鷹のガチャピン誕生が、いよいよ目前に迫ってきた。ソフトバンクが明日19日、北海道・札幌市内のホテルで日本ハムからFA宣言した鶴岡慎也捕手(32)の獲得交渉に臨むことになった。日本ハム残留の道を絶ち、新天地を求めた鶴岡に対し、ソフトバンクは複数年契約など好条件を提示するもよう。15日には競争相手だった阪神が撤退。一本釣り状態となれば、ソフトバンク入りが決定的となる。
「ソフトバンク鶴岡」誕生へ、明日19日に、大きな節目を迎える。ソフトバンクの球団首脳が札幌で、鶴岡に獲得への熱意を伝える。条件面についてはベールに包まれたままだが、複数年契約を提示するのは確実で、資金力も豊富なだけに、好条件を準備したもようだ。
ソフトバンクにとっては、是が非でも迎え入れたいところだ。今季91試合に出場した山崎がFA宣言し流出する可能性がある。チームは来季4年目を迎える21歳の山下の成長に期待しているが、打撃が課題の細川、経験の少ない高谷と支配下捕手は3人と手薄。鶴岡の今季年俸は7600万円(推定)で人的補償を求められるBランクとみられるが、経験豊富で今季打率2割9分5厘と打撃面でも成長する鶴岡は喉から手が出るほど欲しい選手だ。今季日本ハムで選手会長を務めた人柄は、若返りを進めるチームの精神的な支えともなる。
当初は争奪戦のライバルだった阪神が撤退を表明し、ホークスの一本釣りの状態。愛着のある日本ハム残留の退路を断って、FA権行使に踏み切った鶴岡にしてみても、ソフトバンクは意識しないはずがない球団だろう。元エース、ダルビッシュ(レンジャーズ)の専属女房として札幌での人気者は、鹿児島出身。99年夏の甲子園では現広島の上野弘文投手と樟南でバッテリーを組み4強入りし九州のファンを沸かせた。関係者によれば小さいころから地元のソフトバンクでのプレーが夢だったという。
鶴岡は「早く落ち着きたいのはあるがじっくり考えて決めたい」と話しており、明日即決する可能性は限りなく低い。ただ、“相思相愛”だけに、鷹のユニホームに袖を通す日も、遠くはなさそうだ。