Dumb Little Man:認めたくないことですが、私は人からイラッとさせられることがかなりよくあります。知らない人や知り合いだけでなく、大切な人からもです! 一体みんなどうしたっていうのでしょう。いったい何が原因なのか、長年疑問に思っていました。
今では、かなりわかるようになりました。誰かにイライラさせられたり、ムカつくことをされたりする時は、たいてい自分自身で気づいていない原因があるのです。
心理学では、この投影のことを「ミラーリング」と呼んでいます。人間は、自分について知らなければならないことを誰かに投影しているので、それを相手の中に見るのです(一方で、自分の中にその原因行動を見る時は「プロジェクションリコール」と呼びます)。
ミラーリングの場合は、実際の鏡と同じように、相手が鏡だと考えてください。鏡を見るまでは、自分の姿をハッキリと見ることはできません。鏡は単純に、そのままを反射しているだけなのです。それでは試しに、ミラーリングを使って自分のことを見ていきましょう。
1.イラっとさせられた時を思い出して、具体的に書き出してみましょう
相手がどんなことをしたから、嫌な思いをしたのですか? 個人的な例をあげると、私の同僚は、私が核心について話す前に割って入ってきました。彼女は、目の前の仕事について理解していないのに、自分で別の間違った解決法を思いついたので、私に最後まで十分に説明させなかったのです。
この状況で、何が本当に嫌だったのか自問自答しました。答えは、「彼女が話を聞かなかったこと」でした。
2.相手の名前(もしくは彼/彼女)を自分に置き換えてみましょう
相手が鏡になっていることをわかりやすくするためです。例えば、上記のケースだったら「私は話を聞いていなかった」と書きます。そして、自分に正直になって、自分のエゴを言ってみましょう。すぐに私は、人の話を最近は聞いていなかったことに気が付きました。
3.なぜそんなことをしたのか自問自答します
答えが思い浮かばなくても、問い続けます。最後には、答えに気付くはずです。私は、人が話している間、理論的な説明や知的な返答をするために、話を聞いていないことがよくありました。自分が馬鹿っぽいことを言うのが怖かったのです。エゴ丸出しです。答えにはだいたい「恐れ」や「恐怖心」が付き物です。ですから、自分が何を恐れているのか、自分に問い詰めてみましょう。
4.友達や大事な人に進言するところを想像します
「相手の中に自分を見る」だけでなく、「自分よりも相手を救う」のが簡単なことも多いです。ですから、その行動に関して、友だちや大事な人に、自分が進言しているのを想像してみましょう。
それから、自分に対してその言葉を伝えてみます。例えば、私は友だちに「間違ったことや馬鹿げたことを言ったとしても、人にどう見られるかなんて気にしなくていいよ。相手の話を真摯に、誠実に聞いていれば、相手もあなたに誠意ある言葉で返してくれるはずだよ」と言っているのを想像しました。それから、この言葉を自分に対して言いました。
5.自分に関して気が付いたことを忘れないようにするために、アファメーションを作りましょう
優秀で経験豊かなライターでなくても、自分用の「アファメーション(自分への宣言)」を作ることはできます。ただし、大事なルールがいくつかあります。アファメーションは、シンプルで、ポジティブで、現在形を使うこと。上記の3で自分に問いかけた「なぜ」の答えを必ず入れること。
私の場合はこんなアファメーションを作りました。「私は相手の言っていることに真摯に耳を傾けます。自分にできる精一杯の答えを返します」そして、アファメーションを声に出すか、頭の中で1日に何度も言いましょう。
6.自分の姿を映し、自分を変えてくれた人に、心で感謝しましょう
ネガティブでイラつくエゴの感情が、ポジティブな感謝の気持ちに変わります。
ミラーリングの驚くべきところは、自分に対して意識を向けた後は、相手に対してイラついていた気持ちがなくなることです。相手に対してムカついていないどころか、自然と感謝の気持ちが湧いてきます。私も、自分をイラつかせて、自分自身のことに気付かせて、素晴らしい贈り物をくれた人に、心から深い感謝の気持ちを抱いています。
イライラを幸せに変える練習を
この練習に関して覚えておいてほしい大事なことは、例外がないということです。もしあったとしたら、特に自分には言いたくないような難しい状況なので、見逃してしまっているだけです。「これはきっと例外なんだ。だから自分には何も原因はない。この人は本当に馬鹿なんだ。つまるところ、自分は優秀だからこの人にイライラさせられるんだ」なんて、違います。誰かに対してイラつく時は、必ず相手は自分自身の鏡です。例外はありません!
最初は、自分が人に対してそんな嫌なことをしているなんて、受け入れたくないような状況もあるかもしれません。しかし、すぐにその痛みは消え、自信に変わっていきます。相手がどんなことをしても、自分が被害者になることはないのだということに気付きます。なぜなら、その状況を自分自身の成長に変えることができるからです。
これで、同僚や友だちや大事な人にイライラさせられても、相手は自分が変わりたいと思っている姿を映している鏡に過ぎないのだと、冷静に思い出すことができるでしょう。イライラを幸せに変えられるかどうかは、自分次第だということです。
6 Reasons Why People That Annoy You Can Make You Happy|Dumb Little Man
Karen Eller(訳:的野裕子)
Photo by Thinkstock/Getty Images.