私は現在、東京に住んでいますが、以前に暮らしてから「第2の故郷」として京都をこよなく愛しています。大好きな京都の素晴らしさをみなさんにお伝えできればと思い、今回は「秋のライトアップ」について取り上げてみました。言わずもがなですが、秋の京都、お勧めです。
ライトアップしている寺社を「行きやすさ」で分けてみた
たとえば、記事トップの写真は春・秋にライトアップを行っている青蓮院門跡。庭園にある池の中央には、二千貫(7500kg!)に近い大石があり、あたかも沐浴する龍の背のようであることから「龍心池」と命名されたのだそう。
京都には世界文化遺産として有名な17カ所の寺社があります。それ以外にも素敵な寺社が市内の各所にたくさん点在しています。今回はライトアップしている寺社を、「そうだ 京都、行こう。」と心動かされている方をはじめ、もう京都に足繁く通っているけれどさらに想いを深めたい方まで、歩を進めやすいように「行きやすさ」でピックアップしてみました。
1.とても行きやすい:東山三条~五条
・京阪祇園四条駅や阪急河原町駅からタクシーで15分ほど
・京都駅発のバス本数も多いです
・ざっくり清水寺付近(徒歩での移動が可能な距離)
青蓮院門跡
個人的に一番お勧めな青蓮院。三千院、妙法院と共に、天台宗の「三門跡寺院」とされています。特長的な青色のライトアップは、全国を探してもなかなかなく、京都では青蓮院門跡のみ。写真をご覧いただくとわかるように、見所である苔庭はまるで星空のように青く瞬き、異世界に潜り込んだような気持ちになります。
青蓮院門跡は竹林も良いです。竹林でのライトアップとしては、後に書きますが「嵐山花灯路」もお勧め。竹取物語の世界に居合わせたらこのような感じなのか...と、想像やら妄想やらを膨らませることができる幻想的な空間です。
青蓮院は江戸時代に仮御所として使用されていた由緒ある場所です。庭園は4つの庭で構成されていて、中でも「霧島の庭」が有名。秋のライトアップも良いのですが、5月の連休時には霧島つつじが一面を真っ赤に染めます。その頃にもぜひ見に行ってほしいですね。
高台寺・圓徳院
豊臣秀吉の妻・ねねの終焉の地。「高台寺と言えば庭」というほどに有名な庭の中でも、鏡のように周囲の木々を映し出す池が人気。昼は昼で良いのですが、夜にライトアップされた姿は幻想的で、艶やかな美しさに惹き込まれます。
清水寺
一番の見所は「清水寺の舞台」で有名な本堂。京都市内が一望でき、春夏秋冬で見える景色が異なるため、どの季節に行っても楽しめます。近隣にある、恋愛成就で知られる地主神社も人気。「恋占いの石」をぜひお試しください。
総本山知恩院
知恩院の大鐘は、「ゆく年くる年」で中継される除夜の鐘としても有名。日本三大名鐘の一つであり、70トンもある大きさは圧巻。また「知恩院の七不思議」もあるので、併せて覗いてみてはいかがでしょうか。
2.割と行きやすい:哲学の道、銀閣寺周辺
・京阪祇園四条駅や阪急河原町駅からタクシーで25分弱
・京都駅発のバス本数も多めです
永観堂
「もみじの永観堂」で知られるように、京都・東山随一ともいえる紅葉の名所。紅葉シーズンの観光者数は相当なものです。境内には約3000本の楓があり、特に「放生池」周辺の楓が美しいとされています。境内の弁財天付近からの景色が良い。近くにある南禅寺にもぜひ足を伸ばしてみてください。
期間:2014年11月8日(土)~12月4日(木)
時間:17:30~21:00(受付終了 20:30)
場所:京都市左京区永観堂町48
交通:アクセス詳細
補足:昼間とライトアップは入れ替わり制なので、継続しての参拝は不可
3.まだ行きやすい:東福寺周辺
・京阪電車かJRを使用+徒歩15分ほど
御寺泉涌寺別院 雲龍院
2つの窓を楽しめる、皇室ゆかりのお寺。JR東海による2009年のCM「そうだ 京都、行こう。」にて、その1つである「悟りの窓」が使用されていたので見覚えがある方も多いのでは。もう1つは、人生における苦しみを象徴している「迷いの窓」という四角い窓。非常に興味深い窓ですね。また、写経体験も楽しめます。
勝林寺
毘沙門天を祀っていることから「東福寺の毘沙門天」と呼ばれています。予約すれば、坐禅や写経、精進料理が楽しめます。予約はこちらから。
4.可もなく不可もなく:嵐山駅周辺
・嵐山駅からタクシーでの利用がお勧めです
・嵐山周辺をまとめて観光できます
・記事後半に登場する「トロッコ列車」も合わせてぜひ
・大阪から向かうなら阪急電鉄の京とれいんがお勧めです(土日祝のみ)
京都・嵐山花灯路
何と言っても、野宮神社から大河内山荘庭園に至るまで続く竹林のライトアップが幻想的。また、嵐山の観光名所として有名な橋である「渡月橋」周辺一帯の山川におけるライトアップが美しいですね。
宝厳院
天龍寺の塔頭である宝厳院。その「回遊式山水庭園」は、「獅子吼の庭」と呼ばれる紅葉の名所でもあります。訪れた際はぜひ庭園内に横たわる「獅子岩」を目を凝らしてご覧ください。獅子の姿が頭に浮かんでくると評判です。
旧嵯峨御所 大覚寺
南北朝時代に、南朝の「嵯峨御所」として使用されたお寺。日本最古の「林泉式庭園」で、日本三大名月観賞地であることから観月の名所としても有名。華道にお詳しい方はご存知かもしれませんが、いけばな嵯峨御流の総司所としても知られています。
5.いくらか遠出:金閣寺、平野神社周辺
・電車もバスの本数も多いです
・ただ、駅が有名どころではなく、少し離れた位置にあります
北野天満宮
言わずもがな、学問の神様とされる菅原道真が祀られた神社。受験生などの祈願、絵馬の奉納が絶えないようです。受験生のお友達やお子さんがいらっしゃる方は、お守りを買うためにぜひ立ち寄られてはいかがでしょうか。福岡にある太宰府天満宮とともに天神信仰の中心地です。
6.間違いなく車やタクシーの利用が便利
・京都駅発のバスでも1時間以上
・車があれば問題ないです(ただし、カーナビ必須かと)
宝泉院
宝泉院といえば「血天井」で有名。関ヶ原の戦いの前哨戦ともいわれる「伏見城の戦い」で、徳川家臣・鳥居元忠をはじめとした忠臣数百名が自刃。自刃した際の床板を天井に祀り、武将たちの霊を慰めています。樹齢700年の五葉松や、庭園を額縁に見立てた「額縁庭園」も有名。
高雄山神護寺
空海(弘法大師)が14年間住持したお寺。国宝の薬師如来像をはじめ、平安~鎌倉時代の仏像、絵画、書跡などが多く残っています。付近にある、『鳥獣戯画』で有名な世界遺産の高山寺も併せてぜひ。
おまけ:列車から鑑賞できる珍しいタイプのライトアップ
都心部から少し離れますが、嵐山周辺の山林を走行する「トロッコ列車」や、京阪本線の出町柳駅から比叡山まで続く「叡山電鉄」の中から楽しめるライトアップです。お寺でのライトアップとはひと味違う楽しみ方ができるかと。私はトロッコ列車に乗った際、車内の一体感にとても興奮しました。
嵯峨野観光鉄道
山と渓谷、四季に彩られた25分間のトロッコでの旅。日没から最終便までの時間が短いのでご注意ください。
貴船もみじ灯篭
叡山電鉄の市原駅~二ノ瀬駅間(250m)の「もみじのトンネル」を楽しめます。「あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな」という百人一首で有名な和泉式部が、恋を祈り参詣した道とのことで、「恋の道」と呼ばれているようです。中学時代から百人一首好きである私としてはたまらないですね。ロマンチックだなと。
期間:2014年11月8日(土)~11月30日(日)
時間:日没後~21:00
場所:貴船神社(住所で表しにくかったのでこちらで)
交通:アクセス詳細(叡山電鉄「出町柳」駅から鞍馬行きにて「貴船口」駅で下車)
京都はざっくり地図を把握していると一層楽しめる
京都は縦横の通りで区切られていて、非常にわかりやすい土地。ですので、ざっくりと地図を把握できていれば、京都の旅は一層楽しめます。京都の通り名を盛り込んだ童歌もあります。「まるたけえびすにおしおいけ~♪」と、映画『名探偵コナン 迷宮の十字路』で和葉ちゃんが歌っていました。
観光スポットとして年中人気の京都も、紅葉のシーズンは特に混雑するので注意。個人的には、ストレスが軽減されますし、連休は避けた方が楽しめるかと。移動手段は、圧倒的にタクシーが便利。中でも「MKタクシー」がお勧めで、配車アプリもあります。電話での配車依頼もできますが、混雑時はなかなか捕まりませんので、可能な限り事前予約をしておくと良いでしょう。時間がある方は市バスを攻略するといいかと。全体図はこちら。
お寺巡りの新しい楽しみ方:「朱印帳」を持っていく
寺社を参拝した際にいただける「御朱印」には、期間限定などさまざまな種類があるので、収集癖がある方にはたまらないかもしれません。具体的には八坂神社の「御朱印のご案内」をご覧になってください。
御朱印をいただくには「朱印帳」が必要です。朱印帳には、たくさんのデザインがあるので、自分だけの朱印帳作りを楽しめます。ウェブでも買うことができ、高野山に実店舗がある法徳堂や御朱印帳専門店といったサイトを参考までに。私は切手収集が趣味で、かさばらないものを集めるのが大好きなので、京都在住時にハマっていました。
食事や旅行プランはこちらを参考までに
私が以前、京都についてまとめた記事を共有しますね。お食事処などの参考に。
(「ぶっ飛んでいた方がおもしろい」より)
以上。そこの京都へ行ってみたくなったあなた。家族旅行でもデートでも一人旅でもぜひ。私はよく一人で行って存分に楽しんでいます。京都はええとこですえ~。おいでやす~。
(熊本愛華)