冬に室内で快適に過ごすには、湿度のコントロールが大切だということは、ご存知の人も多いでしょう。肌にも、喉にも、身体的な健康にとって、湿度がとても重要です。また、人間の体だけでなく、室内が乾燥し過ぎると、家具や家自体も劣化していきますし、細菌やウィルスも繁殖しやすくなります。快適な湿度を保つ方法をご紹介しましょう。

■湿度が低過ぎる場合

冷たい空気というのは、温かい空気に比べて水分を保ち難いので、冬は空気が乾燥するのです。寒い時には暖房を付けて部屋を温めようとします。すると、暖房の熱で空気中の水蒸気が蒸発し、室内は乾燥します。乾燥した空気は、湿度のある空気よりも寒く感じるので、さらに部屋を温めようとする悪循環になるのです。

室内を加湿する方法
  • 蒸発を利用する

    部屋を加湿する一番簡単な方法は、暖房器具の上や隣に、水の入った器を置くことです。また、生活感漂う方法ですが、洗濯物や濡れたタオルなどを室内に干すのも、手っ取り早い方法ではあります。かなりアナログ&ローテクな方法ですが、使えるものは使った方が効率的ですし、お金も掛からないので経済的です。

  • 加湿器を置く

    誰もが最初に思いつきそうな、最も一般的な方法です。加湿器は、大きく分けて「スチーム式」「気化式」「ハイブリッド式(スチーム+気化)」の3つの種類があります。スチーム式は、即効性がありますが、消費電力が大きく、水を入れるタンクが汚れやすいのでこまめな掃除が必要です。気化式は、即効性はありませんが、消費電力も少なく、手入れの頻度が少なく(不要なものもあり)楽です。ハイブリッド式は、湿度が低い時はスチーム式で素早く加湿し、湿度が安定してきたら湿度を一定に保てる、良い所取りの加湿器ですが、まだ価格が安定していないようです。自分のニーズに合った加湿器を選びましょう。

  • 家全体で加湿コントロール

    いわゆるセントラルヒーティングの湿度版という感じでしょうか。日本ではまだあまり一般的では無いと思いますが、湿度も家全体でコントロールする時代のようです。もちろん、自分の持ち家でないと実現できないことですし、イニシャルコストもかなり掛かると思います。

■湿度が高過ぎる場合

湿度が高過ぎるというのも、これまた問題です。冬になると窓が結露する家もあると思います。これは室内の湿度と温度が、外気に比べて高い場合に起こります。湿度が高過ぎると、壁紙や塗装が剥げたり、カビが生えたり、木材の場合は最悪の場合腐ってしまったりするので、除湿をすることが大切です。

室内を除湿する方法
  • 除湿器を使う

    換気ができない地下室や窓の無い部屋、それから梅雨や夏場など湿度が高い時期には、除湿器を使って人工的に湿度を下げるようにしましょう。

  • 換気する

    キッチンやバスルームなど、短時間で急激に湿度が上がる場所では、換気扇を使ったり窓を開けるなどして、適度に換気を行いましょう。

  • 湿度を上げないようにする

    炊飯器やポットなど水蒸気が出る家電は籠らない場所に置くとか(最近では水蒸気が出ない炊飯器もあります)、シャワーを使う時間を短くするとか、できるだけ湿度を上げないようにこまめな努力することも大切です。あまりに湿度が高い場合は、観葉植物なども外に出した方がいいようです。

人間にも家にも最適な湿度は45%前後だと言われています。湿度が30%以下だと乾燥し過ぎ、50%以上だと除湿した方がいいようです。そもそも、自分の部屋の湿度がよく分からないという人は、まずは湿度計を買うことから始めた方がいいかもしれませんね。

Controlling Humidity Levels at Home [Re-Nest]

Jason Fitzpatrick(原文/訳:的野裕子)