企画展開幕前、作品制作に向けての思いを語る束芋=群馬県渋川市金井、原美術館ARC

■「経験」は鑑賞者に伝わる

 「2024年は悲しい別れの年だった」。美術家・束芋(たばいも)はそう振り返る。

 京都造形芸術大学(現京都芸術大学)で出会い、恩師と慕っていた現代美術家の田名網(たなあみ)敬一が24年8月、突然この世を去った。

 「亡くなったことを聞いてから、先生のことを思わない日はない。制作に関しても本当に依存していたんだなと感じている」