、硫黄島、黒島)に村民が住む鹿児島県三島村の村議選では、定数と同じ7人が立候補し、無投票となった。村によると、記録で確認できる限り、戦後、村議選が無投票となるのは昭和22年以来2度目。これまでの投票率は、寝たきりの人などを除いて「実質100%」と、村民の高い関心を集めてきただけに、68年ぶりの無投票という結末に、驚きと落胆の声が上がった。

 「えっ、無投票なんですか?」。25日の黒島での繰り上げ投票日に立会人を務める予定だった山田馨さん(55)は、思わず聞き返した。村議選は過去に無投票となった例がほぼない上に8人が事前審査を受けており、「選挙が濃厚」とみられていたためだ。

 だが、実際に告示日の午後5時までに立候補を届け出たのは7人で、無投票当選に。村職員も「予想外」と話し、こう続けた。「村の人にとっては選挙があった方が良かったのでは…」

 三島村は人口約370人の小さな自治体だが、村議選の投票率は平成15年が98.11%、19年が98.33%、23年も98.21%と、9割の後半で推移している。

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