親子丼

肉に小麦粉をまぶす
これがとろとろに仕上げる秘訣です

親子丼の魅力は卵と煮汁をまとった鶏肉、全体のとろとろ感です。ただ、卵はわずかな加熱の差で状態が変化する食材です。肉にちょうどよく火を入れながら、卵をほどよく半熟に仕上げるのは案外難しいものです。そこで、小麦粉を使ってください。このひと工夫で失敗なく、とろとろ食感に仕上がります。

肉に小麦粉をまぶすことで、ゆっくり火が入るので、硬くならず、煮汁に粉が溶けることで、ほどよいとろみもつき、卵のとろとろ食感もアップします。また、煮汁を多めにしておくことも、卵への火の通りをゆるやかにする効果があります。これで落ち着いて調理ができ、好みのとろとろ感をねらって仕上げられます。

そして卵は全部が半熟である必要はありません。卵を2回に分けて加えることで、半熟部分をしっかりキープして仕上げられます。

  • ●肉に小麦粉をまぶす
  • ●煮汁を多めに
  • ●卵を2回に分けて加える

この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。

材料・2人分

  • 鶏もも肉または胸肉…1/2枚(100~120g)
  • 小麦粉…大さじ1
  • 玉ねぎ…1/2個(100g)
  • 卵…3個
  • 白飯…どんぶり2杯分
  • 好みで粉山椒、七味唐辛子…適宜
  • 〈A〉
  • 水…3/4カップ
  • キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ…大さじ2
  • マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん…大さじ3

つくり方

1. 鶏肉、玉ねぎを切る

鶏肉は脂肪を除いて2㎝角に切る。玉ねぎは半分に切り、厚さ5mmに切る。

鶏肉は下処理をしてから使います

鶏肉は黄色っぽい脂肪と筋を取り除きます。一口サイズのやや小さめに切ると、食べやすいだけでなく、卵も絡みやすくなります。玉ねぎは具材感が残るようやや厚めに切ります。長ねぎでも代用できます。

2. 卵をほぐす

卵を割り、卵黄を先に崩し、箸で軽くほぐす。

卵は泡だてないように混ぜます

卵は、脂肪分の卵黄と水分の多い白身という2つの成分でできています。この脂と水を混ぜるために、先に卵黄をほぐしてから、全体を溶いていきます。このとき箸をボウルの底から離さずに混ぜると泡立ちません。底に当てたまま15回くらい菜箸を行き来させます。泡立って空気が入ってしまうと火の通りにムラができ、半熟具合をコントロールしづらくなります。

3. 煮汁を煮立てる

鍋または小さめのフライパンに〈A〉を入れる。中火で2分煮立てる。

小さめのフライパンが便利です

浅めの鍋、または、直径20cmほどの小さなフライパンが便利です。大きいフライパンだと煮汁がすぐに温まって、卵にあっという間に火が通ってしまいます。煮汁は一度しっかり煮立てて、みりんのアルコール分を飛ばします。

4. 玉ねぎを煮る

玉ねぎを入れて2分煮る。

玉ねぎを先に煮ることには意味があります

玉ねぎはある程度火を通すとうまみが出るので、先に煮ます。少し煮ると、とろみも甘みも出てきます。

5. 肉に小麦粉をまぶす

肉に小麦粉をまぶし、余分をはたく。

小麦粉は直前に薄く

肉全体に薄くまんべんなく小麦粉をまぶします。余分な粉はかるくはたいて落としておきます。このひと手間が、とろとろでツヤのある親子丼をつくる秘訣です。粉はできるだけ煮る直前にまぶしましょう。

6. 肉を煮る

肉を入れて1~2分煮る。上下を返してさらに1分煮る。

肉の色が変わるまでは動かさずに

肉に火を通すために、最初の1~2分はそのまま動かさずに煮ます。徐々に煮汁にツヤやとろみがついてきて、肉の色が変わったら上下を返します。

7. 卵を2回に分けて入れる

卵の半量を全体に回し入れる。20~30秒したら、残りの半量を回し入れる。卵が好みの半熟状になるまでフライパンをゆすりながら煮る。

フライパンをゆすりながら火の通り具合を見守ります

卵はフライパンのふち側から固まりはじめます。2回目の卵を加えたら、火の通り具合をチェックします。半熟状になり、フライパンをゆすって卵と煮汁が一緒に動くようになっていたら、ちょうど良いタイミング。下のほうまでほどよく火が入り、丼に移しやすい状態です。すぐに火からはずしましょう。

8. 丼に盛る

丼に白飯を盛り、(7)を盛る。

ツヤやとろみを感じる盛り付けを

手早く盛っていきましょう。ツヤやとろみを感じる部分がよく見えるように整えます。好みで粉山椒や七味唐辛子を散らします。

(1人分熱量718kcal/塩分2.9g/調理時間約15分)

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ヘルシーポイント

鶏肉と卵。良質なたんぱく質がしっかり摂れる料理です。ごはんの量を調整することでカロリーを減らせます。肉を鶏のささみや厚揚げに替える、肉を減らしてきのこを加えるなど、卵とじ料理としてさまざまなヘルシーアレンジが可能です。

料理/小田真規子 
撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。
公開:2022年12月1日