阪神・淡路大震災を経験し、現在は日本料理店「白雲まこと」を経営する中嶋建二さん=姫路市魚町(撮影・辰巳直之)

21歳での開店決断の機に 前向き、全力で取り組む原点

 「ゴーーーッ」という大きな音で目が覚めた。

 「ジャンボジェットがすぐ近くを飛ぶような、すごい音。今も耳から離れない」と振り返る。1995年1月17日午前5時半ごろ。当時は神戸市北区、有馬温泉の旅館で料理人として働き、職場近くのワンルームマンションに住んでいた。

 近くの山に何か墜落したのかと思って窓を開けた。何もない様子だが、不安は消えない。ニュース速報がないかとテレビをつけた後、大きな揺れが襲ってきた。部屋がかき回されたようになり、立てなくなった。