経歴書はとても個人的な文書です。おそらくあなたは、自分の人となりを伝えたいと思うでしょう。しかし、不要に飾り立てられていたり、応募する仕事に関係のある経験があいまいだったりすると、経歴書を読む人は、ただちに読むのをやめてしまうでしょう。なによりも、わかりやすさに力をそそぎましょう!

実際、私は人の経歴書を読むときにはいつも赤ペンを入れてよいか聞くことにしています。人の暮らしがかかったものを編集するとは何様のつもりだと思われるでしょうか。そうはいっても、職業相談員による経歴書の扱い方と、応募後の人事担当者による経歴書の扱い方は違うのです。請け合ってもよいくらいです。私は今まで、実に多くの採用担当者と話をしてきました。ここに述べるのは、そこで私が学んだ、確かな真実です。

必要以上に豪華なデザインは避け、わかりやすさに重点を置く

応募職に関連のある経験、教育、技能を一目で見つけられないような履歴書は、真っ白な経歴書と変わりません。自分の経歴書を少しだけ目立たせたいという気持ちはわかります。しかし、InDesignで独創的な経歴書を作るのは適切な方法ではありません。Google社の人事部長の言葉のとおり、「デザイナーや画家の職に応募するのでない限り、経歴書はすっきりとして読みやすいものになるよう注力すべき」なのです。

言い換えると、型破りなフォーマットは避けるべきです。そんなことよりも、経歴書の前半部分に最大の効果をもたせるよう努力したほうが、はるかに良い結果になるでしょう。たとえば、そこに経歴書の概要として最も関連性の高い資質を書いたり、一番応募職に関連深い経験を経歴書の最初のセクションに集めて、残りを「付加的な職歴」に分けたり、という具合です。奇抜なことをせず、昔ながらの経歴書のフォーマットの枠内で最高の内容にしようとする限り、問題はないでしょう。

自分の経験が応募職に特に関連性がある理由を明瞭に述べる

あなたの経験が応募の動機とどう繋がっているのか、ということが即時にわからなければ、あなたに代わって関連性を考えてくれる人はいません。他業種から転職したいのか、単に役者不足なのかに関わらず、採用担当者が経歴書を見た最初の反応が混乱であれば、うまくいく見込みはありません。

ですから、読んでくれる人に向けて解説しましょう。あなた自身には、今あるスキルが今回の応募職種にどう応用できるのか、または、仕事の経験年数相当以上のスキルを持ってるのはなぜか、といったことについて考えを持っているでしょう。ですが、それを経歴書にしっかり書かない限り、採用担当者は書いてある情報のみからあなたの意図を理解することはできないでしょう。そして、あなたが直接会ってそれを説明するチャンスも来ません。

何か解決策はあるでしょうか? それは、シンプルで客観的な書き方をすることです。もしあなたの応募した職種が、今までの職歴から見ていかにも当然なものである場合は、客観的な説明をする必要は全くありません。あるいは、「革新的な急成長企業である御社に私のスキルをもってお役に立ちたく」などの決まり文句ばかりを書くときも同様です。もしあなたの経歴が、今回応募している職種に照らしてやや特殊である場合は、簡潔にその理由を説明しておくことで、なんとか面接試験まで進むことができるかもしれません。もし、経歴書の添え状に経歴書の意図を説明する機会があるのなら、状況によっては、それもまた考慮すべき手段です。

経歴書を一瞥した印象を考慮する

あなたの経歴書がざっと見るのが難しいものであれば、おそらくまったく読まれないでしょう。採用担当者が経歴書を読むのにどのくらいの時間を費やすかということについて、何回か議論をしたことがありますが、すべての人が、20秒以上は見ないだろうという点で同意しました。求職者にとって、これはどういう意味でしょう。経歴書はできるだけ読みやすくなくてはいけないということです。それこそ、一目でわかるくらいに。

フォントサイズを、読めるか読めないかくらいに小さくしてはいけません。1ページにどれだけ詰め込めるかを誇ってみたところで、だれも読んでくれないのでは仕方がありません。箇条書きの一項目が三行以上の長さになってしまってはいけません。二行はぎりぎりですが、読まれたいなら一行です(「就職・転職活動で差をつける。企業に一目置かれる履歴書の作り方」もご参照ください)。

専門家ではなく、素人に向けて書く

採用マネージャに自分の経歴書を読んでほしければ、まずは人事部の書類選考をパスしなければいけません。そのためには、その分野の素人にも、経歴書に書いてあることが分かるようにしなくてはいけないのです。複雑なサプライチェーンの管理ができるとか、複合的なアルゴリズムをプログラムできるとか、最先端のナノレーザー研究ができるとか、そんなことは関係ありません。技術職ではない人事担当者にも経歴書に書いてあることが十分に分かるようにし、正しい行き先に振り分けてもらわなければ、素晴らしい業績も採用マネージャのもとへは届かないのです。

つまり、専門用語は避け、文脈を適切に示し、結果に集中することです。求人広告を有効活用しましょう。キーワードを見つけ、自分の仕事を、彼らと同じように説明するのです。専門用語を使うのが楽しいというのはわかります。長年その分野にいると、言わなくても大体わかるようなことも出てきます。ですが、その業界の枠からちょっと出てみて、部外者の目で経歴書を見てみるようにしましょう。人事部の人がやりやすいようにすれば、あなたの応募の処理もスムーズになるでしょう。

自分の連絡先は入念に確認する

最後に。採用担当者が求めるすべてをあなたは備えているのに連絡がとれない、という事態は避けましょう。自分の連絡先情報は必ず2回確認し、メール等の送信テストもしましょう。誤字はいつでも良くないものですが、連絡先情報の誤字は最悪です。就職活動をして何ヶ月も経ってから自分のメールアドレスが間違っていたことに気づくと、本当に打ちのめされます。そんなことが起こらないようにしましょう。

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Lily Zhang(原文/訳:Conyac

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