ライフハッカー過去記事「米Lifehacker主催『Google Wave争奪コンテスト』10月13日まで応募受付中」でも告知したとおり、米Lifehackerでは「Google Waveをどうやって使う?」というお題でコンテストを開催。600通以上の応募の中からノミネートされた優秀作品をご紹介しましょう。
1. 教育:インタラクティブ性とコラボ性を追求した学習へ教師・学生・学者から、Waveはコミュニケーションしたり一緒に勉強するプラットフォームとしてWaveは有効との指摘あり。中でも、以下のアニメーションを製作したMiddle School Technology CoordinatorのDovさんはこう述べています。
私は「Powerful Learning Practices(PLP)」と呼ばれるプログラムを担当している。このプログラムは、教育者が21世紀型の教育という新しい教えと学びのカタチを創り出せるよう、基本となるリタラシーを学ばせようという専門的な開発モデル。多くの教師や学生に影響を与える可能性を秘めている。
GoAnimate.com: How I'll Use Google Wave by differentspin
Like it? Create your own at GoAnimate.com. It's free and fun!一方、生徒はどんな使い方を考えているのでしょう?高校2年生のSeanさんはこうコメントしています。
欧州歴史の授業ではいつも、私も友達もノートを必死で取っています。授業が終わると、互いに自分がとったノートをメールしあっていますが、その後、重要なところを編集したり、ポイントをまとめるたりするのは各自でやっています。Google Waveを使えば、みんなでひとつの"ノート"ができ、情報を追加したり、重要なポイントにマーカーを引いたり、編集したりできますよね。勉強の効率がぐっとよくなると思います。
たしかに、教育分野はWaveをうまく活用できそうですね。しかし、健康・交通・報道・研究などにもその用途が広がっているようです。
2. 健康: 新型インフルエンザワクチンの効率的な供給CDC(疾病予防管理センター)
のコンサルタントBrianさんは、自身の仕事にWaveを取り入れた際のイメージについてこう語っています。私のグループでは、新型インフルエンザワクチンの供給に関する計画・出荷・連絡などのサポートしている。チームはアトランタ、ワシントン DCにあり、供給元はダラス。また、アトランタのチームは4つの拠点に分かれている。共同で作業する際、普段はメール・イントラネット・共有ツールを使っているが、会議が多かったり、作業が重複したりと、非効率な面も。一方、生産量、供給量などの状況が変化する都度、計画を更新しなければならない。現在は、ドキュメントは共有ドライブに保存され、更新情報はメールで発信されているが、Waveを使えば、ドキュメントや交信の変更履歴がすぐにわかるので便利だと思う。
3. 交通:航空トラフィックの制御フィラデルフィア国際空港の管制官Jamesさんは、Waveがフライト遅れの防止に役立つ可能性を指摘しています。
私の仕事は、フライトの離陸遅延を軽減させ、離発着の航空トラフィックにおける効率的な流れを維持すること。現在、GoogleのSpreadsheetを使って、離陸情報や気候状況などの情報を航空会社や関係者と共有しているが、Waveを使えば相互のコミュニケションの幅がぐっと広がる。たとえば、リアルタイムの気象レーダーをガジェットに組み込んで、ユーザが画像で気象状況をチェックできるようになるといい。また、Waveにより互いに会話やデータの履歴を閲覧できると、フィラデルフィア国際空港の遅延削減にもつながる。乗客にとっては時間が効率化され、航空会社にとっては燃料費や運営コストの削減も期待できる。
4. 報道:共同執筆による記事の作成教育分野と同様、報道での共同作業にはGoogle Waveが有効に活用できるでしょう。アリゾナ大手新聞社「Arizona Republic」の政治記者Caseyさんはこのテーマについて述べています。
Google Waveは記事を共同で作成する記者にとって、とても便利。現在、同僚と共同で、アリゾナ刑務所の安全問題について執筆している。記録の掘り起こし・インタビュー・テープ起こしなどを元に記事化しているのだが、別々のオフィスで仕事をしているので、編集履歴を把握するのに苦労している。Waveを使えば、リアルタイムに執筆のプロセスが"見える化"され、記事の整理や共同作業に便利。また、Waverとしてユーザを追加すれば、編集者も私たちの執筆経過を見ることができ、記事に対する疑問点やコメントを挿入することができる。また、クラウドソーシングとしてのポテンシャルも大きい。記事をWaveで公開すれば、読者ユーザにコメントしてもらうこともできるし、彼らのQ&Aを記事に組み込むこともできる。補足情報をドキュメントやリンクで追加することも可能。TwitterやFacebookよりもWaveのほうがクラウドソーシングとしてのポテンシャルは高いと思う。また、サウスカロライナのコミュニティ新聞編集者Martinさんも、Waveの有用性についてこう指摘しています。
我々の記事作成やプロジェクト進行は定型化されている。記者が記事を書き、私が編集し、さらに二次編集者がページのレイアウトなどを行い、印刷に送る前に、それを私がチェックするという流れだ。Google Waveに期待するのは、まず、オンライン上のコミュニケーションをWaveというひとつのプラットフォームで完結できるようにほしいということ。また、プライベート機能も搭載することで、記者との別ラインでのコミュニケーションも可能にしてほしい。さらに、Wave上で草稿状況を都度チェックすることができれば便利。
5. 子供の保護:虐待された子供の保護医療問題・人権・子供の虐待など、人道的な課題の解決につなげるプラットフォームとしても、Waveが活躍できると考えられているそうです。カリフォルニア州のCase Supervisor for Court Appointed Special Advocates(CASA)でケーススーパーバイザーをやっているMaggieさんは、このように述べています。
私は、虐待ゆえに家を追われた子供たちのための仕事をしている。ケーススーパーバイザーは40名のボランティア相談員を担当し、相談員には子供に関する相談が、多くの人々から寄せられている。個別の相談案件を管理するための基本的なデータベースはあるが、それぞれの案件についてのコミュニケーションをひとつひとつチェックするだけでも重労働。Waveを使えば、この業務負荷が大幅に軽減されると思う。また、私たちの団体は95%が寄付で運営されているので、無料で誰でも使えるこのようなオンラインサービスがあると、寄付金を子供の養育・保護のために使えるので有難い。
6. クリエイティブ:共同創作映画やテレビの脚本・詩・小説・漫画などを共同創作したいというクリエイティブ派からの応募もいくつかありました。クリエイティブライティングを大学院で勉強しているChristopherさんの例をとりあげてみましょう。
十数名で行う実習授業では、小説や詩など自分の創作原稿を提出し、学生同士で批評しあっている。通常は人数分のコピーを持参すると、各学生が思い思いにメモを書き込み、さらに、感想などを口頭でくれたりする。口頭でもらったコメントはすぐに書き残さないと忘れてしまうし、メモは学生ごとに書き方が違うので、これらを編集するのは一苦労。その点、Waveを活用すれば、テキストのどこにでもコメントを書き込み、議論しあうこともできるし、授業で得た内容をそのまま原稿の修正に反映させることもできるので便利。
7. 家庭(1):健康問題を抱える家族の状況把握離れていても、愛する家族が健康問題を抱えていると心配なもの。家族の状況を把握するツールとしてWaveを活用するアイデアをCaregiver Mikeさんが提案しています。
私はLizという女性を介護している。元気だが、物忘れがあるようだ。夫を亡くしているが家族はある。ただ、家族は離れ離れで、彼らにもそれぞれの家庭や仕事がある。現在、週1回、家族にLizの近況をメールで報告することになっており、彼らも都度、質問や提案を返信してくれるが、メールが行ったり来たりするので混乱するし、時間も浪費してしまう。Waveを使うと、このようなコミュニケーションの課題が改善される。週明けに新しいWaveを作成し、家族をWaverとして招待したら、都度状況を書き加えていけばいい。家族もより頻繁にLizの状態がわかる。Waveのプレイバック機能を使えば、これまでの履歴がすぐわかるので便利だ。
8. 研究:共同研究の生産性向上学生やジャーナリストと同様、研究者も遠隔地で共同して取り組むことがあるそうです。米スタンフォード大学の伝染病研究チームに属するThomasはこう述べています。
私の研究チームは世界中と共同で研究を進めている。現在のプロジェクトでは、オーストラリア・パキスタン・アフリカのガンビアといった具合だ。共同作業には、メールや電話会議を使っており、共同執筆はWordを使っている。Waveを使えば、雑誌の記事を共同執筆するといった作業も効率化でき、新たな共同プロジェクトの立ち上げにも便利だと思う。
9. 家庭(2:: 外国人の姑とのコミュニケーション「Waveは国境を越える」という例を挙げてくれたのはJohnさん。
妻はドイツ出身なのだが、ボクはドイツ語が話せないし、姑は英語が話せないので会話ができない。Waveの翻訳機能を使えば、リアルタイムにコミュニケーションできるので嬉しい。
10. 趣味:リトルリーグのマネジメントもうひとりのJohnさんは、リトルリーグを運営している一人。Waveを使えばこの業務がもっと効率化できると指摘しています。
私の担当するリトルリーグでは、4歳から14歳の400人以上の選手を抱え、40チームから成り、4か所の施設を共有している。80人のコーチに10~12名の理事メンバー・10名の審判などなど、多くの人々がいる。現在、リーグファイルの共有にはDropboxを使い、コミュニケーションは主にメールは携帯電話。雨天延期・審判の調整・試合時間の変更など、共有しなければならない事項は多数あり、メールだとそれぞれのコメントを追跡したり、新たな課題を追加するのに不便。事務方の調整が悪いと各チームのリーグ参加への満足度にも影響するし、できるだけ子供たちに野球を楽しんでもらうためにもWaveで効率化したい。
11. 災害救助:屋根で救助を待つ人々の救助Onealさんは、先月フィリピンで起こった台風災害を例に挙げ、Waveを災害時のリアルタイムな情報共有の場にしようと提案しています。
2009年9月26日、台風16号による被害でフィリピンのルソン島では、300人以上が亡くなり、何百人もの人が負傷し、多くの人が家を失った。この災害では、私の婚約者Reginaを含め、浸水により家の屋根に多くの人々が置き去りにされた。
Reginaは電気も使え、インターネット接続も可能だったため、どの地域に救助が必要か、誰を救助すべきかという情報をFacebookに投稿した。同様の多くのユーザのおかげで、Facebookのステータスとタイムラインで台風の被害が最もひどい場所を知らせることができ、システマチックに必要な援助活動を行うことができたそうだ。
彼女の家族は一晩を屋根裏で過ごし、被害発生から14時間後の翌朝6時に救助された。テキストメッセージやソーシャルネットワークを使えば、リアルタイムに情報を共有することができる。Facebook・Multiply・Twitterはよいプラットフォームだが、Waveはオンラインコミュニケーションをさらに一歩前進させてくれると思う。
12. イベント:結婚式のプランニングTiffanyさんは近々結婚の予定。Waveはこの人生の一大イベントにも使えると述べています。
私は今、結婚式に備え、米国中にいる友達や家族の調整をやっている。私はテキサス州に住んでいるが、結婚式はフロリダで挙げる予定。今は電話やメール・Skypeを使って連絡を取り合っているが、Waveが使えれば、結婚準備にもとても便利だと思う。仲間同士でアイデアを共有しあうこともできるし、料理やドレスなどを画像や動画で貼り付けることもできる。ブレーンストーミング的に議論をし合った結果をまとめたり、あとで編集したりするのも便利。
13. 家庭(3):忙しい家族の調整Randyさんは家族でWaveを使いたいそうです。
私は大家族のひとり。サッカーチームも持っているし、音楽を楽しんだり、大工プロジェクトもある。課題はスケジュールを追跡したり、プロジェクトの詳細な計画が整理しづらいこと。今はGoogle Docsとメール、Googleカレンダーを併用しているが、Google Waveだとワンストップで情報共有できるので便利。
同様に、Samさんも以下の動画とともに、家族でWaveを使いたいとのコメントを寄せてくれました。
いかがでしたか?
Google Waveのコミュニケーション機能やコラボ編集機能に着目した提案が多いですね。仕事はもちろん、学習やプライベートにもその用途は無限に広がります。
Google Waveの活用について、あなたのアイデアもこちらのコメントでぜひ共有してくださいね。
Gina Trapani(原文/松岡由希子)