DNAからの形づくり

―情報伝達・力の局在・数理モデル―

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DNAからの形づくり
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 生物は一言でいえば「増殖しながら生きている物」だが、増殖することと生きることに対して、DNA分子が重要な働きをしている。増殖については、DNAはコピーするのに容易な構造をもっているのでわかりやすい。一方で、生きること、すなわち生物が形をつくり活動することにDNAがどのように働いているのかを読み解くことは簡単ではない。
 本書では、形づくりに関するDNAの働きを大観したうえで、数理モデルを用いてDNA–タンパク質–細胞の経路が形づくりにつながることを説明する。その範囲は、身近な哺乳類の胚盤胞、神経管などいくつかの多細胞体の形から、不思議な立体異性体として知られている初期心臓のらせん構造にまで及ぶ。

1. DNAからの何が形をつくるか
1.1 DNA・mRNA・タンパク質
1.2 形づくりにおけるタンパク質の働き
1.3 力が形をつくる

2. 限られたDNA情報がさまざまな形をもたらす仕組み
2.1 分岐の繰り返しでできる樹形
2.2 ビワクンショウモのパターン形成
2.3 細胞分化のラテラル抑制
2.4 チューリングモデル
2.5 毛細血管網と血管分岐系

3. 物理の世界での形づくりを眺める
3.1 できあがった形
3.2 形成中の形

4. 多細胞動物の形の特性とこれをつくり上げる細胞
4.1 動物の体は袋である
4.2 袋は上皮細胞でできている
4.3 上皮細胞中のVAC の働き
4.4 上皮細胞の頂底極性の形成

5. 多細胞動物の形態形成のための数理モデル
5.1 セルセンター・モデル
5.2 バーテックス・モデル

6. バーテックス・ダイナミクスとその応用
6.1 2D バーテックス・ダイナミクス
6.2 3D バーテックス・ダイナミクス

7. 細胞の力が細胞の並び替えを起こす
7.1 多角形の辺の異方的収縮が多角形の並び替えを起こす
7.2 球形の袋が自発的に細長くなる
7.3 チューブが自発的に長くなる
7.4 細胞の平面内細胞極性(PCP)が力の方向を決める
7.5 細胞集団の収斂拡張(CE)

8. 組織がらせんにねじれる
8.1 3D 空間にある平面のシートがねじれる
8.2 まっすぐなチューブがねじれてらせんループになる(1D→3D)
8.3 初期胚心臓のチューブがらせんループをつくる(1D→3D)

9. DNAから形ができるまで
9.1 まとめ
9.2 逐次的自己構築

用語集

参考文献

生物の形づくりの物理学(コーディネーター巌佐庸)

索引

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