内容説明
本書では、形づくりに関するDNAの働きを大観したうえで、数理モデルを用いてDNA-タンパク質-細胞の経路が形づくりにつながることを説明する。その範囲は、身近な哺乳類胚盤胞、神経管等の多細胞体の形から、不思議な立体異性体として知られている初期心臓のらせん構造にまで及ぶ。
目次
1 DNAからの何が形をつくるか
2 限られたDNA情報がさまざまな形をもたらす仕組み
3 物理の世界での形づくりを眺める
4 多細胞動物の形の特性とこれをつくり上げる細胞
5 多細胞動物の形態形成のための数理モデル
6 バーテックス・ダイナミクスとその応用
7 細胞の力が細胞の並び替えを起こす
8 組織がらせんにねじれる
9 DNAから形ができるまで
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
女神の巡礼者
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この共立スマートセレクションのシリーズ3冊目だけど、やっぱり難しい。研究者さんが本気で書いてくださっているからだと思うけど、かなり専門的な部分も直球で投入されて難解になってる。でも、その分一般向け科学解説書で得られない最新の知見に触れることができて満足します。本書でも。DNAの情報から、生物の機能や形態がどのように形成されるかという、とても面白い新たな知識を得ることができたと思います。(といっても主要なテーマの数理モデルはだめでしたけど。)DNAの情報からアミノ酸で、役に立つ構造が組み立てられる奇跡です。2024/07/10