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3.福利厚生を賃金換算すれば納得できる♯【手取り賃金が望む生活水準を満たしている】

❐報酬水準 ―対価軸『いい会社はどこにある?』

情報提供
独身寮の型掲載用1枚目
独身寮の型と役割

報酬に準じた福利厚生として金額換算すると大きいものは、やはり住宅関連である。雇用の流動化や会社選びという点で、企業に実態を強制開示させるべき情報の1つであるが、これも社員を取材しない限り、まったく外からはわからない。昨今では、一体感醸成のため集合生活の独身寮が新設される傾向がある一方で、住宅補助はカットされて給与に組み入れていく流れがある。

Digest
  • 住宅補助は縮減傾向
  • 再定義される独身寮「積極干渉型」
  • 生活扶助型
  • 隔離教育型
  • 住宅補助全廃組
  • 転勤者向け住宅手当
  • 自社サービス使い放題系
  • 社宅廃止の動き&持ち家との公平感
  • 住宅補助が手厚い会社
  • アパレル会社「7割引きで買える!社割の威力」

住宅補助は縮減傾向

筆者は記者時代、福岡で約5万円、東京で約9万円の家賃補助が出ていた。法人契約で敷金礼金なども会社持ちだから、会社を辞めると出ていかなくてはならなかった。住む場所まで会社に管理されていた様は、「社畜」と呼ぶにふさわしい。外資(PWC)に転職してからは福利厚生の類は一切なかった。

日本IBMは、もともと日本人社長が日本法人の裁量を任されて成長した歴史があり、日本企業以上に手厚い福利厚生があった。転勤と関係なく、独身者でも10万円以上の物件で7万4千円の補助が出ており、筆者がプロマネを務めていたプロジェクトのメンバー※もこれを貰っていて、「福利厚生、あったかいですよねぇ」と言っていた。

その後、業績が悪化して初の外国人社長(マーティン)が送り込まれ、住宅補助は廃止された。ようは、カルロス・ゴーンみたいな役割で、コストカッター役だった。

「借上げ社宅制度の廃止は、マーティンが1人で決めたというんです。役員たちも反対し、署名を集めて抗議したけれど、無視されたそうです」(元若手SE)。代わりに一律で47500円が本給に組み入れられたものの、課税対象になったことで重税感が増し、実質的に半減。

このように住宅補助費は、成果主義の流れのなかで全般的にカットされる傾向にある。仕事の成果とは直接、関係ないからだ。

※IBMがPWCコンサルティングを2002年に買収してIBMビジネスコンサルティングサービス(日本IBMと兄弟会社)になった。日本IBMのコンサル部門に在籍していた人たちは、旧PWCとの混成チームに。完全に会社が統合したのは2010年である。2012年に就任した外国人社長マーティン・イェッター氏が、福利厚生カットを断行した。

住宅関連で絶対額として大きいのは、外資金融で一般的な「ハウジングベネフィット」※である。

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第3章対価軸の構成(本稿は単行本『いい会社はどこにある?』の元原稿《一部アップデート最新版》です)

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