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コラム

2024.12.25

企業のAI活用における3つの検討テーマとは?

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ChatGPTの普及などにより、企業の業務においてもAIの活用が身近になってきました。用途・アウトプットごとの専門AIツールが次々と登場し、企業が普段利用するツールにもAI機能が搭載されたことで裾野が広がり、なにかしらAIに触れたことのある利用者は急速に増えています。本稿では企業がAI活用をする際に検討すべき3つのテーマを紹介し、解説します。

企業のAI活用における3つの検討テーマ

企業がAIを活用する際に検討するテーマは大きく3つあります。社員の日々の業務におけるAI活用、AI活用による自社の業務システムの刷新、AIを前提とした新規事業の検討の3つです。テーマごとに検討の際に注意するポイントやケイパビリティが異なります。

1.社員の日々の業務におけるAI活用

既に全社導入済みのツールに付属するAI機能の利用、文字起こし・画像生成・音声認識による議事録作成など用途ごとに特化したツールの利用、がこのテーマにあたります。このテーマでは基本的には多くの社員が対象となるため、ガバナンスと利用スキルの観点がポイントとなります。

ガバナンスの観点では、そもそもどのツールの利用を許可するのか、使う際の制約事項などが検討事項になります。AIはインプットによって学習するものであるため、機密情報や個人情報などをAIに入力してしまうとそのデータが蓄積され、意図しない別のアウトプットで活用されてしまう可能性があります。そういったリスクを勘案した上で、一定の統制を設計し、その中で社員の活用を検討する必要があり、加えてAIの仕組みに関する一般的な内容を社員に対して研修する動きもよく見られます。

利用スキルについては、いわゆるプロンプトエンジニアリングが挙げられます。AIは入力に対してそれを解釈しアウトプットを出すため、求めるアウトプットを得るためには、入力にあたる「指示」「質問」を適切にする能力が利用者に問われることになります。これは個々の能力差に依存してしまうため、ツールの利用を許可してもうまく使えずに業務効率が上がらない人が出てしまう可能性があります。

2.AI活用による自社の業務システムの刷新

企業の業務システムにおいてはSaaSの活用が増えているとはいえ、独自のビジネスモデルや専門性の高い事業・業務プロセスなどの場合、SaaSではマッチせず自社で業務システムを構築する企業も少なくありません。

SaaSであれば各ツールベンダーがAI機能をアップデートしてくれますが、独自の業務システムの場合は自社でAIを導入していく必要があります。この場合に重要になるのは業務プロセスの整理です。自動化や簡素化においては、「営業」「問い合わせ対応」「提出書類チェック」などまずは大きな単位で業務を整理します。特にその中でも人海戦術で行っている業務や繰り返し行っている業務などを優先的に検討することが望ましいです。

各業務において、現状の業務システムが持つ機能と業務手順そのものの整理を行うことで、業務のゴールと1つ1つの工程(インプット・処理・アウトプット)が分解されて洗い出すことができます。洗い出した工程の中で、どれがAIによって効率化・自動化できそうかを検討します。結論として、業務システムのAI化が必要なこともありますし、前述の一般的なツールのAI機能で事足りる場合もあるかと思います。

マイクロウェーブでは業務プロセス整理を踏まえた業務システムの開発、AI開発の実績があり、この領域を特に得意としております。お気軽にご相談くださいませ。

3.AIを前提とした新規事業の検討

新規事業のどの部分でAIを活用して新たな提供価値を生み出すのかについては、個別事業に関する検討が前提ではありますが、一例としてリーンキャンバスやサービスブループリント、データプラットフォームに関する検討を挙げます。

リーンキャンバスではビジネスモデルを俯瞰して整理することができるため、その過程でどこにAIの要素を入れ込むのかを検討することができます。サービスブループリントでは顧客への価値提供プロセスが整理できるため、どのポイントがAIで行われるのか、あるいはAIによって高い価値を生むのかを検討できます。データプラットフォームはAIに欠かせない基本的な部分でありますが、どのようなデータを蓄積し、どのAIで活用するのかを検討することができます。

AI活用は「目的」の整理が第一歩

AI活用と聞くとまず技術的な部分をイメージされるかもしれません。ただ本稿で解説した通り、まず検討すべきは「何にAIを使うのか」の整理です。具現化するためには技術力が必要ですが、目的なくAIを活用することはできません。

AIを事業に活用できるのではないか、と漠然とイメージされているのであれば、目的の整理をされることをおすすめします。マイクロウェーブでは伴走型で、AI導入のPMO、業務整理・設計からAI化のPoC、具体的な開発(AI部分・業務システム全体)、システム運用、体制支援など幅広くご支援可能です。ぜひご相談くださいませ。

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この記事の著者

マイクロウェーブ マーケティングチーム

マイクロウェーブ マーケティングチーム

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